ラッシュ&クラッシュ
アーケード発売日:1986年9月 1人プレイ専用
縦スクロールドライブアクションシューティングゲーム。制限時間内にザッパー軍団を倒して妻子と街を取り戻すことが目的。愛車“アーマートランザム”に乗ってカーチェイスをしながら目的地を目指す。クルマから降り、歩いて進むこともできる。
アーケード発売日:1986年9月 1人プレイ専用
縦スクロールドライブアクションシューティングゲーム。制限時間内にザッパー軍団を倒して妻子と街を取り戻すことが目的。愛車“アーマートランザム”に乗ってカーチェイスをしながら目的地を目指す。クルマから降り、歩いて進むこともできる。
「21世紀の初め、平和な町を襲い、悪事の限りを尽くす“ザッパー”と名乗る集団が出没するようになった。特殊部隊に所属する“トップ”は、単身敵地に乗り込んでいく。目的はひとつ、彼の妻子と町を“ザッパー”から取り戻すこと……。
アクセルを踏み込むと、追撃用車輌AMTが雄叫びをあげる。眼前には、果てしなく続く、デスロード。道はまだ遠い」
クルマに乗り込み、敵のクルマや障害物をかわして進んでいくドライブアクション。時間内にエリアを突破できればそのエリアはクリアーとなる。プレイヤーは、ショットボタンを押すと弾を撃って攻撃できる。脱出ボタンを押すとクルマから脱出が可能だ。またクルマから降りた状態で脱出ボタンを押すと前転になる。
クルマには耐久力があり、敵のクルマの体当たりや、弾を食らうことでダメージを受ける。一定のダメージを超えるとクルマは炎上するが、そのまま乗り続けているとミスとなる。このときは脱出ボタンを押してクルマから降りるとよい。
クルマから降りた状態では、弾を撃つことができるが移動速度が遅く、1発ダメージを食らうとやられてしまう。粘っていると味方が新しいクルマを持ってきてくれるので、それに乗り込もう。
クルマに乗っている状態で、家を壊しアイテムを入手するとパワーアップできる。パワーアップはスピード、大砲、スパナ、トンカチの4種類。大砲を取得するとショットの連射が速くなる。スパナは耐久力のゲージがアップし、トンカチは接触ダメージが2分の1になる。これらのパワーアップは、エリアごとにリセットされるので注意しよう。
▲敵のクルマがトゲを出しているときにぶつかるとダメージが大きいので、注意が必要だ。スパナをふたつ、トンカチをひとつ取ったところでひと安心。
クルマのゲームといえば、純粋にタイムを競うレースゲームが一般的だ。だがそれ以外にも、クルマとクルマをぶつけ合いながら走る、カーチェイスを題材にしたものがある。汎用筐体のゲームでカーチェイスものは珍しいが、本作はその中でもトップクラスの完成度を誇る作品といえる。
本作の最大の特徴は、クルマの操作性ではないかと思う。徐々に上がる速度や、カーブでテールが流れドリフトするさまは、当時の汎用筐体のゲームとは思えないほどよくできている。だがそのいっぽうで、このリアルな操作性がゲームの難度を引き上げていることも否めない。クルマをぶつけられて炎上するだけでなく、橋などで操作を間違えて落ちれば、それだけでミスとなる。そのために、ゲームセンターでも苦戦するプレイヤーが続出し、人気はそれほど続かなかった。
だが本作は、やればやるほどおもしろくなる、非常に奥深いゲーム性を備えている。クルマの操作性に慣れると、この慣性のついた動きこそが楽しくなってくる。敵のクルマは同じ動きをしないので、パターンにはめて攻略するのは難しい。しかし臨機応変に対応し、紙一重でかわしてエリアの終点まで突っ走れるようになれば、自分の腕が上がったことを心から実感できるはずだ。このゲーム性は、1980年代のカプコン作品に共通する魅力である。
また本作は、すばらしいサウンドを聞かせてくれる作品でもある。曲だけ聴いても楽しめるが、ゲームをしながら聞くと相乗効果が発揮され、気分を高揚させてくれる。ゲーム性とサウンドが一体化したこのプレイ感覚は独特のものなので、ぜひ体験してほしい。
まず初めにクルマの操作に慣れよう。徐々にスピードアップする加速の感覚と、テールが流れるドリフト感覚をしっかりつかむこと。位置の微調整が必要なとき(アイテムを取る場合など)は、止まらずに小さな円を描くように回るとよい。こうすれば速度を落とさないまま位置の調整ができる。立ち止まってしまうと、再度加速するまでに敵のクルマに体当たりされやすい。
立ち止まることが必要なのは、複数の弾を同時に出す移動砲台やトラック、赤いドラム缶などを破壊するとき。この場合は立ち止まり、弾を集中して当てて破壊すれば安全に通れるようになる。それ以外のときはできるだけ走り続けたほうがよい。
またアイテムの出現場所を覚えることも必要だ。エリアごとにパワーアップがリセットされてしまうため、場所を覚えて適切にパワーアップしていくことが求められる。本作では進路が分かれている場面が多く、アイテムの出現場所を知らないと重要アイテムを取り逃してしまうことがある。くり返しプレイしてアイテムの位置を覚え、できるだけ楽なルートを探していこう。
▲ステージ1にはライフがふたつある。ルート選択によっては取り逃すことがあるので注意したい。また一度に複数の弾を発射する移動砲台は破壊できるので覚えておこう。
(1) エリア1を通してプレイ。右側に行くとライフがあるが、移動する砲台をかわして進む必要がある。マップとアイテムの位置を覚えることが大切。
(2) 最終エリアを通してプレイ。序盤のルート選択が重要で、トンカチ→スパナ×2→ライフとアイテムを取れれば、かなり展開が楽になる。
発売された当時はあまりの難しさに、プレイするのを敬遠していました。しかしずっと気になっていたタイトルでもあります。発売から10年ほど経過したころ、筆者はゲームセンターに設置するタイトルを決める立場になりました。そこで本作をゲームセンターに設置し、1コインで1周できるまでやりこんだ記憶があります。
難度だけ見てみれば、本作はカプコンのビデオゲームの中でもトップクラスだと思います。しかし、やればやるほどハマるタイトルであることも確か。これほどおもしろいにもかかわらず、それほど知られていないのは惜しいです。この機会に、ぜひ多くの人にプレイしてもらいたいと思っています。