【うた☆プリ】PSP版『うたの☆プリンスさまっ♪』15周年。メディアミックス展開で一大ブームに。キスよりすごい音楽って本当にあったよ【今日は何の日？】

アイドル候補生過ごすとドキドキの学園ライフ

　2010年（平成22年）6月24日は、プレイステーション・ポータブル（PSP）用ソフト『うたの☆プリンスさまっ♪』が発売された日。発売15周年を迎えた。

　メディアミックスで多岐にわたって展開されている『うたの☆プリンスさまっ♪』。その始まりは、ブロッコリーから発売された女性向け恋愛アドベンチャーゲームだ。ゲームを遊んだことはなくても、アニメや楽曲、キャラクターを知っているという人は多いのではないだろうか。

　イラストレーターの倉花千夏氏が原案を務める華のあるキャラクターデザイン、音楽制作ブランドElements Gardenが手掛ける洗練された楽曲、起用された超豪華声優陣、UIのポップな色使いや演出……『うた☆プリ』を形作るすべての要素がファンを魅了する極上のエンターテインメントだ。

　さて、話をゲーム第1弾の『うた☆プリ』に戻そう。本作の主人公は、競争率200倍という芸能専門学校の早乙女学園に入学をした作曲家志望で、ちょっと天然な七海春歌。1年という短い学園生活の中でアイドルを目指す男の子とタッグを組み、卒業式に行われるシャイニング事務所新人発掘オーディションの合格を目指して学園生活を過ごすことになる。

　キャラクターは一十木音也、聖川真斗、四ノ宮那月、一ノ瀬トキヤ、神宮寺レン、来栖翔、愛島セシル。いずれも宝石の原石のような、磨けば光る逸材たち。先生も個性派揃いで、学園長のシャイニング早乙女、Aクラスの担当教師の月宮林檎、Sクラス担当教師の日向龍也ほか、主人公の親友渋谷友千香、来栖翔の弟の来栖薫が登場する。

　物語は章仕立てになっており、選択肢を選んで読み進めていくアドベンチャーパートと、リズムに合わせてタイミングよくボタンを押していくミニゲームパートを相互にこなしていく。作曲家志望の主人公とアイドル志望の攻略対象が目標に向かって進んでいくという流れは恋愛アドベンチャーゲームらしく、じつにキラキラしている。

　しかし、ゲームのかなり冒頭で学園長が「恋愛は絶対禁止。即退学」と断言しているため、相手との距離が近くなればなるほどもどかしくてドキドキしてしまう。ふたりが出す答えは、果たして……。ブロッコリーが謳う“キスよりすごい音楽って本当にあるんだよADV”という本作のジャンル名に、その答えが隠されているのかもしれない。

　本編の発売からわずか半年後の2010年12月23日にはファンディスク『うたの☆プリンスさまっ♪ -Amazing Aria-』が、さらにその2ヵ月後の2011年2月10日にはファンディスク『うたの☆プリンスさまっ♪ -Sweet Serenade-』が発売。そして、2011年7月からはアニメ『うたの☆プリンスさまっ♪ マジLOVE1000%』の放送がスタート。短い期間でこれだけの展開をするということに、制作陣の『うた☆プリ』にかける愛と情熱を窺い知ることができる。

　『うた☆プリ』を語るうえで、やはりアニメの存在は外せない。第1話でST☆RISHの6名（ゲームには登場しないユニット。後に愛島セシルが加入して7名体制になる）がライブ会場で『マジLOVE1000％』を歌うシーンは放送直後から大きな話題となり、後に公式がニコニコ動画に投稿した動画は、ステージ上で楽しそうに歌う彼らの煌めきと歌詞の空耳効果が相まって驚異的な再生回数を記録。多くのファンを心酔させ、いまなお続くブームの礎となった。

　ゲームの枠を飛び越えて巨大コンテンツへと成長した『うた☆プリ』。その後はST☆RISHだけでなく、シャイニング事務所の先輩ユニットQUARTET NIGHT、ST☆RISHのライバルユニットHE★VENSも登場し、アイドルの輝き、信念、高潔さ、ファンへの想い、唯一無二の楽曲……などなど、たくさんの魅力を届けてくれている。今年（2025年）5月9日には劇場版の最新作『劇場版うたの☆プリンスさまっ♪ TABOO NIGHT XXXX』が公開され、QUARTET NIGHTの4名が圧巻＆至高パフォーマンスでファンを骨抜きにした。

　いま本作をプレイするなら、2019年12月19日にNintendo Switchで発売された『うたの☆プリンスさまっ♪Repeat LOVE for Nintendo Switch』がおすすめ。この機会にチェックしてみてはいかがだろうか。