
バトルをメインにさまざまな要素を楽しめるのですが、本記事ではトレーナーとシナリオについてだけ述べます。本当に個人的におすすめしたいだけの文章になることを、ご了承ください。
『ポケマスEX』、5年目になりまして、実装トレーナーはすでに200人を超えました! 最新タイトル『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』のトレーナーまで、続々やってきています(週刊ファミ通2024年9⽉19⽇号(No.1864/2024年9⽉5⽇発売)にて、地方別トレーナー図鑑を掲載しているので、ぜひチェックしてみてください)。
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ポケモントレーナーが好きだけどまだプレイしていない方、好きなトレーナーを待っていたけど待ちきれず辞めてしまった方、昔トレーナーが好きだった方に向けて、おすすめしたい一心で執筆しています。
もちろん、『ポケマスEX』が大好きな方にも読んでいただけると嬉しいです。ある程度『ポケットモンスター』シリーズについての知識がある方に向けた内容になるかなと思います。
トレーナー好きって言っていいのかな、という悩み
自分はポケモンで育ち、カタカナを覚え、仕事にしているレベルでポケモンという世界、そしてポケモンという不思議な生き物たちを愛してやまない人間なわけなのですが、幼いころからトレーナーたちにも惹かれていました。アニメ『ポケットモンスター』やマンガ『ポケットモンスターSPECIAL』でオタクの素養を培ったこともあり、魅力しかないトレーナーたちに惹かれるのも必然だったのではないかと思います。
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しかし、『ポケットモンスター』シリーズとは、ポケモンたちが主役の世界。な~~んとなく、ポケモンを差し置いて「トレーナーが好きだ」と発言することに、なぜだか(勝手に)後ろめたさを抱いてしまうことがあったのです(こういう人、いなかったかな)。
もちろん昔から、トレーナーたちはその完璧なキャラクターデザインと、数少ないセリフからでもインパクトを感じ取れるキャラクター性があり、とても人気がありました。メディアミックスも後押しして、ファンは決して少なくなかったと認識しています。
ただ、『ポケットモンスターブラック・ホワイト』でのターゲット層の広がりや、ハードの進化により描写できる物語が増え、トレーナーたちのキャラクター性がより濃くなったのではないかと考えています。とくに、Nintendo Switchが主流になってからは、表情の描写も細かくなったように思います。それらやSNSの普及などもあり、トレーナーに惹かれ、トレーナーを好きだと発言する人が、昔よりさらに増えているのではないでしょうか。
そんな時代を感じる最中、“ポケモン事業戦略発表会2019”にて、『ポケマス』の発表がありました。「歴代のポケモントレーナーが活躍するゲームはどうか」、ポケモンで多くのキャラクターデザインを務める杉森建さんからの提案でした。当時、その発表会の現場にいたのですが、驚きと期待で心臓がバクバクしたことを覚えています。公式でトレーナーにフォーカスすることを提示され、さらにシリーズの垣根を超えたドリームチームを組めるという続報が出た際には、「そんなこと、していいんだ!?」と仰天。
そしてそのとき、「トレーナーが好きって、表立って言ってもいいんだなぁ」と過去に長年抱いていた後ろめたさが払しょくされました(別に後ろめたく感じる必要性はないが、勝手に思っていただけ)。
『ポケマス』は最初こそ正直、システム面で改善点があるとは感じていましたが、本当にポケモンを愛している人たちが作っているのだろうということは、強く伝わってきたんです。リリース当初はストーリー面なども「さすがに深くは触れられないだろうし、あっさりだろうな」と思っていましたが、最初に「おや?」と何かを感じたのは、メインストーリー第一章のシナリオタイトル『共鳴する心』でした。メイ&ツタージャが仲間になるシナリオです(シナリオの内容はあっさりめ)。
『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』のテーマが共鳴(キョウヘイとメイの名前もそこから取っていると思われる)なのですが、「もしかして、キャラクターの設定を大事にしてくれるタイプのタイトルなのかも」と、序盤も序盤の段階で直感的に感じました。モデリングの作り込みやセリフの節々からも、期待をしていました。そして、その直感は外れておらず、年を経るごとに凄まじい原作への愛と、ネタの拾いかたの“ヤバさ”を実感することになります。
ファンでも気づけないレベルの原作ネタの拾いかた
細かい口調などもソースがあることが多く、原作内で読める本の中にしか書いていない設定、街中の人のセリフや看板のメッセージなどをバンバン突っ込んできます(細かすぎて記事で説明できない)。
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オススメシナリオ8選+@
とくに踏み込んだな、と感じたのは『Pokémon LEGENDS アルセウス』に登場するヒスイ地方(過去のシンオウ地方)のトレーナーが、実装されたとき。本来であれば時空が違う世界線で、一部“先祖にあたる人物が登場する”と公式で明言されているにもかかわらず、『ポケマスEX』でなら邂逅できてしまう。時を超えて先祖(と思わしき人物)と会える可能性がある世界線、すごすぎる。
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なお、本作のイベントシナリオは基本的に復刻時でないと読めないのですが、一部のシナリオ(81作)が“ポケマスシナリオ総選挙”というイベントとともに、2024年9月30日までYouTubeで期間限定公開中です!! この機会に、気になったものがあったらぜひ見てください。なお、この記事は総選挙の結果が発表される前に執筆しております。
“選ばれなかった側”の描写
主人公はいつも“選ばれる側”。その対比として、“選ばれなかった側”の登場人物が生まれます。
そんな中でも主立つのが、『ポケットモンスター 金・銀・クリスタルバージョン』、『ポケットモンスター ハートゴールド・ソウルシルバー』で登場する、マツバとミナキ。マツバは自身の故郷・エンジュシティでの言い伝えにより、伝説のポケモン(おそらくホウオウとされる)を追い求めて、生まれたときから修行していました。そしてミナキはスイクンを追いかけて10年間旅をしています。
長年にわたってポケモンを追い求め続けても、伝説のポケモンたちは、旅に出たばかりの子どもの主人公を選ぶ(※1)。
シナリオ:黄金色に輝く未来
先述の通り、ジョウト地方の伝説のポケモンを追い求めて修行していたマツバ。その伝説のポケモンのうち、ホウオウは自分ではなくシルバーを選びました。
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マツバは道中で、シルバーのホウオウが落としたと思われるにじいろのはねを拾い、シルバーへ返そうとします。しかし、その羽根はシルバーのホウオウのものではないという。
そのとき、パシオではロケット団がニセモノのにじいろのはねを高額で売り付けているという事件が起こっていたのです。エンジュでの言い伝え、そして自分を信じ、生まれたときから修行をしていたマツバは、人の信じる心をもてあそぶロケット団に対して、珍しく熱くなって怒ります。
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ロケット団をこらしめ、羽根騒動はひと段落。しかし、この事件によって、マツバのホウオウに対する執念をより感じとったシルバーは「羽根なんて関係ない」と伝えます。原作では、本編内でホウオウを捕まえるのに、にじいろのはねが必須なことから、ホウオウに逢うのにはにじいろのはねが必要、という認識は、パシオのトレーナーも持っているのかもしれません。
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後日、いつもの通り修行していたマツバのもとに、なんと色違いのホウオウが現れました。マツバが拾ったにじいろのはねは、ロケット団のニセモノではなく、このホウオウの羽根だったのかもしれません。「心正しきトレーナーの前に姿を現す」と伝えられているホウオウは、ついにマツバを選びました。
この後、マツバは夢に見ていたホウオウとバディを組むことになり、パシオで活躍するバディーズとなります。
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シナリオ:駆ける北風を追う男
すでにクリスが意中のスイクンをバディにしていても、心から祝福する心の広さを持つミナキ。そんなとき、クリスのスイクンがとつぜん色違いのスイクンを連れて現れました。そして、原作のように顔を合わせてもすぐに逃げてしまうスイクンですが、ミナキはその色違いのスイクンを追いかけます。
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あまりにもまっすぐに夢を追いかけ続けるミナキ。“夢がかなわない”側の立場について、シルバーの問いかけに、ミナキはやはりまっすぐすぎる返答をします。いいやつすぎる。「いつまでも かなわない夢を 追って しかも 自分と 同じ夢を かなえた奴が すぐそばに いる……」はミナキに対しての言葉ですが、シルバー自身にも当てはまる状況になっています。
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そんなあまりにも正直なミナキを、今度こそスイクンは選びました。10年越しの夢がパシオで、パシオだからこそ、ようやくかなったのです。
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さらに、つぎは「倒さなければならないやつを倒し、世界最強になる」というシルバーの夢を応援すべく、ポケモンのタマゴを託します。夢のバトンです。
ジョウト地方のトレーナーであるふたりが、『ポケットモンスター 金・銀』から追加された要素の“タマゴ”で縁がつながっていくのも、いい演出ですね。
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シナリオ:研鑽を重ねし愛情
『ポケマスEX』ではとくに丁寧に描かれている印象がある、シルバーの成長。本シナリオではシルバーがネオ・チャンピオン(※2)となるまでが記されます。
先述もあったシルバーの“倒さなければならないやつ”、それはジョウト地方のチャンピオン・ワタルでした。原作内でシルバーはワタルに負けており、その際に「きみは ポケモンへの あいと しんらいが たりない」と言われていました。この言葉が引っかかっていたシルバー。原作のシルバーの旅は、この意味を理解するためだったように思います。
今回のネオ・チャンピオンバトルは、各地方のチャンピオンたちの中から1名指名して、直接対決をするものでした。ずっと倒したかったワタルを指名したシルバーは、ワタルに勝つために、これまで戦いなれたポケモンではなく、新顔のバンギラスをバディに選びます。そのバンギラスは、『駆ける北風を追う男』でミナキからもらったタマゴから生まれたポケモンでした。
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そして訪れたネオ・チャンピオンバトル本番。ワタルはシルバーがこれまでともに戦ってきたポケモンではなく新しいバンギラスを連れていることに、ポケモンとの関係より強さにこだわったと考え、過去に伝えた「きみには ポケモンへの 愛情と 信頼が 足りていない」の言葉をもう一度投げかけます。
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しかし、シルバーは強いポケモンだからバンギラスを選んだわけではありませんでした。自分たちの“世界最強”の夢を叶えるため、まだワタルに手の内を見せたことのないバンギラスに“夢”を託したのです。
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かくして、そのバンギラスで勝負し、ワタルに勝利するという夢を叶えたシルバーは、ネオ・チャンピオンとなります。ちなみに、グリーンも『ポケットモンスター 赤・緑』、『ポケットモンスター ファイアレッド・リーフグリーン』のチャンピオン戦で主人公に敗退した際、オーキド博士から「ポケモン たちへの しんらいと あいじょうを わすれとる からだ!」と言われています。改めてポケモンたちへの信頼と愛情が大切と学ばされますね。
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原作の流れを深掘りするストーリー
シナリオ:世界を彩る数式
『ポケットモンスターブラック・ホワイト』は、それ以前より“子どもも大人も楽しめるポケモン”を意識していると言われる作品で、明確にストーリーが深く描かれ出した転換期と言えるのではないかと思います。
詳細を書くととんでもなく長くなるので、ラストのシーンについてだけかいつまんで説明します。原作の最後、主人公とNは、互いに真実と理想を掲げる英雄として対決し、主人公が勝利します。まっすぐぶつかって、改めてよきライバルとなれた。そう思ったところでNは「キミは ゆめがある といった…… その ゆめ…… かなえろ!(※3)」、「キミなら できる!」、「それじゃ…… サヨナラ……!」と言い残し、行方をくらまします。この先、この主人公はNには二度と会えないわけです。戦って和解してこれからもヨロシク、そうはなりませんでした。
そんな忘れられない別れ(『ポケットモンスターブラック・ホワイト』の発売)からちょうど10年、2020年に実装されたシナリオが、『世界を彩る数式』でした。Nがパシオにやってくることにより、主人公(※4)と再会できることになったのです。トウコ(※5)はNのことを詳しくは知らないはずが、Nのことを純粋と称しているのがいいな、と思います。
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『ポケットモンスターブラック・ホワイト』、『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』を通ったあとのNですので、旅を経て思想も成長しています。
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そして、Nとの別れについて、我々プレイヤーが感じていたことを伝えてくれるトウヤ(なお、Nには早口の設定があります)。10年越しに面と向かって話し合えて、「サヨナラ」じゃなくて「ヨロシク」と再会することができました。
この後クリアー画面で、通常はデフォルトのリザルトBGMが流れるのですが、このシナリオでは『ポケットモンスターブラック・ホワイト』エンディング曲である『ENDING~それぞれの未来へ~』のアレンジが流れます。あまりにも粋すぎる演出は、ぜひ実際に味わってみていただきたいです。
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シナリオ:緑髪の貴公子の憂鬱
原作のミツルは、出会った当初は初心者トレーナーかつ病弱でしたが、主人公とのバトルで敗北した後に「すごいトレーナーになる」と旅に出て、最終的にチャンピオンロードで主人公を待ち受け、トレーナーたちを驚かせた少年です。とくに『ポケットモンスター オメガルビー・アルファサファイア』においては、クリアー後コンテンツであるバトルハウスで50戦した後にも待ち構えており、“基礎ポイント”の割り振りを考察したり、タマゴを抱えて走り込みをしたりする(といった目撃情報がある)、いわゆる“ガチ”なトレーナーになっていました(しかもとても楽しそう)。
とにかく一生懸命なミツルは、本シナリオにて大会の優勝を目指し、サーナイトと修行を重ねていました。優勝に向けて突き進むなかで、勝つための手段ばかり考えており、相棒のはずのサーナイトとは少し距離が生じてしまいます。
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そんなミツルが勝つためにチームを組みたいと考えたのが、同じくサーナイト使いのカルネでした。しかし、カルネには「今のあなたには足りないものがある」と断られてしまいます。ミツルは足りないものは実力ととらえ、さらに修行に励みます。
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カルネだけでなく、ダツラもアドバイスをくれますが、ミツルは聞く耳を持たず、「もっと強くならないと」とひたすらに突き進みます。そんなとき、相棒のサーナイトが失踪。そこでやっと、サーナイトと修行以外をしていないことに気が付きました。
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自分の過ちに気付いたミツルは、勝負だけがポケモンとトレーナーの関係じゃないと考えられようになりました。チャンピオンロードで「修行を続けていつか追いついて見せる」といったミツルが、バトルタワーでストイックにバトルに励んでいたミツルが、その後どうなったのか。その一例が垣間見えるようなストーリーでした。なおこの後、ちゃんとカルネとチームを組めることになります。
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シナリオ:電撃に魅せられた男
腐れ縁のデンジとオーバは、当時の原作タイトルの中では比較的会話が多く、元ネタがわかりやすい組み合わせです。デンジは『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール・プラチナ』の8つ目のジム・ナギサシティのジムリーダー。しかし、手ごわい挑戦者が来ずに勝負の楽しさが思い出せずにいたせいで、ジムを改造しまくってナギサシティを停電にした前科があります。それを見かねたオーバが、「あついポケモンしょうぶで あいつの ハートを がんがんに もやしてくれよ!」と挑戦者をせっせと呼び込んでいました。主人公も呼び込まれたひとりです。
ただ、オーバもなんだかんだ似た者同士で、全力でバトルをした後には燃え尽きて無口になってしまいます。『ポケットモンスター プラチナ』のファイトエリアでは、燃え尽きたオーバを連れて帰るデンジがいます。なお、待ち合わせに来ないオーバも元ネタがあります。
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原作ではオーバから、デンジのハートに火をつけるよう頼まれましたが、本シナリオでは逆の立場になっています。
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そして、このシナリオ中、たびたび街中で停電が起こるのですが、それはやはりデンジの改造(修理)の仕業でした。『ポケマスEX』では、わりとデンジが停電を起こします。
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デンジを常識知らずというオーバですが、原作では、デンジがオーバのことを常識知らずとみんなに教えているそうです。本シナリオはふたりの原作での会話がこれでもかと網羅して詰め込まれていて、しっかりまとまったストーリーになっているので、『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール・プラチナ』が好きだったかたは、ぜひ読んでみてください。
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『ポケマスEX』ならでは。巧みなシリーズ跨ぎの縁
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シナリオ:パシオでブイブイ
人見知りで初対面の人となかなか話せないボタンが、パシオに来たのをきっかけに新たな一歩を踏み出すのを、ヒュウとベルが手伝うシナリオです。
パシオでポケモン泥棒が発生しており、犯人探しをしていたヒュウとベルは、ボタンの挙動不審さを見て、ポケモン泥棒だと勘違いしてしまいます。
誤解がとけた後、非礼のお詫びとして、ボタンの人見知りを解消するための方法をいっしょに考えることになります。手助けの一環として「あそこにいる二人(キョウヘイとメイ)に自分から話しかけてみろ」と、ボタンに無茶ぶりをするヒュウ。スマホロトムを通して、ヒュウが指令を出し、ボタンが答えるのですが、キョウヘイとメイの純粋な反応がつらいところ。
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ボタンとヒュウのボケとツッコミのような、ツッコミとツッコミのような、テンポのいいやり取りが非常にほほえましい。
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メイが出したポケウッドの話題に食いつくボタン。自分の興味がある分野になると、早口になるのには共感できます。なお、『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』にて入れるボタンの部屋には、海のヒーローイルカマンのポスターが飾られていたり、ヒーローのフィギュア(?)らしきものも置いてありました。本作におけるヒーロー好き設定は、ここからきているのかもしれません。
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他人との会話に奮闘するボタンに、「最初の一歩が大事」というアドバイスするベル。ベルにとって大切な“最初の一歩”、これは『ポケットモンスターブラック・ホワイト』にて、冒険の最初に主人公とチェレンとベルが、いっしょに一番道路に踏み出すときの、大切なキーワードのようなもの。チェレンとベルのネオ・チャンピオンイベント『新しい道へのもう一歩』でも、このシーンが再現されています。
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ボタンが最初の一歩を踏み出そうとしているそんなとき、えんじがブレイク団にイーブイを取られたと泣いているところに遭遇します。もともと、ベルとヒュウはポケモン泥棒を探していたのです。
ヒュウは『ポケットモンスターブラック2・ホワイト2』で、妹のチョロネコをプラズマ団に奪われたことにいかり、プラズマ団を強く恨んでいました。ポケモン泥棒へのいかりは人一倍にもなります。そしてイーブイを取り戻すべく、ボタンとカチこみに行くことに。
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無事、ブレイク団からイーブイを取り返したふたりですが、その後ブレイク団を見逃しました。それには、ボタンの過去のスター団に対する想いが関係していました。悪いことをする奴らは許せない、でもどんな仕返しをしてもいいわけではない。
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備考シナリオ:ニューヒーロー誕生!?
先述のシナリオで判明した、ヒーロー好きなボタンの深い一面が見られるシナリオです。ヒーローに対するボタンの熱い想いへの解像度の高さが魅力的なので、あわせてぜひ。自身の経験から、悪をやっつけてくれて希望を与えてくれる、味方でいてくれる面が好きなのかな、それとも正義の反対はまた反対の正義といった多面性を持つような物語性が好きなのかな、などと考えてしまうのでした。
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シナリオ:まいど!チリちゃんやで
パシオで売り出す予定の、チョコレートとミルクが使われた銘菓のパッケージとなるポケモンを募集していたライヤー。そこへチリが「まかせとき」と顔を出すところから始まります。
本シナリオでチリとともに行動するのは、似た方言(のような言葉)を使うアカネ。このふたりの組み合わせに期待していたファンは少なくなかったはず!
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ちなみに、現実世界では2023年にヌオーとドオーが赤城乳業のミルクレアという商品のパッケージになっていたことがありました。
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楽しいハチャメチャイベントも
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パシオ島のオーナー・ライヤーの手によって、パシオ内でおもしろイベントが開催されることもままあり、なんだか楽しげなトレーナーたちの様子を垣間見ることもできます。
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最近では、先述のボタンやチリのように、最新作『ポケットモンスター スカーレット・バイオレット』の登場人物も続々パシオへ来ており、パルデア地方のトレーナー同士はもちろん、別の地方のトレーナーたちとも交流を深めています。
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たくさんの地方を跨いだトレーナーたちが登場し、はちゃめちゃ感がある絵面が見られるのも、おそらく『ポケマスEX』だけ。
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最近は、バトル以外にも新たなコンテンツが増えており、トレーナーたちと仲よくなれる“トレーナーズサロン”や、好きなようにトレーナーたちを組み合わせて写真を撮れる“フォトメーカー”なども楽しめます。
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シナリオを振り返って改めて『ポケットモンスター』の世界は“ゆめ”が重要なキーワードなのだなと思いました。「ゆめと ぼうけんと! ポケットモンスター のせかいへ!」から始まった物語で、たくさんの夢や希望を得ることができました。つぼみがいつか 花ひらくようにユメは かなうもの。
魅力的なポケモンの派生作品は多くありますが、ここまで『ポケットモンスター』シリーズ本編の設定を活かし、ゲームのリリースやDLCでの展開が終わったあとに世界が広がるゲームは、ほかにはないのではないでしょうか。
この規模の作品を使い、膨大な原作からうまく元ネタを引き出して組み合わせるのは、ものすごく大変なのだろう、ということは想像に難くありません。ポケモンにおける資料的にも残ってほしい貴重なタイトルだと思いますが、ソーシャルゲームなので運営を続ける必要があります。もちろん、長く続くタイトルなのだろうな、とは思っていますが、人気な作品でも“絶対”はない。いちポケモンファンとしては、できる限り長く続いてほしいと個人的に考えています(ファミ通というメディアとして発言しているわけではなく、個人的に)。
そのために、少しでもお仲間が増えたらいいなと思って、業務外で記事を書きました。まだ本作をプレイしておらず、ここまで読んで興味を持ってくださったかたは、まずはシナリオ動画を見てみてください! そして未ダウンロードの方は、ストーリーを軽く楽しむためにでも、ぜひダウンロードしてみてください。
また、今回はシナリオだけに注目した記事を書いたのですが、BGMアレンジも本当に本当に最高です!!!! ポケモンファンなら、BGMを聴くだけでも楽しめるはず。切実にサントラを販売していただきたいなと思います。
記事中にも記載しましたが、週刊ファミ通2024年9⽉19⽇号(No.1864/2024年9⽉5⽇発売)では『ポケマスEX』5周年特集を25ページのボリュームで掲載しています。地方別トレーナー図鑑、エピソードシナリオ図鑑など盛りだくさんの内容で、プレイヤーの方の思い出用にはもちろん、初心者の方でも入門編としてオススメです。
とくに、エピソードシナリオ図鑑に関しては、おもに登場するトレーナーとともに、いち画面をピックアップして実装順に紹介しています。好きなキャラクターがどのシナリオに登場しているのか、どんなシナリオなのかを探す際にお役立ていただけると思いますので、動画とともに活用ください!
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