腕を身代わりに被弾が許されるシステムが画期的
『ツインビー』は、KONAMIから発売されたシューティングゲーム。1985年3月からアーケードゲームとして稼動していた人気作だったため、当時のゲームキッズには待望の移植作だったんじゃないだろうか。
ふたりで協力プレイができるシューティングゲームの先駆けとなる作品でもあったので、ファミコン版を友だちや家族といっしょに遊んだ思い出もあるのでは?
1980年代のシューティングと言うと戦争モノやSFのような、どちらかと言えばハードな世界設定が多い中で『ツインビー』はかなり異質な存在だったことも印象深い。なにしろ自機から敵にいたるまで登場するすべての要素がかわいらしいデザインになっていたからだ。野菜や果物、キッチン用品などをモチーフにしたファンシーな敵たちが襲ってくる光景には筆者も面食らった記憶がある。
当初の設定でのパイロットは“アンナモン”、“ドンナモン”という名前だったようだが、シリーズを重ねるごとに新たな設定が盛り込まれた。1991年にアーケード版がリリースされた『出たな!!ツインビー』以降はツインビーには男の子が、ウインビーには女の子が搭乗するように。さらに1993年のラジオ番組『ツインビーPARADISE』内でツインビーの搭乗者にはライト、ウインビーにはパステルというパイロット名が与えられ、ようやく現在おなじみの設定となった。
“ウインビー国民的アイドル化計画”といったキャンペーンも行われ、やがてパステルは人気キャラクターへと成長。現在も稼動中の人気アーケードゲーム『ボンバーガール』にも出演を果たしているので知っている人も多いことだろう。
ベルは放って置くと画面下へと消えてしまうため、ショットで撃って落下しないようする必要がある。しかし、攻撃を当てるごとにベルの色が変化してしまう。ゆえに自分がパワーアップしたいベルの色で攻撃をやめて入手、といきたいところなのだが、戦いながらなのでこれがなかなか難しい。
ベルに集中すれば敵の弾に当たってしまうし、逆に敵に注意を向ければ欲しい色を通り越してベルを撃って色を変えてしまう……。しかもベルは同時にたくさん出現するので、管理するだけでも大わらわ。何とも言えない歯がゆい思いをしがちではあるものの、複数のベルを思い通りに管理して連続でパワーアップしたときの気持ちよさも格別だった。
ふたり同時プレイということもあって特殊な“合体攻撃”ができたのも斬新な試みだったのではないだろうか。ツインビーとウインビーが横に並んで手を繋ぐと、強力な“ファイヤー攻撃”が可能になる。また、縦にツンツンと接触すれば5方向の拡散ショット“スター攻撃”になった。うまく活用するのは難しかったと思うが、いままでになかったアイデアということもあってしっかり覚えている。ただ、機体どうしが接触するのをいいことにジャマのしあいになりがちだった記憶も……。
もしいまファミコン版『ツインビー』で遊びたい場合は、Nintendo Switch Onlineに加入してしまうのが手っ取り早い。加入特典で遊べるファミコンタイトルのラインアップの中にあるのでおすすめだ。また、原作となるアーケード版を遊びたいならアーケードアーカイブス版が発売中なのでそちらをチェック!