Gluck(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
ブラックユーモア溢れるセリフ、地底を掘る作業、鉱石の仕分け、後半の展開の妙など、楽しくなりそうな要素が随所に散りばめられており、2時間弱でのクリアー時間も含め、作家性を感じる作品。ただ、自動購入&交換できない乾電池、現場に向かうトロッコ操作、食費の高さなど、ゲーム進行部分で“手間”と感じる部分が多し。鉱山の掘削や鉱石の仕分けも、もう少し爽快感があれば世界により入れたかな。
週刊ファミ通1857号より
一風変わった見せかたのストーリーや構成がおもしろく、選択肢による影響がたいしてない気の抜けた会話のやり取りもユーモラス。鉱山での掘削と鉱石の選別をくり返してお金を稼ぎ、作業に必要な道具を買って坑道を掘り進めていくのは没頭できます。ただ、つるはしで狙いを定めるときや機械の操作性は、微妙にストレスを感じるところ。同じ会話をくり返し聞かされたり、細かな不満点もちらほら。
週刊ファミ通1857号より
帝愛グループのブラックな話かと思いきや、白いお餅のお話でした! 短編を読み進める感覚で、主人公というより、地域や住民たちの過去をまるごと味わうような構成。まさに(?)作業の“作業感”が、ゲームならではのナラティブに。劇中劇のような仕立てや、言葉の選びかたなど、ひとひねりある表現のセンスも好きです。コミックス1冊くらいのお値段で、すてきな読後感が得られ、満足度が高い。
週刊ファミ通1857号より
シナリオテキストのとぼけた味わいのみで一気に遊びきれる、小規模作品です。単純作業を強いられる前半パートの、そこそこシビアな賃金稼ぎ要素だったり、ミニゲームのイライラが募る操作性だったりは、後半の物語中心の展開に、とくに絡みなし。すべての事象にコンテクストが必要なわけではありませんが、であればなおさら、心を揺さぶられる“意外な場面”が、ひとつは欲しかったです。
週刊ファミ通1857号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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