カプコン アーケードキャビネット -レトロゲームコレクション-|ファミ通.com

バルガス

バルガス

アーケード発売日:1984年5月 1人プレイ専用

記念すべきカプコンのアーケードゲーム第1作。カプコンの歴史はここから始まった。ジャンルはオーソドックスな強制縦スクロールシューティング。ツインショットとキャノン砲を使い、襲い来る敵を倒して進んでいく。

システム説明

 強制縦スクロールシューティングで、左右に自機を動かすと横方向にも少しスクロールするのが特徴。プレイヤーにフィールドの広がりを感じさせてくれる。

 攻撃はツインショットとキャノン砲で行う。キャノン砲は弾数に制限があり、画面上に登場するPOWを入手するとストックが増える。キャノン砲はザコを貫通し、1発のキャノン砲で複数のザコ敵を倒すとボーナス点が入るようになっている。大型の敵でもキャノン法を使えば一発で倒せる。

 画面上には、POWのほかに敵サインと呼ばれる、アルファベットの書かれた円盤が登場する。これを取ると、プレイヤーに有利な効果が発生する。その効果は以下の通り。

敵サインE(赤色):敵の数が増えなくなる
敵サインS(青色):敵の速度の上昇が止まる
敵サインD(灰色):敵の弾数が増えなくなる

そのほか、敵サインを取り続けると佐吉(1万点)が出現する。

 ステージの明確な区切りはないが、途中で背景が黒くなり夜のようになる場所がある。ここではアイテムが出現せず、大型の敵が多く出現する。この夜のステージを区切りとすると、全3ステージのループゲームということができる。

効率のよい得点の稼ぎかたについて

 キャノン砲を使うとボーナスを得ることができるが、まったくキャノン砲を使わず進んでも高得点を稼ぐことができる。キャノン砲を使わずに進むと、キャノン砲のストックが満タンになり画面上にPOWのアイテムが出現しなくなる。POWの代わりに敵サインが出現するので、これを取り続ければ佐吉(10000点)が出やすくなる。佐吉をたくさん取れば効率よく点数を稼ぐことができるのだ。

 また敵サインは、画面上にひとつしか表示されない。つまり理論的には、出現したら早めに取れば取るほど、敵サインは多く出現する。積極的に敵サインを取っていければ、そのぶん時間あたりの得点効率も上がっていく。実際には画面の前に出て敵サインを取り続けることは難しいので、あまり無理をしないようにしよう。

効率のよい得点の稼ぎかたについて 効率のよい得点の稼ぎかたについて

▲キャノン砲でザコをまとめて倒すと高得点となる。またキャノン砲を使わなくても、佐吉を取ることで得点を稼げるシステムになっている。

マニアの注目を集めた、完成度の高いシューティング

 本作はカプコンが世に送り出した最初のタイトルである。1980年代前半〜中盤はナムコ、セガ、タイトーというところが大手メーカーとして有名で、コナミが躍進を始めた時代であった。当時の有名タイトルと比べれば、『バルガス』はそれほど大ヒットをしたわけではない。しかし硬質なグラフィック、完成されたゲーム性など、シューティングとしての完成度は高いものがあった。新しいメーカーが、1作目から高いクオリティーのゲームをリリースするのは難しいことである。『バルガス』の登場は、マニアのあいだにカプコンというメーカーの名前を知らしめたといえるだろう。

 本作では、まとわりつくように自機を追いかけてくる敵の動きに特徴がある。この敵の動きは、後の『1942』、『ガンスモーク』、『戦場の狼』にも通じるものを感じる。現代のシューティングは自機の攻撃力が高くなったため、あまりこのタイプの敵の攻撃は見られない。1980年代前半のシューティングならではの感覚を、ぜひ楽しんでほしい。

基本的な攻略法

 この当時の作品としては、自機のショットの弾速や画面に表示される数は多いほうである。とはいえ、画面の下であまり連射すると次弾が撃てない状況になってしまうので、タイミングよく撃つようにしよう。中型の昆虫のような敵は、不用意に近づくと近い距離から弾を打たれてしまう。できるだけ早く倒すか、距離を離してやりすごそう。

 画面の上のほうに出ていっても、敵の数が少なければ回りこむことができる。左右の端に追い詰められそうになったら、画面の上部に出て大きく回るようにかわすのもひとつの選択だ。

 POWや敵サインは、できるだけ取っていこう。敵サインによる敵の弱体化や、得点の効率が上がることは大きなプラスになる。

基本的な攻略法 基本的な攻略法

▲背景が暗くなった夜のシーンがあり、これがステージの区切りのような扱いになる。1周の最後には、岩が周囲を回転している、ボスらしい敵が登場する。

PLAY MOVIE

(1) スタートから夜の場面までを収録。キャノン砲でザコをまとめて倒すと点数が高い。この感覚は当時のキャラクターアクションゲームのゲーム性に近い。

(2) 1周目のラスト付近をプレイ。3回目の夜で、ボスらしき岩の塊が出現する。1周したところで、画面の左にCAPCOMのロゴが出現するので注目。

『バルガス』の思い出

 本作は1980年代前半における、オーソドックスなタイプのシューティングです。筆者の目を引いたのは、そのグラフィックの質の高さでした。とくに敵のメタリックな質感は、大手メーカーの有名タイトルと比べてもなんら遜色ないレベルでした。この当時、筆者は本作をプレイしていましたが、それほど先には進めなかった記憶があります。しかしこの作品で、カプコンという会社の名前を覚えました。その後カプコンの多くの作品をプレイしたことを考えると、やはり感慨深いものがあります。

石井ぜんじ
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