カプコン アーケードキャビネット -レトロゲームコレクション-｜ファミ通.com

ストーリー・システム説明

「三蔵法師、カッパ、馬が大魔神にさらわれてしまった。残されたソンソンとトントンは大魔神を倒し、お釈迦様の巻物を手に入れるために、天竺を目指す旅に出た」

　縦6段に区切られたフィールドを進む、強制横スクロールシューティングゲーム。攻撃は横方向に出るショットのみで、パワーアップなどは存在しない。きわめてシンプルなシステムだ。フィールドは段によって仕切られており、上下の段への移動は方向パッドの↑↓（ジョイスティックの場合はスティック操作）で行う。強制スクロールシューティングでありながら、移動は4方向のみである。

　天竺への途中には砦が登場する。砦は壁をすべて壊すか、一定時間経過すると通過することができる。20秒以内に砦を突破すれば、高得点アイテム“弥七”が登場する。

得点システム説明

　フィールドに落ちているスモールフードを6個取るとジャンボフードが登場する。ジャンボフードは得点が高いので、できるだけ取り逃さないように進もう。ちなみにジャンボフードを逃すと、当時流行していたキャラクター“エリマキトカゲ”が後方から走ってくる。ジャンボフードを8個取ると、今度はPOWが出現する。POWを取ると、画面上の敵がすべてジャンボフードに変わるので高得点のチャンスだ。

　特定の場所を通過すると、タケノコが何もないところから出現し、取ると1000点となる。このタケノコが出現するときに、左右にプレイヤーを振るように動かすと2000点獲得できるという裏技がある。

▲敵はかならず集団で登場する。その組み合わせ次第で難度が変化する。POWを取ると敵がジャンボフードに変わるので、タイミングを考えて取ろう。

シンプルな組み合わせで奥の深さを生み出したシューティングゲーム

　本作に登場する敵は単体では登場せず、複数の集団で登場する。その動きは一定の軌道を描くものや、プレイヤーの位置を見て動きを変えてくるものなど、さまざまである。しかしどこで出現しても、同じ種類の敵ならその動きは変わらない。

　ひとつの集団ならば、その動きは分かりやすい。これなら問題なく対処できるだろう。しかし本作は、これらの敵を巧みに組み合わせて登場させている。集団ごとに見れば簡単な動きでも、重ね合わされば複雑な攻撃となる。この混合攻撃が、絶妙なゲーム性を生み出しているのだ。

　集団ごとの動きは単純なので、プレイヤーはつぎの展開を予測できるはずである。混合攻撃になると実際には切り抜けるのが難しいのだが、それぞれの動きが読めるためにやられたときでも理不尽だと感じない。“動きが分かっていたのに、避けられなかった自分が悪い”という気持ちにさせられるのである。この組み合わせの妙は、本作のすぐれたところであろう。

　また本作は、カプコン初のふたり同時プレイが可能なゲームである。敵の配置やプレイヤーの攻撃力などは、ふたり同時に遊んで楽しめるように作られている。ふたり同時プレイを本格的に追及したシューティングはこの時代珍しく、その意味で完成度の高い作品となっている。

　カプコンはひとりプレイだけでなく、ふたり以上で同時に遊ぶ、というゲームを長年にわたって研究していったメーカーである。その結果生まれたのが対戦格闘ゲームであり、4人同時プレイが可能な格闘アクションゲームである。本作はその大きな流れの、源流になる作品といえるだろう。

基本的な攻略法

　敵の種類はそれほど多くないので、まず敵の動きの性質を覚えよう。敵の集団の動きを理解したら、集団ごとに対策を立てていく。たとえば槍を投げてくる山賊は、画面のいちばん後ろにいれば上下の敵は後ろに逃げていってしまう。蛇行するコウモリや魚は、波の頂点の高さに移動して撃つと倒しやすい。

　また赤次郎と呼ばれる赤いトンボにはとくに注意しよう。このトンボは出現したあと一定時間は止まっているが、突然プレイヤーに向けて体当たりをしてくる。複数の敵が同時に出現したとき、この赤次郎がいることを忘れてしまい、やられる場合が多い。トンボが出現したら、動き出す前に優先して倒しておくとよい。

　砦の壁の位置は、砦ごとに決まっている。どの壁から先に壊すかで、砦の難易度は変わってくる。いろいろ工夫して、楽な砦の抜けかたを考えよう。砦によっては、壁を右奥から左に向けて攻撃できる場合もある。

▲ステージの区切りには砦が出現。爆弾を投げてくる敵を倒しながら壁を壊そう。大魔神は3体同時に出現する。耐久力の高い敵だが、上から2段目にいれば倒しやすい。