ニル・アドミラリの天秤 帝都幻惑綺譚(PlayStation Vita)のレビュー・評価・感想情報
大正25年という架空の時代で展開される濃厚な物語と、セピア調で統一された味のあるグラフィックがいい。魅力的なデザインの登場人物たちとの、17歳以上を対象としたやや濃いめの表現をともなう恋愛描写が、本作ならではのテイストになっている。システムまわりも快適で、シナリオ分岐の達成条件が確認できるのが便利。オマケ要素として、本編以外にショートストーリーなどが充実しているのも○。
週刊ファミ通1428号より
繊細なタッチのグラフィックと、大正時代をモチーフにした世界観が素敵。本を巡る物語は、若干地味な印象を受けるが、各人の思惑が交錯する展開は興味深い。“行路”で、場面ごとの選択肢の有無や、各エンド条件の取得状況などが確認できるのが便利で、チャプタージャンプの機能も兼ねているのがいいね。ハッピーエンドの条件はシビアだが、それをフォローする仕組みが整っており、迷わずに遊べる。
週刊ファミ通1428号より
妖しく官能的なシーンも盛り込まれ、オトナの大正浪漫といった作風が新鮮。攻略対象と恋に落ちる経緯も丁寧に描かれています。ともすると長く感じるかもしれないけれど、短いチャプターに分かれていて、それぞれで選択肢の有無や、エンディング分岐に影響するかなどがわかるのが便利。好感度形式でなく、天秤をモチーフにしたフラグ形式で、見た目にもわかりやすいね。バッドエンドにもゾクゾク。
週刊ファミ通1428号より
個別ルート突入後は、事件の謎と各キャラが抱える深い闇が錯綜し、物語が大きくシリアスに展開。凛として退廃的な時代背景がさらに甘さを際立たせる恋愛要素は、お互いが惹かれる過程がしっかりと描かれ、随所の官能的な描写も手伝って引き込まれます。グッとくるバッドエンドも◎。攻略は、フラグがひと目でわかるので、ルート回収がしやすかったです。さといさんの絵はやはり美しいですね。眼福。
週刊ファミ通1428号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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