【P-Pコラム】新作音ゲー『ステップシアター』体験版配信記念。ビジュアルイメージ担当すびかか氏&あらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】

【P-Pコラム】新作音ゲー『ステップシアター』体験版配信記念。ビジュアルイメージ担当すびかか氏&あらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
 連載第7回となる『P-Pの三度の飯よりゲームが好き』は特別編でお届け! エヌビーゲームズから2026年に発売予定の新作リズムゲーム『STEP THEATER(ステップシアター)』。本作の体験版の配信を記念して、今回はP-Pさんに加え、ゲームのグラフィックを担当するすびかか氏とあらもん氏を招き、オンラインインタビューを実施しました。本作のビジュアルがどのようにできあがっていったのか、3人の努力が垣間見える内容となっています!
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P-P

ゲーム実況者として2010年に活動を開始。高いゲームスキルと柔らかな語り口が特徴で、とくにアクションゲーム、音楽ゲームを得意とする。2015年ごろから一時活動を休止し、ゲーム会社でプログラマとして勤務。数々のコンシューマタイトルに携わるも、インディーゲーム制作への挑戦のため2024年に退職。現在はゲーム実況者とゲームクリエイターの二足の草鞋で活躍中。

すびかか

任天堂のゲームが大好きな駆け出しのイラストレーター。2018年頃よりイラストをSNSに投稿しはじめる。『STEP THEATER』ではグラフィックを担当。Xのアカウントはhttps://x.com/Suyasuyabi427

あらもん

イラストレーター。2020年よりSNSにてイラストの投稿を開始。カービィと食べ物の絵を好んで描く。ゲームやグッズ、イベント用などのイラスト制作も。『STEP THEATER』ではグラフィックを担当。Xのアカウントはhttps://x.com/Ara_love_kirby Instagramのアカウントはhttps://www.instagram.com/mikuro8423/

【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】

普段あまりゲームを遊ばないような幅広い層に遊んでもらうゲームを作りたい

――まず、お三方それぞれの簡単な自己紹介をお願いします。 

P-P
 現在制作中のゲーム『STEP THEATER』のディレクター・発案をしましたP-Pです。主に企画とプログラム作業を行っています。普段はYouTubeでゲーム実況をしていまして、ゲーム制作とYouTubeでのゲーム実況を並行しています。

すびかか
 今回『STEP THEATER』のグラフィックを担当させて頂きましたすびかかです。イラストレーターとして仕事をするのは今回が初めてで、普段はWebメインでいろいろな絵を発表しています。

あらもん
 同じくグラフィックを担当しているあらもんです。イラストレーターとしてはまだ駆け出しなのですが、イベントのグッズイラストなども担当したことがあります。

――グラフィック担当のおふたりが『STEP THEATER』の開発に携わるようになった経緯をお聞かせください。P-Pさんとは兼ねてからお知り合いだったのでしょうか?

P-P
 いえ、知り合いではなく私のほうから声をかけました。まず自分がゲーム制作をしたいと考えたとき、普段あまりゲームをプレイしない人もターゲットにできるゲームを作りたいなと思いました。そのために、よりキャッチーというか、幅広い方に遊んでいただけるようなグラフィックを依頼しようと考えるようになり、適した絵を描ける方を探していました。

 さらにいえば、ゲームってけっこう動きがあるので、アニメーションを作れるというのも基準としてありました。その2軸を意識して探した結果、すびかかさんのイラストが目に留まったんです。絵がポップで可愛らしいというのと、GIFのアニメーションをあげていたので、これだけ動かせる人なんだということが判断材料になりましたね。ダメでもともとという気持ちでXをフォローしてメッセージを送らせてもらいました。

すびかか
 もともとニコニコ動画でP-Pさんが活動されていた頃から存在は知っていたので、連絡をいただいた時は衝撃でしたね。見てすぐに返信しました。

P-P
 リズムゲーム……とくに今回作っている『STEP THEATER』はステージ型の構成をしているので、ステージごとにグラフィックを描いていただく必要があるんです。作業を進めていくと、ちょっと作業量が多くなりそうだなということがわかってきて、もうひとり探そうということになりました。すでにすびかかさんに作業に入ってもらっていたので、その絵柄から大きく外れてしまうと世界観がごっちゃになってしまいます。なので、同じくポップな絵を得意とする方を探していました。加えてすびかかさんはすごく筆が速いんですよ。そのため、作業ペースを合わせられそうな人ということで、先ほど自己紹介でおっしゃっていたイベントグッズの絵柄や、筆の速さなどを加味して、あらもんさんにお声がけさせていただきました。

あらもん
 私の場合は、パブリッシャーさんからご相談のメールをいただきました。本当にびっくりしました。「何が起こっているんだ……!」という気持ちでしたね。

――あらもんさんが後から入られたということですが、すびかかさんとグラフィックのテイストのすり合わせのようなものはあったのでしょうか?

あらもん
 最初の打ち合わせの時にすびかかさんの絵を少し拝見させてもらったんですが、じつはそのときまですびかかさんが参加していることをまったく知らなくて……! 私もすびかかさんも、『星のカービィ』シリーズの絵をよくSNSにあげているので、カービィの絵はよく見ていますが、カービィじゃなくてもすびかかさんの絵だってすぐにわかるんですよ。本当に衝撃でしたね。

すびかか
 私もあらもんさんはSNSを通して知ってはいたので、参加されると聞いたときは驚きましたし、すごく頼もしかったです。

――体験版ではすびかかさんが担当されたステージのみの収録となっていますが、あらもんさんの担当されたステージとのイメージのギャップについて考えたことはありましたか?

P-P
 そこは自由に描いて頂きました。私の方針としては、無理にお願いをして個性が潰れたり、よさが失われたりするのはもったいないと思っていて、その人が一番描きやすい方法で仕事をしてくれるのがいいので、合わせてほしいみたいなことは言いませんでした。

――音ゲーは曲単位とかで絵柄が変わっても気にならないので、確かに複数のイラストレーターの起用とは相性がよさそうに感じますね。

P-P
 そうですね。あと私はもともとゲーム会社に勤めていたのですが、企業のゲームだと絵柄を揃えなきゃいけないみたいなこともあります。でも本作はインディーゲームなので、そんな縛りはないですし、むしろそこを含めて自由なことが魅力でもあるなと思っています。

――おふたりの絵柄の特徴や魅力って、どんなところだと思いますか?

あらもん
 すびかかさんは画力お化けだなと思っています。やっぱりカービィ30周年を記念したファンアートがあまりにも衝撃で……! GIFアニメもたまに描かれていて、なんでもできる人というイメージです。

【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
すびかかさん渾身のイラスト。カービィシリーズに登場するキャラクターがとてつもない密度で描かれている。これが愛……!
P-P
 あらもんさんの絵はカービィのポップさとすごく親和性が高いですよね。あとは食べ物が本当においしそう。カービィって大食いじゃないですか。だからおいしそうな食べ物があることで、より絵が魅力的に見える! すびかかさんはオリジナルキャラも描かれていて、キャラクターデザインもできるのがすごいですよね。ステージ制作のご相談をする際に、おふたりから「こういうキャラクターはどうですか?」という提案もいただけるんです。そういう面でも、とても心強いですね。

――具体的にはどのように作業を進めていくのでしょうか?

P-P
 じつは私のほうからは、「こういうテーマで、こんなステージを作りたい」というコンセプトみたいなものをおふたりにお伝えするのですが、キャラデザだったり背景だったりはおんぶにだっこといいますか、お任せみたいな形になってしまっています。もちろんラフを出して頂いてから「もう少しこんな感じで~」とお願いすることもありますが、頼れる方々なのでお任せしてしまうことも多いですね。

すびかか
 P-Pさんからアイデアやステージの資料などを最初に頂いて、そこからラフを作っていきます。私は打ち合わせのときに相談できるように、前もっていろいろ作っていくようにしていますね。P-Pさんがおおらかな方なので、けっこう自由にやらせてもらっています。

P-P
 ステージを新しく作る際は、クリエイターの方々にステージを説明するための共有会を通話でするようにしているのですが、その時点ですでにすびかかさんが資料を見てイメージを描いてくれているときがあるんですよ。説明会の後から着手で構わないんですけど、「もうすでに描いてまして……」って出してくることに驚きます(笑)。

あらもん
 最初に頂く仕様書がとてもイメージしやすいんです。始めのころはいろいろ案を出していたのですが、選択肢がありすぎても悩ましいなという話になり、ある程度こちらの裁量に任せてもらえるようになっていきましたね。

――体験版でプレイできる範囲でいうと、うさぎが餅つきをする“二匹のもちや”というステージがありますが、まずP-Pさんが物語や設定などを考えて、グラフィックの方に送って作ってもらうという形になるのでしょうか?

P-P
 そうですね。まさにいちばん最初に作ったのがその“二匹のもちや”なのですが、“餅つきをして餅を売るステージを作りたい”という話と、あくまでリズムゲームなので“こういうリズムを刻みたい”という要素を仕様書にまとめてお伝えしています。

 例えば餅つきは杵を振りかぶって餅を叩いて行いますよね。その振りかぶっている状態を予兆として置いてるんです。予兆として2拍おいて、叩く。そういう一連の動作を、“構えて、引いて、叩く”みたいに表現したいということを書いています。なのでお伝えする時は、「予兆の部分はわかりやすいように大きく描いてほしいです」といった要望を出しています。

 ちなみに、お餅に顔が付いているじゃないですか。あれって私のほうでは特に指定はしていなくて、普通のお餅を描いてもらうつもりでいたら、キャラクターとして出てきたんです。遊び心があっていいなと思いました。
【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
――本作にはさまざまなシチュエーションのステージがありそうですが、リズムゲームに落とし込むシチュエーションを考えるのはなかなか難しそうに思います。

P-P
 本当に大変でした!(笑)基本的には私がベースのアイデアを出しているのですが、自分の発想が至らないばかりにラフを描き直してもらったこともありましたし、実際に組んでみてリズムゲームとしてはプレイしにくいと感じるものも当然ありました。おふたりからは、「こういう風にしたらリズムが取りやすくなるかもしれないですけど、どうでしょうか」と、積極的に改善案を出してもらえたので、非常に助かりました。

グラフィック側からの提案が、ゲームをよりおもしろくした

――ではあらもんさんとすびかかさん、それぞれが担当された部分で、とくに力を入れたり大変だったりしたものがあれば教えてください

あらもん
 もちろん全部大変でしたが、やっぱり私はどうしても食べ物を描くときは熱量が高くなりがちですね(笑)。食べ物を細かく、おいしそうに見せるのが好きで、ゲームであってもそうしたいと思って描いているのですが、イラストとの違いを知った部分でもありました。ゲームの視覚情報って、1回1回が短いので、普段描いている絵のような密度だと、情報量が多すぎて視線が混乱してしまうんです。例えばフライパンで目玉焼きを焼くステージがあるんですが、私の気持ちとしては目玉焼きを回収した後の焦げとか油とかも描きたいんです。でも次の行動に移った時に、そこまで描き込んであるのはさほど重要ではなくて、少しあればいいかな、くらいなんですね。そこの情報量の調整みたいなものはゲームならではで、普段描いている密度から削ぎ落すという作業はいつもと違った視点で新鮮でした。

【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
すびかか
 今の情報量の粗密の話と近いのですが、私は背景にいろんなキャラクターを描き込むのが好きでして。頼まれていないところまで描いてしまいます。そうすると見づらくなってしまうので、メインとなるキャラクターは見やすくする工夫を凝らしています。わかりやすいキャラデザにしてみたり、対比させることで目立たせたり、ゲームの進行に変化をつけたり。全体的に、遊んでいて楽しくなるように意識して描きました。
【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
――頂いた資料には、ボタンを押した際にでる“Perfect!”の文字が通常とは違うデザインとなっているステージがありますが、これはどういう仕様なのでしょうか?

P-P
 そこは横スクロールのアクションゲームをテーマにしたステージになっています。“ゲームっぽい世界にしたい”というアイデアをまずお話させてもらって、ファミコンやスーパーファミコンのような、ドット絵っぽいステージを作ろうという話になりました。制作中に、すびかかさんのほうから、文字もドットにしたほうが世界観に馴染むのではと提案を受けて、変更した形になります。
【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
 先ほども言いましたが、私はもともとゲーム会社で働いていたこともあって、どうしても工数というか、作業コストのことを気にしてしまうんですよね。なので、その提案を聞いたときも、「作業量的に大丈夫かな」と心配もしたのですが、すびかかさんは本当に作業が速くて、気付いたらできあがってるという……。「あ、ぜんぜん心配いらないんだ」みたいな(笑)。あれ、そういえばあのステージで初めてドットに触ったって言ってませんでした?

すびかか
 そうですね。厳密にはまったく触ったことがないわけではありませんが、本格的にやるのは初めてで、勉強しながら作りました。でも慣れてからは普段の絵の延長のような形で作業できましたね。

P-P
 勉強しながらというのを感じさせないスピードとクオリティで素材ができあがっていくので、すごいなあと。なのでこのステージだけちょっと特殊な仕様になっていますね。

――一枚絵ならともかく、ゲームとして動かすとなると、それこそアニメーション用に何パターンも動きを描くことになると思いますが、1キャラで何枚くらい描かれているのでしょう?

P-P
 キャラ単位で言ったらけっこう多そうですよね。

すびかか
 どうだろう? だいたい40パターンくらい描いたような気がしますね。

――複数のキャラが出るシーンだと、それだけ枚数も増えていきますよね。動きが少ないキャラもいるとはいえ、なかなか大変な作業のように感じます。

P-P
 ステージによってキャラ数の振れ幅はありますが、それでもこんなにキャラを作っていただいてありがたい気持ちでいっぱいです。“Perfect!”の文字もそうですが、ゲームをよくするためにおふたりがたくさん提案してくれるのが本当にありがたくて……! 以前の記事に出して頂いたこともあるのですが、あらもんさんが描いてくれたラーメンを作るステージで、調理の進み具合に応じて料理人の顔がだんだん赤くなるようにしてあり、それでリズムを取れるようにしてあるんです。顔が赤くなりきった瞬間にボタンを押せばピッタリ合うよ、という。これもあらもんさんから提案してもらった部分です。
【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
――体験版をプレイしたとき、イラストの変化でテンポを計る部分もあって、とてもわかりやすかったです

P-P
 例えば『リズム天国』とかって音だけでもプレイできますが、音だけでプレイできるようにするのって相当難しいんだなと実感しました。なので任天堂さんはすごいなと。同じようにするのは簡単ではないです。本作は、音の情報だけでリズムをつかむというより、一般的な音ゲーで採用されているような、ノーツを目でとらえて処理する"譜面を追う"遊び方に近いかもしれませんね。譜面が画面に流れてきて、それを見てタイミングよくボタンを押すっていうことを、イラストで表現しているというか。「このステージではこういうルールなんだ」というのをイラストで理解してもらって、目と音の両方で遊んでもらう作りになっています。

――グラフィック担当のおふたりからはほかにどんな案がでてきましたか?

P-P
 ゲームの仕様以外にも、演出の部分をたくさん提案してもらいましたね。本作はリズムゲームではありますが、ステージの合間に物語が挟まっているのが特徴です。そこで会話だけじゃなくて、こういう小物を入れるといいんじゃないかとか、そういうアイデアを多く頂きました。あらもんさんの担当ステージの中では会話中に写真のような絵を1枚挟んだり、それをセピア調にして時間の経過を感じさせたりなど、そういった物語をよく見せるための表現みたいな部分は、おふたりの力に頼りきりですね。

あらもん
 こちらからすると、そういった提案をしやすい環境作りがとても上手だなと感じています。提案したものが却下されたとしても、別に引きずることなく、じゃあまた別の案を出してみようと思えるくらい、いい環境なんですよ。

P-P
 会社勤めのときの経験で、だれでも提案をしやすい環境を作りたいなという気持ちがあったので、そう言ってもらえるとすごく嬉しいです! ゲーム制作ってよほど敏腕な人でもない限り1人で作るのは難しいですから、みんなでアイデアを出してよくしていくほうが建設的だと思います。それが自分の理想の現場の形でもあるので、実現できているならよかったです。

担当キャラクター同士のクロスオーバーも実現!

――ゲーム開発がチーム作業である一方、イラストを描くこと自体は個人作業だと思います。すびかかさんとあらもんさんは、ゲーム開発に携わってみて、普段のイラストを描くという作業との違いや、チーム制作のおもしろさみたいな部分は何か感じましたか?

すびかか
 自分が描いた絵がゲームに組み込まれて、そこに音楽や効果音がついてひとつの作品として完成していくというのは、イラストとは別の達成感がありますね。普段自分の絵にBGMがつくことなんてないですから、すごく楽しい部分です。

あらもん
 アニメーション自体は絵が主体であるぶん自分の領域なので、やってみればけっこうできるなという手ごたえだったのですが、プログラムの動きを想定してキャラの動きを調整するということにすごくつまずきました。

 キャラがブランコのような動きをするのですが、私が描いたキャラの動きと、プログラムで動かした際の動きが綺麗につながらなくて……。けっきょくP-Pさんにうまいことまとめてもらえたので、なんとかはなりました。

P-P
 振り子の動き自体はアニメーションでやると飛び飛びになってしまうので、プログラムでブランコの動きを表現しているんです。なので、このプログラムでどうキャラが動くのかを想定してアニメーションを作らねばならず、けっこうトリッキーなことを要求する形になってしまいました。

――イラストと別のツールの合わせ技のような部分はほかにもあるのでしょうか?

P-P
 先ほど話題に出たアクションゲームがテーマのステージでは、キャラをプログラムでジャンプをさせる部分があります。失敗したらキャラが転ぶので、そこも同じような仕組みですね。あとは紙吹雪を散らすとか。紙吹雪の素材を描いてもらい、それをこちらで増やして動きをつけて散らす、みたいなものもあります。

――すびかかさんとあらもんさんはカービィがお好きということで、ゲーム自体は遊んでいると思うのですが、音ゲーというジャンルは普段から遊んでいるのでしょうか?

あらもん
 私はたびたび遊んでいますね。

すびかか
 私はあまりプレイしたことはなかったです。今回制作に携わるにあたって『リズム天国』などをプレイしてみました。

――自分が音ゲーの制作に関わるとなると、ある意味で仕事目線で音ゲーを見るようになる面もあると思います。ほかの作品を遊んでみて、参考になった部分などはありましたか?

あらもん
 参考のためにいくつかのリズムゲームをプレイしました。絵を描いているだけだと、動きってそこまで想定しないのですが、ゲームとして作っていると予兆の動作が大事なんだなと気付き始めたんです。じゃあどんな予兆動作が必要なのか、というのを観察しました。あとはエフェクトとか、どうしたらプレイヤーに伝わるのかという、普段ない視点でプレイしましたね。

すびかか
 キビキビした動きや、プレイヤーの見るべき場所がはっきりしているところとかを意識しますね。オーバーリアクションというか、大きめに表情をつけたほうがわかりやすいなとか。

――おふたりが手掛けたキャラで、とくにお気に入りの子がいれば伺いたいです

あらもん
 いちばん最初に描いたパーティー帽をかぶったクマのキャラがお気に入りです。何を考えているかわからないようなデザインにしちゃったんですが、逆にそれが気に入っちゃって、自分の中に根付いた感じがします。別のステージにもこのキャラを登場させたのですが、たぶんP-Pさんからの提案がなければ、サーカスステージのキャラを全部クマにしてました(笑)。
【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
すびかか
 どのキャラにも思い入れがあって、難しいですね……。やはり描いた枚数が段違いなので、それぞれのステージの主人公には思い入れがあります。しいてあげるなら、“二匹のもちや”のうさ太郎でしょうか。この子もほかのステージにちょっと登場させたりしているんですよ。
【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
あらもん
 私、すびかかさんの作ったキャラでは、先ほど話題にでたゲームのステージの主人公の子が好きなんですよ。私が担当しているステージで、すびかかさんのキャラに出演してもらったりしています。

――グラフィック担当間でのクロスオーバーをしているんですね

すびかか
 キャラクターのちょっとしたつながりみたいなものも意識して遊んでみると、より楽しいと思います。

あらもん
 すびかかさん、客席とかにたくさんキャラ描いてくれてますもんね。あれすごい嬉しいです! いろいろ探してみたくなる要素を入れるのがすごく上手で、私も「こういうことやると見てるほうも楽しいんだ!」という気付きになりました。

P-P
 お互いのキャラを出し合ってるんですよね(笑)。遊んで頂く際は、そういった部分に注目してみるのもおもしろいと思います。初回はリズム取りに集中して隅々まで見れないと思うので、ぜひ周回して探してもらえればと思います。
【P-Pコラム】『STEP THEATER』体験版配信記念。作品のビジュアルイメージを手掛けたすびかか氏とあらもん氏を交えた開発者インタビュー特別回(グラフィック編)【STAGE7】
すびかかさん担当の"見習いおばけ"のステージの背景には、どこかにあらもんさんのキャラクターが描かれていたり……? 遊ぶ手を止めて、じっくり探してみるのも楽しい!
――体験版が配信されましたが、知人の方から何か反応を頂いたりはしましたか?

P-P
 ゲーム会社時代の友人から反応を頂きました。開発側の目線なので、やっぱりアニメーション数や工数のほうに寄った感想だったのですが、このゲームってステージクリア式なので、一回クリアしたステージは(繰り返しプレイできるとはいえ)もう終わりで、次へ次へと進んでいく形になっています。それを考えると、ひとつのステージにかける熱量が高くて、めちゃくちゃ贅沢な作りをしているという反応を頂きました。あとは難易度が分かれているのも好評でしたね。

――最後に、本作の発売を楽しみにしている方へメッセージをお願いします

P-P
 グラフィック担当のおふたりにもさまざまな提案を頂いて、すごくリッチな作りになっています。私個人が作るゲームとしては初めてのタイトルなのですが、ここまでやってもらっていいのかと思うくらい力を尽くして頂いていて、皆さんに遊んでもらえる日を心待ちにしています。豪華なだけのゲームと言われないように日々ブラッシュアップを続けておりますので、ぜひ楽しみに待っていてください。

すびかか
 このゲームに関わることができて本当に嬉しいです。よりよいゲームにできるよう、現在も全力を尽くして頑張っているので、楽しんで頂ければと思います。

あらもん
 私はやっぱり食べ物推しですので、そういった細かい部分まで見てもらえると嬉しいです。あと音楽を聴いて、それに引っ張られてステージを描き込むこともあったので、絵と音楽が合わさったからこその魅力にも注目してください!


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