大正×対称アリス all in one(PlayStation Vita)のレビュー・評価・感想情報
多様な童話をモチーフとした世界観。そのちぐはぐさを、クセのある尖らせた表現で、うまくまとめ上げています。ヒロインの、天然のようでありながら、男の子を手のひらで転がすような会話のやり取りが、またなんとも小気味よい。何よりも、昨年出たばかりのPC版の4タイトルを1本にまとめたというのはすごい。遊び応えは満点で、そのわりにお手ごろ価格。操作まわりも、便利ですごく快適です。
週刊ファミ通1434号より
童話がモチーフのファンタジーの世界観はキャッチーながら、ストーリーはシリアスさと、ちょっと狂気じみたものを感じさせる。若干の難解さもあり、ひたすら甘い展開を望む人には合わないと思われ、好みが分かれそうだが、驚かされる展開や一途さを感じさせるシナリオは大きな魅力。4作ぶんがお得な価格でまとめられているのはうれしいね。選択肢までのスキップなど、機能面も十分揃っている。
週刊ファミ通1434号より
いつの時代でどこの国の話なのか、主人公は何者なのかなど、ミステリアスな描写の数々に想像が膨らみます。タイトルの意味も含めて、少しずつ理解が進むエピソード構成は興味深く、ボリューム的にも満足。思わせぶりな前振りが多いだけに、説明不足と情報過多な面の両方が目立つ点は惜しい。エピソードごとにキャラの立場が変化して、その都度、新鮮な気持ちになれるのはおもしろかったです。
週刊ファミ通1434号より
会話シーンでの言葉遊びの楽しさと、微妙なニュアンスの違いにも対応した音響面に対するこだわり(ヘッドホンの着用を推奨)によって、各話がクロスオーバーするおとぎ話世界に、気持ちがスッと入っていけます。“ギャップ萌え”を中心とした、キャラの魅力の描きかたもいいですね。プレイ経過に関する情報が少なく、ゲームオーバーを回避するための選択肢の特定に手間取る点は、やや気になりました。
週刊ファミ通1434号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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