カプコン アーケードキャビネット -レトロゲームコレクション-|ファミ通.com

1943 ミッドウェイ海戦

1943 ミッドウェイ開戦

アーケード稼働日:1987年6月 2人同時プレイ可能

縦スクロールシューティング、『19』シリーズ第2弾。前作『1942』の残機制からエネルギー制に変化したほか、装備できる武装や敵のバリエーションが広がった。緊急回避システム“メガクラッシュ”を使うと、画面上の敵弾を一掃することができる。

ストーリー・システム説明

 舞台は太平洋戦争のミッドウェイ海戦。プレイヤーはアメリカ軍のパイロットとなり、日本海軍を相手にするというストーリーである。ステージは前半が空中戦、後半が戦艦や空母、巨大戦闘機との戦いになっている。

 本作では、自機のライフがエネルギー制になっているのが特徴で、エネルギーが尽きたところでダメージをくらうと終了となる。エネルギーは時間で減っていくほか、敵弾を受けたり、体当たりされると減っていく。自機はショットで敵を攻撃するが、アイテムを取得することでショットガン、3ウェイ、マシンガン、スーパーシェルなどの武器を装備することができる。これらの武器は使える時間が決まっており、武器アイテムを取得し続けることで使用時間を延長できる。

 そのほかプレイヤーは、メガクラッシュボタンを使い、敵の弾を消しながら攻撃することもできる。ただし、メガクラッシュは使うとエネルギーを消費するので、乱発することはできない。ショットボタンとメガクラッシュボタンを同時押しすると無敵になる宙返りができるが、これは前作『1942』から引き継がれたシステムとなっている。

ストーリー・システム説明 ストーリー・システム説明

▲空中戦を最初に行い、敵艦を発見すると画面が切り替わる。武器は時間制で、アイテムを取れば延長できる。

シューティングゲームの歴史から見た『1943』の特徴

 本作の最大の特徴はエネルギー制の採用である。本作がリリースされた1987年にはアイレムの『R-TYPE』、1988年にはコナミの『グラディウスII』というシューティングの名作が発売されている。歴史的に見てこの時期は、シューティングゲームが全盛の時代であり、シューティングを愛するマニアックなファンが全国に存在していた。
 しかし、これらの人気シューティングの多くは難度が高く、マニアには攻略ができても、一般のプレイヤーには敷居が高かった。一般プレイヤーとマニアとの腕の差がはっきりとつきすぎるため、プレイヤー層が狭くなる危険をはらんでいた。

 エネルギー制の採用は、そのようなシューティングの状況に一石を投じたものと言えるだろう。本作のようなエネルギー制は、1機やられたらその時点でおしまいである。しかし、やられるまでは何発も被弾できるので、初心者でもある程度先まで進むことができ、一定の楽しさを保障できる。エネルギーの増減をアイテムなどで調整できるので、難易度のバランスや起伏もつけやすい。

 また注目すべきなのは、エネルギー制とふたり同時プレイの相性のよさである。ゲームの複数同時プレイは楽しいものだが、シューティングでは一瞬の油断がミスに直結するのがネック。相方に邪魔をされると一瞬でやられるので、ふたり同時では遊びにくいジャンルだ。しかし、エネルギー制なら多少の被弾はカバーでき、協力して遊ぶことができる。

 広いプレイヤー層の開拓、複数同時プレイのできるゲームの追及。それまでのシューティングゲームの形を踏襲するのではなく、新たなシューティングのスタイルを模索するカプコンの姿勢が、本作にはよく現れているといえるだろう。

基本的な攻略法

 もっとも注意すべきなのは、ショットガンを取らないようにすること。連射できず射程が短くなるため、攻撃力が著しく落ちてしまうからだ。ショットガンになる危険があるなら、“POW”を見逃したほうがいい。

 また敵の弾をくらうより、中型機の体当たりのほうが多くエネルギーが減ってしまう。敵の弾だけなら、それなりの数を被弾してもやられない。下や横から出てくる中型機の位置は覚えていこう。

 戦艦との戦いでは、メガクラッシュが有効。メガクラッシュの直後は弾が消えているので、そのわずかな時間に砲台に張りついて攻撃するとよい。ひたすら弾をかわし続けるより、適度にメガクラッシュを使ったほうが確実に攻略できる。

基本的な攻略法 基本的な攻略法

▲空中戦では、中型機の体当たりに注意しよう。戦艦を破壊するには、メガクラッシュを使って津波を起こし、そのあいだに近づいて撃ち込むとよい。

隠しアイテムについて

 本作では、カプコンのアーケードゲームに登場したキャラクター、アイテムをモチーフにしたアイテム、隠しアイテムが多数存在する。体力を回復する弥七、武器の時間を延長する佐吉(白い星)などがそうだ。それ以外にも牛、タル、イチゴなどの得点アイテムが存在する。

 また、戦艦を破壊したときに艦橋から飛び散る破片を壊すと、ひとつあたり10000点が入る。さらにこのとき一定の確率でモビちゃんが出現し、これを撃つと10万点になる。本作発売当時のハイスコア争いでは、このモビちゃんがいくつ出現したか、ということが大きな焦点となった。

隠しコマンドについて

 本作では、ステージ開始前にレバーとボタンを使いコマンド入力をすることで、開始直後から武器を持った状態でスタートすることができる。隠しコマンドを知らなくても問題なくクリアーできるが、知っていれば有利になるステージもある。

隠しコマンド一覧

隠しコマンド一覧

PLAY MOVIE

(1) ROUND2を通してプレイ。序盤は空中戦、後半は空母の加賀を破壊することが目的となる。空中戦の最後には隠しアイテムのイチゴが登場。

(2) 最終ラウンドの艦隊戦。最後に控えるのはラストボスにふさわしい威容を誇る、戦艦大和。メガクラッシュの使いどころがポイントとなる。

『1943』の思い出

 ゲームセンターでも、長期間にわたり人気があったという印象が強い作品です。筆者もよくプレイしましたが、最終面の“戦艦大和”でいつもやられていました。当時の“大和”には、ラスボスにふさわしい威厳とカリスマ性を感じたものです。連射機能のおかげとはいえ、今回“大和”(正確にはその前の艦隊戦)の攻略パターンを作ることができて、スッキリしました。

石井ぜんじ
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