真紅の焔 真田忍法帳(PlayStation Vita)のレビュー・評価・感想情報
史実をベースに、生命に関わる“輪”や強敵である鬼火衆などの要素が大胆に物語を彩り、真田十勇士たちの生き様を熱く美しく描いています。物語が硬派な歴史モノであり、キャラクターたちが想いを表に出さない忍だからこそ、動乱の世を生きる姿や主人公との恋模様はとても情熱的。サブキャラもみんな存在感があっていい味を出しています。輪に関する流れがどのルートも一辺倒なのはもったいない。
週刊ファミ通1542号より
史実を絡めた和風ファンタジーのシナリオは、読んでいてワクワクさせられ、歴史ファンにも響くと思う。乙女ゲームとしての恋愛要素がありながら、敵方も含めて魅力的なキャラたちのバトルものといった側面もあり、男性でも楽しみやすい内容。各キャラのルートを進めるごとに、いろいろな謎が明かされていき、世界観への理解が深まる構造なのもいいね。用語集や地図による補足があるのも親切。
週刊ファミ通1542号より
史実や伝承を研究のうえ消化した“新訳・真田十勇士”とでも呼びたい伝奇ロマンで、お話のおもしろさに引き込まれます。英雄たちに認められ、ともに戦い、死と隣り合わせの状況で愛と向き合う主人公がカッコいい。選択肢で修羅場をくぐり抜ける“忍システム”が、スリルと躍動感を増幅。どれを選んでもエンディングに影響しないサジ加減は絶妙ですが、どちらの行動がどう忍らしいのか解説が欲しい。
週刊ファミ通1542号より
大坂の陣にまつわる史実の空白に“死人返り”を盛り込んだ物語が魅力的。どのルートにも挿入される、忍としての行動や“輪”の調整の選択シーケンスはやや作業的に感じるものの、自然の美しさを実感できる背景CGや、“溜め”がきいた戦闘シーンは、何度見てもテンションが上がります。UIまわりのちょっとした演出が丁寧かつ小気味よく、周回プレイも苦にならない操作感を実現しています。
週刊ファミ通1542号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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