ゲーム関連アイテムのマーケットイベント“ゲーミングバザー”がおもしろいとは話に聞いていた。2024年10月12日に東京・浅草で開催されたので見に行くことに。ちょうどマウスの調子が悪いことだし。

大賑わい。




マウスやマウスパッド、キーボードにゲーミング眼鏡まで。
僕は人の波が落ち着いてから会場入りしたのだが、それでもこの賑わい。昨年はもっとぎゅうぎゅうだったらしい。混雑回避の意味もあり、今回は13時の開場から1時間は有料チケット制が採用され、その後も入場整理券が必要だった。
で、ゲーミングバザーとは何かというと、その名の通り“バザー”である。たとえばアウトレット品を販売したり中古デバイスを譲ったり。
デバイスメーカーに加えて個人のゲーマーも出店。商品売買だけでなく、新製品展示やコミュニティの場としても機能している。全体的にわいわい楽しい。


2022年からスタートして、春は大阪、秋は東京の年2回開催。
世界的に評価されるブランドも出店
おそらくいちばん多くの人を吸い寄せたのは会場奥のARTISANブース。行列ができるほどの人気で、最後尾カードを持ったスタッフさんが列をさばいていた。
一応説明しておくと、ARTISANは世界のプロゲーマーたちが「マウスパッドと言えばここ」と評価する国産ブランドである。大々的なプロモーションはしないので、知る人ぞ知るブランドのような扱いを受けているものの、本気の人ほどそのクオリティの高さを知っている。海外のPCゲーマーにお土産としてあげたら喜ばれそう。


ブースには各モデルがずらっと並べられていた。ユーザーからすると触り心地を比較できるのはありがたい。“布をなでるための行列ができていた”と言うと正気を疑われるかもしれないが、事実である。


ゲーミングバザーにはデバイス界隈がぎゅっと凝縮されているので、流し見するとトレンドが見えてくる。
マウスパッドには布のイメージがあると思うが、ガラス素材の大型マウスパッドも増えている。かっこいいイラストが目立ち、これがキーボードの横に合ったらたしかに気分よさそう。

ここ数年でイラスト入りゲーミングキーボードを見るようになった。出店ブランドの方に話を聞くと、たしかに増加傾向にあるものの、そのイラストを手掛けるイラストレーターはそれほど多くないらしい。専門技術が必要だからとか、そういうこと?
ではなく「シンプルに伝手がないから」。需要があって、イラストレーターに連絡が取れて、ギャラの折り合いが付けばもっと増えるのでは、とのこと。ほほー。

イラスト入りゲーミングキーボードの写真を撮り忘れていたので、バンダイナムコスタジオのGYAAR Studioマスコットキャラ・ギャー君とカイロソフトのワイロくんをどうぞ。
ほかにも、キースイッチをカスタム可能なキーボード、高性能ゲームパッド、マウスの滑りを調整するソールなど、多彩なアイテムが展示販売。最近ゲーミングデバイスに興味を持ち始めたような人からすると、「こういう世界があるのか!」と驚くと思う。
その世界はニッチではあるものの、ニッチを全部集めるとそれなりのパワーになる。ニッチな世界の住人は、あなたが来るのを待ち構えています。楽しいよ。


カスタムして背面にボタンを追加できるゲームパッド。自分ではんだ付けする自作キットも販売しているらしい。

薄くてスタイリッシュなレバーレスアケコン。
アートの領域に片足を突っ込む
このイベントは単なる即売会ではなくバザーだ。個人でもきゃっきゃとブース出店。先ほど挙げたニッチ世界の住人たちである。
中古デバイスを売ったり物々交換したり、コレクションを自慢したり。中には自作アケコンやオリジナルボードゲームを売る人もいる。

前に記事で取り扱ったらウケた猫型アケコン。
※関連記事
【自作アケコン】猫型レバーレスコントローラーが2月22日発売。全パーツ揃ったフルセット版ほか、他のパーツを流用できるケース販売も対応
バザーなのでアイテムの売買が基本だが、ゲームに関連していれば展示もOK。たとえば自作のアート作品を飾ってもいい。この人は、

持ち込んだPCでゲームをしていた。バザーだって言ってんだろ。これを“展示”と言い張るのならアートの領域に片足を突っ込んでいる。
会場の電源を使うわけにもいかないので、わざわざ防災用ポータブル電源をレンタル(1日あたり数千円)。こんなことをする理由はとくにないそうだ。これを衝動と言う。
「そのまま買い取るのもおすすめですよって(レンタル業者から)めちゃくちゃ営業メールが来ます」とこぼしていた。何なんだよ。


ゲームを見やすいように自分は小さなサブモニターでプレイして、通路側に向けたモニターに画面を複製している。(左)/けっこう本気サイズの電源。(右)
個人のブースを眺めるのもおもしろいものである。

やや思想の強い布が敷かれており、「完売すると思想が出ちゃうんですよ」だそうだ。楽しいイベントに思想を持ち込むんじゃない。
転売ヤー撲滅
ところで、ゲーミングバザーには鉄の掟がある。

転売禁止だ。以前、ARTISAN新製品を本イベントで初出ししたところ、転売ヤーたちが元気になってしまったらしいのだ。彼らはどこにでも現れる。ひとり見たら30人はいる。
ゲーマー仲間同士で楽しくやってるのに、それで儲けようというのは腹が立つ。前は入場時にぎゃーぎゃー騒ぐような人もいて、さすがに来場者に迷惑がかかるため、転売ヤー対策が示された。
転売ヤーとして認定された人は、ふたつの選択肢を突き付けられる。
- ゲーミングバザー発起人の田原さんに勝つまでFPS『Quake』での対戦を回し続ける
- 顔写真と個人情報をTシャツにして、次回開催時にオフィシャルグッズとして販売
ひとつは「いったん横に置いてゲームしようぜ」という極めて平和的な対応である。なお、田原さんは『Quake』の元プロゲーマーなので、勝つのはおそらく不可能だ。一生『Quake』に囚われるタイプの新しい地獄。
面の皮が厚いようならもう片方を選べばいいと思う。転売に心を痛めない人なら余裕ですよね。


生まれてこの方ゲームはほぼFPSしかプレイしない変人こと田原さん(左)。/強い気持ちで転売撲滅を誓うスタッフ(右)。
有料チケット制導入も功を奏したのか、今回は転売ヤーらしき人はいなかったそうだ。田原さんは「くせが強いと見せておくと、一定の効果はありますね」と笑う。X(Twitter)で「主催がまともな人間だと思わないでください」と主張することが、来場者とコミュニティーを守ることにつながっている。
何にせよ、私刑のようになったらそれはそれでよくない。ゲーミングバザーには健やかに続いてほしいので、他人事ながらホッとしている。

後片付けも参加者自身で。
次回の開催は2025年6月7日(土)予定。場所は大阪だ。お近くの方はぜひ。
そうそう。掘り出し物はいろいろ出るけど転売しないのが身のためだ。田原さん、たぶん本気だから。