ファミコン ロボットが40周年。テレビ画面と現実のロボットを同時に操作する革新性が最大の魅力だった。『スマブラ』シリーズのファイターとしてもおなじみ【今日は何の日?】

byウワーマン

ファミコン ロボットが40周年。テレビ画面と現実のロボットを同時に操作する革新性が最大の魅力だった。『スマブラ』シリーズのファイターとしてもおなじみ【今日は何の日?】

ゲームと現実世界をつなぐパイオニア的存在

 1985年(昭和60年)7月26日は、ファミリーコンピュータ ロボットが発売された日。本日で発売から40周年を迎えたことになる。

 ファミリーコンピュータ ロボットは、任天堂から発売されたファミコン用の周辺機器のひとつ。ゲームの歴史を語るうえで非常にユニークな存在として広く知られており、ただの周辺機器では収まらない斬新な試みはユーザーやゲーム業界にかなりの衝撃を与えたと思う。

 単体では機能せず、ロボットと同日に発売されたゲームソフト『
ブロックセット』や、1985年8月13日発売の『ジャイロセット』とともに起動する。

 海外では“R.O.B.(Robotic Operating Buddy)”という名称で、本体や光線銃との同梱版が発売されていた。当時の北米はいわゆる“アタリショック”でゲーム業界全体が冷え込んでいる最中だったため、北米版のファミコン(NES)はロボットを同梱し「単なるゲーム機ではなく最新のおもちゃ」というイメージを打ち出したのだろう。

 見た目のインパクトもあるし、ファミコン ロボットは旗印として最適だったのかもしれない。後にNESは大ヒットを記録したのだから、ロボットは北米のゲーム業界を立て直す切っ掛けを作った立役者のひとつと言える。
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 ファミコン ロボット最大の魅力はテレビ画面の中だけではなく、現実のロボットが目の前で物理的に動くという点。いま見るとかなりレトロフューチャーを感じさせる形状だが、筆者を含めた当時のゲームキッズにはおそらくカッコよく見えていた。

 そのメカメカしい動き自体も子ども心をくすぐった。そんなロボットがテレビ画面から送信される光信号をセンサーで読み取り、現実で動き出すのだからSF映画の世界が現実になったような驚きがあった。

 AR(拡張現実)の萌芽と言うのは違うかもしれないが、ファミコン ロボットはゲームと現実世界をつなぐパイオニア的な存在と言ってもあながち間違いではないだろう。

 ゲームソフトは前述の通り2タイトル存在。『ブロックセット』は同梱された5色のブロックやブロックを置くトレイ、腕の先に付けるブロックをつかむアタッチメントを取り付けて遊ぶ。

 画面に指示された通りにブロックを積み替えさせる“DIRECT”モードや、ふたりで対戦も可能な“BINGO”モードなどが楽しめた。少々複雑な物理操作を行っていくパズル要素が魅力となっていた。
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『ブロックセット』チラシ(表)。
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『ブロックセット』チラシ(裏)。
資料提供:浅野稔
 ファミコン ロボット対応第2弾ソフトにして最終作となってしまった『ジャイロセット』には、2個のコマやコマホルダー、コマスピナーなどが同梱。ロボットがスピナーを使って実際にコマを回すのがなかなか衝撃的な絵面だった。

 仕掛けられたダイナマイトをすべて取り除いて大爆発を防ぐのが目的なのだが、ゲーム内で塞がれているゲートを現実のロボットで開けて、通路を作って主人公である博士を導いていく。ゲートを開けるためにコマを回すというのがおもしろい発想だった。
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『ジャイロセット』チラシ(表)。
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『ジャイロセット』チラシ(裏)。
資料提供:浅野稔
 ファミコンロボットのゲームソフトは残念ながら2作品で終わってしまったが、そのユニークな存在感からかほかのゲームタイトルにもコラボレーション的にたびたび登場している。若いゲームファンは、むしろこちらで知っているのではないかな。

 有名なのはやはり『
大乱闘スマッシュブラザーズ』シリーズ。最新作の『大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』にも参戦しているので使っているプレイヤーも多いはず。ほかにも『マリオカートDS』や『メイドインワリオ』シリーズなど多数の任天堂の作品に登場している。変わり種としてはカプコンの『ビューティフル ジョー』にも出演。背景としてだが、かなり印象に残るシーンだった。
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大乱闘スマッシュブラザーズ SPECIAL』
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『マリオカートDS』
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『ビューティフル ジョー』
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集計期間: 2025年07月26日15時〜2025年07月26日16時