大鉄道狂時代 機関車の誕生

アサシン クリード』シリーズ最新作となる『アサシン クリード シンジケート』。シリーズ初、1868年産業革命期のイギリスを舞台とした“近代”のアサシン・サーガを描く本作を、より深く楽しむための情報や考察をお届けしていきます。さて今回は、この時代に誕生し、シリーズでも初めて登場することとなった“鉄道”についてのコラムをお届けします。

公開日時:2015-11-01 15:30:00

世はまさに、大鉄道狂時代。

 ときにあなたは、アクション映画のワンシーンさながらに、「バスや電車の屋根上に乗ってみたいなー」などと、思ったことはないですか?
 『アサシンクリード シンジケート』では、シリーズで初めて、“列車”が登場します。アサシン(暗殺者)として、列車に潜入することもできますが、その身体能力を活かして、そのまま列車の屋根の上にももちろん乗れます。

 屋根の上で、襲い来る敵を倒しまくる……そんな、大作アクション映画のようなシーンも体験できるのです。

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 そんな派手なアクションを実現する鉄道は、産業革命のシンボルのひとつ。

 イギリス中に敷かれることとなる鉄道網が産まれたのは、本作の舞台1868年から遡ること38年前……1830年に、運河や道路による輸送に対抗すべく計画された“リバプール・マンチェスター鉄道”が開業したことがきっかけでした。

 その名の通り、リバプール~マンチェスター間をつなぐこの路線こそ、世界初の蒸気機関車を用いた鉄道にほかなりません。当初は工場街からは製品や原料を大量に運ぶための路線として想定されていたのですが、やがて旅客車両としての運用に光が当たり、大量の乗客を輸送することとなりました。こうして、この路線は高い利益を生み出す、金の卵のような路線となり、大成功を収めることとなります。この成功は、やがて鉄道建設ブームを呼び起こすことになりました。

鉄道投資ブーム

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 1840年代になると、多くの投資家が「鉄道、めっちゃ儲かりそう!!」と熱い視線を注ぐことになりました。これにより、鉄道には、さらに多くの資金が集まり……“鉄道狂時代”と呼ばれる、鉄道投資ブームが到来しました。

 イギリスの各地で鉄道の建設が過熱すると、競合会社同士で鉄道網の陣地争いが激化していきます。

 1848年には、路線の長さはなんと5127マイル(8251km)にもおよび、当時の運河の総延長を超えることに。名実ともに、鉄道は運輸の大動脈となったのでした。

 輸送力が生む莫大な富を巡っての、競合他社の買収争いですが、時代とともに整理と淘汰が行われ、最終的には、大規模な会社が少数生き残るという結果になります。

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 ちなみに、『シンジケート』では暗殺ターゲットとして、鉄道王、いや鉄道女王と呼ぶべき経営者“パール・アタウェイ”が登場します。彼女は、アサシンと敵対する“テンプル騎士”のひとり。あなたも、発売後に彼女の暗殺任務を請け負ったのならば……この投資ブームで白熱した、富の魔力を肌で感じられるかもしれません。


 このように本作では、鉄道は重要なモチーフとして様々な形で描かれます。アサシンのアジトとなるのも、秘密の特別列車なのです。このお話は、また次の機会にお伝えしますので、お楽しみに!


それではまた次回、" Join The Family ! "

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『アサシン クリード シンジケート』特設サイト “Inside Syndicate 1868”

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