岩倉アリア(Nintendo Switch)のレビュー・評価・感想情報
耽美かつ退廃的な雰囲気漂う昭和の洋館で、百合とサスペンスで味付けしたストーリーが展開。油絵のようなタッチのキャラクターの絵柄と、インサートされるスケッチ風モノローグが、プレイヤーを物語世界へと誘う。マルチエンディングを採用しつつも、探索要素や選択肢などは少なめ。それがひとりの少女の選択と、その帰結を描いた物語に文学的な薫りをプラス。世界観自体を味わう作品かな。
週刊ファミ通1855号より
最初は昼ドラマ風のシナリオなのかと思いきや、途中から意外な展開に。刺激的な内容は好みが分かれるかもしれないが、サスペンスの要素もあって先が気になり、目が離せなくなる。絵画風のグラフィックも、独特な作風をより印象的なものにしていてグッド。バッドエンディングなどは、やや唐突さがあるものの、マルチエンドの回収も楽しみに。システム的にシンプルなぶん、物語に集中できます。
週刊ファミ通1855号より
アリアの儚げな美しさにただただ見入ってしまいます。イメージ通りの声に言葉遣い、超然とした振る舞いも魅力的。サスペンス調のストーリー運びには、少し懐かしい時代の少女マンガを思い起こしました。ミステリアスな描写が多く、考察を深めるための要素がもう少し充実していたら、とも。たとえ主人公に共感できなくても、プレイヤーキャラではなく物語の主要人物として眺められる距離感が絶妙です。
週刊ファミ通1855号より
森川智之氏の紳士ボイスにビクビクしつつ(笑)、デカダンスなムードのBGMに浸っているうちに、浮世離れした美少女・岩倉アリアの一挙手一投足から目が離せなくなります。シナリオ構造は、好奇心旺盛で生まじめな主人公の立場で自然に振る舞えば、難なく攻略できる程度。それよりも何よりも、妖艶さに満ちた物語世界に、不安定な情緒のまま居続けられる体験そのものが文学的であり、甘美です。
週刊ファミ通1855号より
ファミ通公式レビューアーイラスト:荒井清和
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