『金色のコルダ』(PC版)が発売された日。クラシック音楽をテーマにした恋愛シミュレーションゲーム。甘やかな音の調べが聴く者の心を震わす【今日は何の日?】

by菅谷あゆむ

更新
『金色のコルダ』(PC版)が発売された日。クラシック音楽をテーマにした恋愛シミュレーションゲーム。甘やかな音の調べが聴く者の心を震わす【今日は何の日?】
※本記事は、2023年9月19日にアップした記事を再編集したものです。

心に響く音楽の祝福

 いまから21年前の2003年(平成15年)9月19日は、コーエー(当時)から乙女向け恋愛シミュレーションゲーム『金色のコルダ』が発売された日。
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 女性向け恋愛ゲームを手掛けるコーエーの制作チーム“ルビーパーティー”が世の乙女たちに贈る、“ネオロマンス”シリーズ第3弾『金色のコルダ』。最初はPC向けに発売され、2004年にプレイステーション2(PS2)、2005年にプレイステーション・ポータブル(PSP)へ移植された。きっと、後者を遊んだ人のほうが多いのではないだろうか。筆者もそのひとりだ。

 それまでのネオロマンスシリーズは、宇宙を統べる女王候補として守護聖とともに奮闘する『アンジェリーク』、“京”と呼ばれる異世界を舞台に龍神の神子となって八葉と鬼に立ち向かう『遙かなる時空の中で』とスペクタクルな印象が強かったが、本作では一転。物語の舞台は現代となっており、等身大のキャラクターたちが紡ぐ物語は多くの女性のハートを射止めた。

 とはいえ、さすがルビーパーティーの作品。テーマをクラシック音楽にすることでネオロマンスシリーズが持つ品や美しさ、尊さといったものはしっかりと継承している。もちろん、ゲームシステムも骨太で、主人公のスキルアップと恋愛、両方に大忙しの日々を送ることに。
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 物語の舞台は、普通科と音楽科が併設された星奏学院。普通科に通う2年生の主人公(日野香穂子)はリリというファータ(妖精)と出会ったことをきっかけに魔法のヴァイオリンを手に入れ、それまでは音楽とまったく無縁だったにも関わらず、ヴァイオリニストとして学院内のコンクールに出場することになる。

 コンクールおよび、定期的に行われるセレクションに出場するキャラクターは、音楽科2年ヴァイオリン専攻の月森蓮、普通科2年ピアノ奏者の土浦梁太郎、音楽科1年チェロ専攻の志水桂一、音楽科3年トランペット専攻の火原和樹、音楽科3年フルート専攻の柚木梓馬、音楽科1年クラリネット専攻の冬海笙子。いずれも音楽へ情熱を傾ける優秀な学生ばかりだ。このほかにも音楽の教師でコンクール担当の金澤紘人、音楽科の卒業生である王崎信武、普通科2年で新聞部の天羽菜美など、魅力的な人物が多い。
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 コンクールへの出場が決まったあとは、ひたすら楽譜を練習して技術や表現に磨きをかける。マップを移動して聴衆の前で音楽を奏で、キャラクターと会話をし、あるときは新しい楽譜を見つけ、またあるときは楽譜の解釈を深め、さらにはファータのお店でアイテムを購入して……と、やることはけっこう多い。

 練習を重ねるに従って、最初は聞くに堪えない主人公のヴァイオリンの音色が少しずつ美しく変化をし、いつしか主人公の中で音楽に対する情熱が高まっていく。それに呼応するように、最初はそっけない態度だったキャラクターたちが次第にいい反応を見せてくれ、ときにはいっしょに合奏をすることも。彼らとの親密度を上げるのも音楽、ライバル度を上げるのも音楽という、音楽でつながる絆がとても美しい。
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 主人公を含め、キャラクターたちの思いが奏でる音に乗ってキラキラと輝き、聴く者の心を動かしていく様は、画面を超えてプレイヤーの心さえも動かすと筆者は思う。それゆえに、主人公のヴァイオリンにかけられた魔法が少しずつ弱まっていくエピソードは胸に迫るものが(涙)。
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 『金色のコルダ』はシリーズ作品が多く、初代のキャラクターたちが登場する作品だけでも……ヴィオラ奏者の加地葵と星奏学院創立者一族で理事の吉羅暁彦が新たに追加された『金色のコルダ2』(2007年3月15日発売)、『2』のその後を描いた『金色のコルダ2 アンコール』(2007年9月20日発売)、他校に通うヴァイオリニストの衛藤桐也が追加された『金色のコルダ2f(フォルテ)』(2009年2月26日発売)、『金色のコルダ2f(フォルテ) アンコール』(2009年08月20日発売)、さらに『2f』をリメイクした『金色のコルダ2 ff(フォルテッシモ)』(2017年12月21日発売)……などなど。

 さらにそれを縫うように、登場キャラクターを一新した『金色のコルダ3』(2010年2月25日発売)、『金色のコルダ4』(2016年3月10日発売)やそのリメイク版があるほか、リズムアクションゲームやスマートフォン向けのゲームなども多数展開。コミカライズや舞台化、アニメ化もしており、筆者は本作のキャラクターデザインを務める呉由姫先生のコミックスを愛読していた。

 どのシリーズ作品も横浜を舞台にしているので、聖地巡礼をした人も多いのでは? まだ行ったことがないという人は、この機会に出かけてみるのもおすすめだ。

 ちなみに、今年(2024年)9月23日は
『アンジェリーク』の発売から30周年、つまり、ネオロマンスシリーズが誕生してから30周年を迎える。ということで、さまざまなグッズの販売やゲームソフトのセール、イベントなどが企画されているので、オフィシャルサイトをチェックしよう!
※画面はプレイステーション2版のものです。
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