うちのカーチャンは遊んでいた
『ファミコンウォーズ』は、任天堂から発売された戦略シミュレーションゲーム。『ファミコンウォーズ』シリーズの記念すべき1作目で、現在日本では新作が発売されていないものの長く名作として語り継がれるタイトルとなっている。
硬派で取っつきにくいイメージのある“戦略シミュレーション”を、システムを遊びやすくすることで子どもから大人まで幅広い層に浸透させて同ジャンルの盛り上げに大きく貢献したと言っても過言ではないだろう。
実際、当時子どもだった筆者は本作のおかげで戦略シミュレーションの魅力や奥深さを知ることができた。『ファミコンウォーズ』がなければ、PCエンジンの『ネクタリス』やメガドライブの『アドバンスド大戦略 〜ドイツ電撃作戦〜』などで遊ぶことはなかったに違いない。
実際の表記はカタカナではあるが、歩兵や戦闘工兵、爆撃機とのみ表示されて一目瞭然だ。同じ兵種で複数あるものにいたっては戦車A、戦車B、戦闘機A、戦闘機Bなどと表記されていたのだから驚いてしまう。もしかするとROMの容量なども関係していたのかもしれないが、結果としてわかりやすくて子どもだった筆者には大助かりだった。
映画『フルメタル・ジャケット』の訓練シーンのパロディーになっていた映像のインパクトも相当なもの。アメリカの兵隊さんが駆けながら教官の掛け声を復唱するだけで、ゲーム画面はいっさいなし。最後に申し訳程度に「ファミコンウォーズ」とロゴが表示されるだけなのも画期的だった。おかげで歌のフレーズが頭に刻み込まれてしまったというわけだ。ゲームの発売後は「出~るぞ!」が「出~たぞ!」に変更されていたのも芸が細かい。
いま、初代『ファミコンウォーズ』で遊びたいならNintendo Switch Onlineに加入するのが手っ取り早い。加入者特典として遊べるファミコン配信タイトルの中に本作があるので、そちらでプレイするといいだろう。
ついでに言うと、残念ながら日本では未発売タイトルになっているが、欧米では『ゲームボーイウォーズアドバンス1+2』のNintendo Switch用リメイク作品が2023年4月21日に発売されている。いつか日本でも遊べるとうれしいのだが……。