開発の“ボス”シニアプロデューサー、ぺラン氏が語る“『シンジケート』で目指す遊び”の根幹

ついに! 明日11月12日に発売される、シリーズ最新作『アサシン クリード シンジケート』。発売前夜となる今日からは、本作で『アサシン クリード』シリーズを、初めてメインで手掛けることとなった新進気鋭の集団、ユービーアイのケベック・スタジオの主要スタッフへのインタビューをお届けしていきます。キーマンたちが語った、本作のコンセプトとは。発売前の楽しみな気持ちのまま、作り手たちが新しい『アサシン クリード』に込めた気持ちを読んでみてください。

公開日時:2015-11-11 17:45:00

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▲フランシス・ぺラン(シニアプロデューサー):ユービーアイスタジオ ケベック・スタジオにて、『アサシン クリード シンジケート』のシニアプロデューサーとして開発チームを率いる。

街を身近に感じてもらうために

−−本作で初めて、ケベック・スタジオがシリーズの開発をメインで手掛けられましたね。初めて担当することが決まった際に、まずは、チーム内でどのようなビジョンを共有しましたか?

フランソワ ビジョン……そうですね。我々ケベック・スタジオは、『アサシン クリード』シリーズの『ブラザーフッド』や『3』、『ブラックフラッグ』などの開発に、長いあいだ協力してきました。そうした思いの深い本作を、我々がメインで制作すると決まった。そのときは、やはり、まずはリーダーとして、「ハートと情熱を注いで楽しく仕事をし、自分たちが身近に感じられるものを作り上げよう」と思いました。

−−自分たちが身近に感じられるものを作る、ですか。

フランソワ はい。開発方針も、これまでとは違う、“自分たちがまずは楽しんで作る”いう方針だったんです。そうしたビジョンをチームで共有しました。

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“組織”の新システム導入の理由とは

−−一丸となって楽しんで作るというと、ゲーム中のジェイコブが、ロンドンについてすぐにギャング団を作るんだ、と楽しそうにはしゃぐ場面を彷彿としてしまいました。ところで今回、そんな“組織”という新システムを導入した理由はどんなところに?

フランソワ ケベック・スタジオはギャング組織ではありませんが(笑)、本作のギャングのボスになる遊びも、やはり身近な楽しさがテーマなのです。どんな風に街を支配していくかは、プレイヤー自身の楽しみかた次第。ロンドンが少しずつ身近になり、「自分たちの街だ!」と思えるほどに、没入してもらいたくて。

−−ギャングのボス、ではありませんが、フランソワさんもスタジオを率いる“シニアプロデューサー”という、リーダーの立場ですよね。開発中、“組織”(シンジケート)としてのケベック・スタジオを、リーダーとして、どのようにご覧になっていましたか。

フランソワ スタジオを率いるリーダーという立場になったことで、難しい決断をいくつもしなくてはなりませんでした。でも、最終的にケベック・スタジオとして、自然に楽しんで開発に臨めたのではないか、とは思っています。
−−最初に共有したテーマも、最後まで維持して開発できたと。

フランソワ そうですね……先ほど、プレイヤーにロンドンを“自分たちの街”だと思ってほしい、と言いました。『アサシン クリード シンジケート』で目指した遊びで最も大切にしたことは、プレイヤーのクリエイティビティを引き出すようなものにする、ということでした。メインとなる遊びは、双子のアサシンとなって“ロンドンを解放する”というものです。テンプル騎士団の秩序で統制された各地区を、ギャング団を率いて解放クエストに挑み、ひとつずつ解放していく。これを少しずつ進めていくことで、プレイヤーのロンドンに対する見方も、少しずつ変化していくのです。

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双子の主人公と溶け合うロンドン

−−『アサシン クリード シンジケート』では、従来のシリーズから、遊びの選択の幅がとても広がったように感じました。

フランソワ ああ、主人公もジェイコブとエヴィーのふたりから選べますしね。地区の解放も、どこから解放していくのか、または解放しないという選択さえも、プレイヤーが決断します。なにしろ、ギャングのボスですから(笑)。

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−−難しい決断もしなくてはならないのが、ボスなんですよね(笑)。ところで、ふたりの主人公を切り換えてプレイするというのは、シリーズ初の試みです。こうしたシステムにした理由は?

フランソワ ロンドンを身近に感じてほしい、という思いから、気づくと自然に出てきていたアイデアだったんですよ。ロンドンという貧富の差も激しいふたつの側面を映す舞台だったからこそ、ジェイコブとエヴィーという、姉弟ふたりのキャラクターにリーダーになってもらって、カリスマ性をはっきりした形で表現したかったのです。

−−たしかに、清濁が交じり合う、『アサシン クリード シンジケート』の舞台である産業革命期のロンドンの街に、これ以上なくしっくりくるふたりです。

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フランソワ 清濁が交じり合うロンドン。まさにその通りで、どちらかだけではなく交じり合っている点こそが、この時代の面白いところだと感じています。ゲームプレイもメインのストーリーラインがあって、そのわきにサイドストーリーが点在するというものではなく、それぞれのアクティビティがしっかりとメインのストーリーラインに組み込まれ、交じり合っているものを目指しました。

−−『アサシン クリード』シリーズでは、街の中で何をしようかな、と考える感覚がとても楽しいものですが、『アサシン クリード シンジケート』は、その街への没入感がとても高いように思いました。

フランソワ ありがとうございます。今回、ロンドンをそんなふうにプレイヤーを引き込む魅力を持った環境に作れて、うれしいです。

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『アサシン クリード シンジケート』特設サイト “Inside Syndicate 1868”

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