終わる世界とバースデイ(PlayStation Vita)のレビュー・評価・感想情報
各ヒロインのデザインや設定などは、ギャルゲーの定番的なものなのだが、いわゆる“ループもの”となっているシナリオが特徴。けっこうどぎつい描写を織り交ぜながら、各ヒロインのエンディングを経て、その後で世界の真相に迫っていく展開にワクワクさせられた。ゲームの開始時に、プレイヤーの誕生日を入力するのだけど、そのことを忘れたころに、意外な使いかたをしてきて、ちょっと感動しました。
週刊ファミ通1483号より
シナリオに比重が置かれていて、ヒロインとの甘い展開は少なめ。個別ルートに入ってからのボリュームもあっさりしているけれど、終末に向かう非日常的な舞台設定や、切なさを感じさせる物語の展開に引き込まれる。種明かしのしかたがもっと巧妙だと、なおよかったが、「そういうことだったのか」という驚きはあるし、張られていた伏線にも納得。さらに、読み終えた後に、心に残るものがある作品。
週刊ファミ通1483号より
SFならではの壁に阻まれる恋愛や、ネットとリアルで距離感が異なる男女関係の切なさが胸に迫る。各ルートを、一連の流れの中でひと続きに読ませる構成が、作品の設定と構造に合っていてすばらしい。警告表示で緊張感をもたらす選択肢や、おまけ要素ながらヒロインたちの存在感を高めているSNSはアイデアもの。ヒロインによっては、キスシーンなどがスチルで見られないのは、ちょっと期待はずれ。
週刊ファミ通1483号より
SNS発祥の不吉な予言を中心に展開する前半は、5年以上前のネット掲示板でのノリなども含めて、ややとっつきにくいかも。物語世界の“違和感”の正体が、徐々に明らかになっていく中盤以降は、世界の絶望と虚無に挑んでいく展開に熱くなれるはず! シナリオ構成はそれほど複雑ではないものの、物語の時系列の把握にはやや注意が必要。タッチ操作は、レスポンスはいまひとつながら、フル対応です。
週刊ファミ通1483号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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