カプコン アーケードキャビネット -レトロゲームコレクション-|ファミ通.com

セクションZ

セクションZ

アーケード発売日:1985年12月

強制スクロール(横及び縦)のシューティングゲーム。プレイヤーはショットと爆弾、左右の方向転換を駆使して敵の基地を進んでいく。セクションE、J、O、Tにはボスが登場。ボスを倒すとつぎのセクションに進むことができる。セクションZのボスを倒すと1周クリアーとなり、再びセクションAからスタートになる。

ストーリー・システム説明

「西暦2XXX年、宇宙をわがもの顔で暴れまわり、つぎつぎと侵略を進めるバラングール帝国。ついに、その魔の手が地球にまで及ぼうとしていた。君は孤独な宇宙戦士。A〜Zまでに区切られる敵基地を進行し、最終目的であるセクションZの人口生命体エルブレインを破壊するのだ」

 ひとつのボタンで左右への連射攻撃と下方向への爆弾投下を行う。もうひとつのボタンは左右の方向転換を行う。強制スクロール型のシューティングだが、地形にぶつかってもやられることはない。

 画面上に出現するドームを破壊するとコインが出現。Bは得点、Pは速射砲の威力アップ(3段階)、Sはスピードアップ(3段階)となっている。ドームを壊すと回転する羽根が出現することがあるが、これを撃ち続けると点を稼げる。また頭、手などの隠しアイテムが存在する。

ストーリー・システム説明 ストーリー・システム説明

▲不気味なエイリアンの基地に潜入していく。ステージによって、上下左右にスクロールするのが本作の特徴。

上下左右から敵が登場するシューティングゲーム

 地形が複雑なタイプのシューティングで、ゲーム感覚は横スクロールシューティングに近い。しかし本作はステージごとに右、上、左、下、右とスクロールする方向が変わっていく。これはスクロール型のシューティングでは珍しいタイプだ。プレイヤーが地形にぶつかってもやられないことも特徴といえる。

 本作をプレイしたときに、難度が高いと感じる人は多いだろう。それはプレイヤーの形状が縦長であり、弾をかわす感覚が通常のシューティングと異なっているところにひとつの原因がある。また左右への方向転換ボタンに慣れるまでは、包むように押し寄せてくる敵への対処が難しい。

 これらの課題は、のちに『サイドアーム』(1986年)、『ロストワールド』(1988年)へと引き継がれていく。上下左右への弾の撃ち分け、当たり判定の大きい自機に対する防御方法、耐久力の設定など、さまざまな形で進化していくことになる。そのような意味では、本作はカプコンキャラクターシューティングの原点となった作品といえるだろう。

 また本作の魅力のひとつに、その世界観とサウンドのすばらしさがある。フィールドに出現する不気味な敵たちは、当時のアーケードとしては異彩を放つ独特な世界観を生み出している。3面にはピンボールをモチーフとした地形も存在し、その奇抜なアイデアは注目すべきポイントである。

 これらの世界観をさらに引き立てているのがサウンドの力だ。本作は初期のカプコンアーケード作品の中でも、屈指のサウンドクオリティーといえる。じっくりと味わってほしい。

基本的な攻略法

 まず大事なのは左右の方向転換に慣れること。敵は上下左右から登場するので、自在に撃ち分けられるようにしなければいけない。さいわい『カプコン アーケード キャビネット』では、攻撃ボタンに連射が設定できる。そこでショットを連射に設定し、押しっぱなしにしながら方向転換ボタンを扱うとやりやすいだろう。

 また左右から敵に囲まれる場所は、ショットで攻撃しながら方向転換ボタンを連打するとよい。こうすれば敵の攻撃をかわすことに専念しながら、左右の2方向に攻撃することができる。ショットと同時に発射される爆弾も有効に活用しよう。爆弾は攻撃範囲が広いので、うまく使えば地形に張り付いている敵を早く倒せる。

 地形が複雑なシューティングなので、地形や敵の配置を覚え、少しずつ攻略パターンを作って進むのが基本。地形によって進行方向が分かれている場所は、進むルートによって難度が変わる。くり返してプレイし、楽なルートを選ぶようにするとよい。

基本的な攻略法 基本的な攻略法

▲球状の敵が転がってきたり、ピンボールを模した地形があったりと敵の個性とアイデアが光る。難度は高いがぜひ最後までプレイしてもらいたい。

PLAY MOVIE

(1) 1面を通してプレイ。中盤のザコが多量に出現する場所はかなり難度が高い。左右の方向転換ボタンを使い分け、ザコと砲台をうまく倒していこう。

(2) 縦スクロールする4面をプレイ。長いので途中を省略している。トリッキーな敵や仕掛けが多いので、ぜひ自分の目で確かめてみてほしい。

『セクションZ』の思い出

 アーケードでの発売当時は近くの店に入荷せず、時間をかけてやりこめなかったタイトルのひとつ。世界観は好きなゲームなので、かなり後になってからプレイして1周クリアーした記憶があります。当時のほかのカプコン作品と比べれば知名度は低いのですが、トリッキーな敵や仕掛けはなかなか見ごたえがあります。先に進んでいくときのワクワク感は、名作『魔界村』に通じるものがあるのでは? クリアーするのは大変ですが、ぜひ先のステージを体験してほしいですね。
 個人的には、本作のサウンドはとてもクオリティーが高く、世界観にマッチしていると思います。カプコンのアーケード作品の中でもトップクラスなのではないでしょうか。

石井ぜんじ
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