- 『アサシン クリード シンジケート』特設サイト “Inside Syndicate 1868”>
- 読み物>
- ロンドン最重要スポット(?) “パブ”を知る者はロンドンを知る!
ロンドン最重要スポット(?) “パブ”を知る者はロンドンを知る!
公開日時:2015-11-02 19:00:00
大衆の聖地“パブ”†
![]() |
繁華街を歩くと“パブ”と名のつく飲食店が目に付くもの。稀に、いかがわしそうな店にもその名がついていることもありますが……? 19世紀のロンドンの街角には、パブが山ほど存在していました。
このパブの正式名称は、“パブリック・ハウス”。公共の家、つまり不特定多数の人が自由に出入りして、酒が飲める社交場という意味。日本で言うところの、大衆向けの居酒屋です。
ですが、18~19世紀のロンドンのパブというのは、宿泊所や雑貨屋などの機能を持ち合わせた、万屋的な、なんでもありの場として機能していました。
(現在のイギリス都市部にあるパブは、飲食の場としてのみのものがほとんどですが、地方へ赴けば、当時から続く宿泊も可能な“パブ”も残っているようです)
パブの席にまで貧富の差が!?†
ところで。19世紀のロンドンでは、貧富の格差がとても激しいものでした。『シンジケート』でも、それは各エリアの描写で、強烈なコントラストとして描かれています。
じつは庶民の憩いの場であるパブの構造にも、この貧富の差は及んでいたのです。ざっくりいうと、“貧乏人”席と“それ以外”席に分かれていた。
18~19世紀のパブでは、1階は主に労働者階級のための飲食の場“タップ・ルーム”と呼ばれていました。名称は、飲み物の樽についている栓を“タップ”と呼ぶことからついたものだとか。
タップ・ルームは貧民や労働者階級向けのスペースであり、立ち飲み席が多かった。壁に沿って固定された木製のベンチ、テーブル、持ち込んだ食材を調理するための暖炉が設置されていたり。
![]() |
ここは、大勢の肉体労働者が集まる場所であり、だれもが本音で話すことができる親睦の場でした。仕事上の情報交換なども行われたといいます。
仕事と言えば……パブのタップ・ルームでは、賃金の支払いが行われる場所でもありました。なので、ウッカリその日にもらった1週間分の稼ぎを、1晩で酒に使ってしまう者も少なくなかったとか!
そしてタップ・ルームに比べて、清潔で照明も明るいもうひとつのエリアが、“パブリック・ルーム”。家具や調度類が置かれたりと、内装も凝っていました。このパブリック・ルームは、中流階級の商人や事務員、役者や記者などが集まるスペースでした。パイプやエールビールを楽しみながら、ここで、日々の出来事や国の政治について議論したのです。
なんと当時は、このふたつの領域を行き来することはできなかったといいます。パブリック=公共とはいうものの、こうした階級の区別が厳しくつけられていたのです。
“パブ”はシンジケートのゆりかごだった?†
本作『アサシン クリード シンジケート』では、プレイヤーは、シリーズで初めてギャングの“組織”を率いるボスとなる新しい遊びが楽しめる。実際に当時のロンドンでは、ギャング団はこのパブから誕生していたことが多かったのです。
パブの2階には、会合や集会に使われる“クラブ・ルーム”と呼ばれるスペースがありました。ここは、パブに集った労働者たちにより、労働組合専用の集会所として使われるようになっていったのです。19世紀には、社会主義思想を提唱した“カール・マルクス”の影響などで、社会革命運動が盛んになると、社会に不満を抱く労働者が集うパブは、暴動の集合場所にもなっていきました。
![]() |
こうした背景から、各地のパブを拠点にギャングが生まれることとなります。悪化する治安とともにパブは、政治的な不満や、仕事先の上司たちへの不満を持つ労働者たちのたまり場と見なされ、犯罪の温床として警戒されることになります。
パブという場所は、さまざまな階級の市民が集う社交場でありながらも、犯罪や暴動・革命の不安をはらんでいた、19世紀のロンドンの縮図のような場所だったのです。
ところでロンドンの縮図、といえば……誰よりも19世紀のロンドンを知るもの、とされた作家“チャールズ・ディケンズ”ですが、パブに立ち寄って一杯やるのがなにより好きだったそうです。本作でも、ディケンズのミッションを受注する場所は、ほとんどパブ! 大作家のように、ロンドン市民を知るためには、まずパブに行ってみるのがいちばんなのかもしれません。
(お酒は20歳になってから!)
![]() |
ちなみに、ゲーム中ではロンドン中のパブを巡って、多種多様なビールを試飲する、という遊びも楽しめるのです。これはもう、ビール好きにはたまらない!?
さてさて、ときに明日は我らが休日、文化の日ですね! 本日もそろそろ仕事を切り上げて、飲みに行こう! なんて方も多いのでは?
そんな明日は、秋葉原はベルサール秋葉原にて、10時~18時まで、
“UBIDAY 2015”が開催です!
※UBIDAY 2015
『アサシン クリード シンジケート』をはじめとする、ユービーアイソフトの新作がプレイできるイベント。しかも入場無料です。限定グッズやスペシャルなフードもありますので、本日飲み明かしたら、そのままのテンションで、こちらの楽しいお祭りも、要チェックです!
それではまた次回、" Join The Family ! "
- 『アサシン クリード シンジケート』特設サイト “Inside Syndicate 1868”>
- 読み物>
- ロンドン最重要スポット(?) “パブ”を知る者はロンドンを知る!
この記事の個別URL
『アサシン クリード シンジケート』特設サイト “Inside Syndicate 1868”
- 読み物
- ヴィクトリア朝の人物たち
- ロンドン取材
- システム
- スペシャル・コンテンツ
- ユービーアイソフト ケベックスタジオ開発スタッフへのインタビュー・ポータル
- シンジケートからのXmasプレゼント ヴィクトリア朝を愛する漫画家・森薫の、描き下ろし解説!
- 『アサシン クリード シンジケート』特設サイト更新! 偉人を描く理由とは? 続“ヒストリアン”インタビュー
- シリーズの歴史表現の要、特別スタッフ“ヒストリアン”が、その作業工程を明かす!
- ワールド・ディレクター、デュモン氏が語る “19世紀のロンドンを構築する”ということ
- アサ新聞マンガ 【帽子の要請】
- ロンドン・カンファレンスwebプレビュー Vol.4 オーディオディレクターが語る、本作の音の意味
- ロンドン・カンファレンスwebプレビュー Vol.3 続・ヴィクトリア朝専門家が明かした歴史考証方法
- 【発売記念】ファミ通チャンネルで 朝まで『アサシン クリード シンジケート』をプレイ! 朝までアサシン!
- 発売記念 ロンドン・カンファレンスwebプレビュー Vol.2 ヴィクトリア朝専門家が世界観を解説!
- 発売前夜特別企画 プレミアム・ロンドン・カンファレンスwebプレビュー Vol.1
- 開発の“ボス”シニアプロデューサー、ぺラン氏が語る“『シンジケート』で目指す遊び”の根幹
- 倫敦の車窓から 今日はランべス地区の景色をお届けします
- 倫敦の車窓から 今日はホワイトチャペル地区の景色をお届けします
- 舞台となるロンドン各地区を体感するスペシャルムービー “ロンドン・ツアー・ガイド”編
※本ソフトはCEROにより“18歳以上のみ対象”の指定を受けておりますが、掲載にあたっては、週刊ファミ通の掲載基準に従い考慮しております。