Switch2初年度1500万台は、初代Switch同等を目指して計画したもので、生産能力から決めた数字ではない。生産体制の強化を改めて強調

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Switch2初年度1500万台は、初代Switch同等を目指して計画したもので、生産能力から決めた数字ではない。生産体制の強化を改めて強調
 2025年5月9日、任天堂は公式サイトにて“2025年3月期 決算説明会(オンライン) 質疑応答(要旨)”を掲載した。今回の質疑応答では、決算説明会で発表したNintendo Switch 2(ニンテンドースイッチツー)の初年度販売予想台数1500万台についての質問が集中。
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初年度1500万台を販売するにはそれ以上の生産が必要

 任天堂の古川俊太郎社長は、1500万台という数字について、Nintendo Switchが発売された2017年3月から同年12月末までの約10ヵ月間の販売台数と同等の水準を目指して計画的に設定したもので、生産能力の制限や供給面に制限があって決めた数字ではない、ということを強調(1500万台の販売を目指すには、それ以上の生産が必要、とも)。

 マイニンテンドーストアへの抽選応募が2週間で220万件という需要の高さを把握しつつも、Nintendo Switch 2が初代Nintendo Switchよりも価格が高く、早期普及には相応のハードルがあること、その勢いを2025年の年末商戦以降も継続させるために計画していることを改めて回答した。

 なおNintendo Switch 2の生産体制については、体験会やマイニンテンドーストアの応募開始前から生産強化を行っていると断ったうえで、今回の大きな需要に応えるべく、さらに生産体制を強化。今後も相当数の生産出荷を計画しており、販売促進にも注力することで業績予想を上回るようにするとしている。

 こういった回答から読み取れるのは、任天堂が今回発表した初年度1500万台という販売予想は、あくまで目標値としてのものであり、生産台数としてはもっと多く出荷できそうな体制を整えているということ。実際にどれくらいの台数を生産するのかは不明で楽観視できるものではないが、発売日以降も安定した供給が見込めるのかも知れない。

ソフトは初代Switchの10ヵ月を上回るペースの計画

 初年度のNintendo Switch 2ソフトウェアの予想販売数量は4500万本と発表されているが、この数量には“Nintendo Switch 2 マリオカート ワールド セット”に同梱される『マリオカート ワールド』の本数を含めておらず、これらを含めると初代Nintendo Switchの10ヵ月間のソフトウェア販売本数約5200万本を上回る計画になるという。

 この数値は初代Nintendo Switch発売当時よりもソフトメーカーのタイトルが充実していること、Switch版から低価格でアップデートできるNintendo Switch 2 Editionなどがある点も考慮した数量になっているようだ。

Switch2の正式開発は2019年頃にスタート

 また、質疑応答の中では、Nintendo Switch 2の位置付けについての質問も。その中で、古川社長は新しいハードウェアの研究開発はつねに行っていることも補足しつつ、Nintendo Switch 2は2019年ごろから正式な社内プロジェクトとして開発がスタートしたことも明かされている。詳細は引用した下記をご覧いただきたい。

Q8 Nintendo Switch 2 の位置づけについて伺いたい。今後も新しいハードウェアはNintendo Switchと似たものになるのか、それともNintendo Switch 2 はまだ発表されていない革新的な次世代機への繋ぎなのか。Nintendo Switch 2 からは、世代が変わるような革新性をあまり感じられない。これは今回だけなのか、それとも今後は全く新しいコンセプトのハードを出すのではなく、Nintendo Switchのコンセプトを引き継いで各機能をアップデートしていく方針なのか。

A8 古川: Nintendo Switch 2 の開発は、2019年ごろから正式な社内プロジェクトとして開始しましたが、基礎的な技術研究も含めると、新しいハードウェアの研究開発は常に行っています。
 Nintendo Switchは大変多くの幸運にも恵まれて、9年目においても多くのお客様に遊んでいただいています。一方で、この8年あまりの間に、任天堂が最も大切にしていることのひとつである「新しい遊びの提案」をソフトウェア開発者が実現するには、より高いハードウェアの処理性能が必要になってきました。そこで、今回は処理性能の面で、器の大きいハードウェアの設計を目指しました。『マリオカート ワールド』や『ドンキーコング バナンザ』はNintendo Switchでは実現できなかった新しい遊びを提案できていると考えています。
 ハードウェアの革新性についてのご質問ですが、Nintendo Switch 2 は見た目にはあまり大きな変化がないように感じられるかもしれません。しかし、実際にはハードウェアも周辺機器も一から作り直しており、様々な創意工夫やハード・ソフト一体で開発する任天堂開発陣のこだわりが詰まった、とても任天堂らしい製品になっていると感じています。
 今後は Nintendo Switch 2 を中心に様々なタイトルを開発し、新しい遊びの体験をご提供していきます。お客様に新鮮な驚きを与え続けられるようなハードウェアにすることで、Nintendo Switch 2 が新しいNintendo Switch の標準となることを目指していきます。
出典:出典:2025年3月期 決算説明会(オンライン) 質疑応答(要旨)(任天堂公式サイト)
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