VA-11 HALL-A(ヴァルハラ)(PlayStation Vita)のレビュー・評価・感想情報
サイバーパンク風の世界観、レトロPC風のグラフィックに加えて、バーテンダーとしてお客にカクテルを作って提供するという内容が独創的でいい。出すカクテルによって物語の展開が変わっていくところもおもしろい。話をガンガン進めるタイプではなく、BGMに耳を傾けながら客の好みのカクテルを作り、会話を楽しみ、じっくりと世界観に浸るタイプの雰囲気ゲー。それだけに、好みは分かれそうかな。
週刊ファミ通1510号より
店にやって来るさまざまな珍客にカクテルを提供しつつ、物語を読み進めていく構成がユニークで、バーテンダー気分を味わえるのもステキ。作るカクテルによってストーリーが枝分かれするシステムは興味深いが、分岐のポイントや条件がわかりにくいかな。セクシャルな話題が多めですが、レトロなデザインと音楽、そしてサイバーパンクの世界観が好きなら、この雰囲気に酔いしれることができるかと。
週刊ファミ通1510号より
同人的なノリも含めた独特のムードが光る、唯一無二の作品性に強く引かれました。バーテンダーと客という特殊な距離感での会話を通して、謎めいた作品世界やワケありの登場人物像が少しずつ浮き彫りになる構成がすばらしい。主人公の私生活についての赤裸々な描写には、胸をえぐられます。カクテル作りやジュークボックスでの選曲が、アンニュイな空気やテンポを生む仕掛けとしてうまく機能。
週刊ファミ通1510号より
常連客や珍客と交わす淡々とした会話の中に、舞台世界の情勢やテクノロジーに関する情報がさりげなく盛り込まれ、ゲーム内日数を重ねるごとに新鮮な発見があります。カクテル作成パートのリスト検索がもう少しスマートなら……といった不満はありますが、サイバーパンク風の世界観にマッチしたBGMと、レトロPCゲームを想起させる各種演出が織り成す夢幻泡影ムードに浸れるだけで、大満足です。
週刊ファミ通1510号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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