トルコ取材
『アサシン クリード リベレーション』メディアツアー映像 前編
『アサシン クリード リベレーション』メディアツアー映像 後編
※インタビューの全文は、“開発者インタビュー”のコーナーに掲載しています。
第1回
第2回
第3回
トルコ・イスタンブールに到着!
 成田空港からおよそ18時間(!)、ファミ通.comの取材班は、トルコのアタテュルク国際空港に到着した(日本からトルコまでは直行便があって、それに乗れば約13時間ほどで到着するのだが、ちょっと割高になる)。アタテュルク国際空港は、トルコ共和国最大規模の空港。宿泊先のホテルがあるイスタンブール市街地までは、20キロメートルほど離れた位置にあり、現地のタクシーに30分乗って向かうことに。そして、ホテル“レガシー オットマン”に着くと、ロビーにエツィオのポップを発見! そのほかにも、『ACR』のロゴなどが至るところに貼られていたりする。じつはこのホテル、ユービーアイソフトが世界中のプレスのために用意してくれたものだ。トルコの5ツ星ホテルであるレガシーオットマンで『ACR』の豪華なタイアップをするとは、何という太っ腹な企画! ホテルの大層なラグジュアリー感に圧倒されつつも、その日は長旅の疲れもあってすぐに就寝。
▲ホテル“レガシー オットマン”のロビー。吹き抜けがドーン!
『ACR』仕様のバスに乗って市内を巡る
 朝、窓を開けると、外には真っ青な空が広がっていた。まさに日本晴れならぬトルコ晴れ。この日は『ACR』の開発スタッフとともにイスタンブールの名跡を巡ることになるので天候が心配だったが、これならバッチリだ。ホテルのロビーに向かうと、各国メディアのスタッフでごった返していた。ここでは、英語にフランス語にスペイン語など、いろいろな言語が飛び交っていて、世界のいろいろな国からメディアが集まっている模様。……『ACR』の注目度の高さが窺える光景だ。これからメディアごとにいくつかのグループに分かれて、バスに乗ってイスタンブール市内を移動するのだ。
▲『ACR』仕様の送迎バス。いろいろなところに『ACR』のロゴが貼られている。
 バスの中から眺めるトルコ市街は、じつに賑やか。大通りには朝の通勤ラッシュで人が溢れており、そのうえタクシーや一般車、市内バスに路面電車(トリム)も走っているのだから、けっこうカオスな感じだ。通行人は信号をあまり気にせず、自分のタイミングで交差点を渡っているし、タクシーはスペースがあればグイグイ寄せてくる。そういえばガイドブックに書いてあったが、イスタンブールは人口が急激に増えている最中で、それにともない乗用車の台数も増加傾向にあり、慢性的な渋滞に悩まされているらしい。……実際に目の当たりにしてみると、かなりインパクト大! なかには渋滞でクルマのスピードが出ないことを利用して、道路の車線の上に立って水を売っている商魂たくましい人もいたりする。こうして活気溢れるイスタンブール市内を眺めつつバスで走ること15分、プレスツアーで巡る最初のスポット“トプカプ宮殿”に到着した。
▲駅前はカオス。クルマがひっきりなしに通るので、素人には交差点を渡るのもムズい。
最初のランドマーク“トプカプ宮殿”
 トプカプ宮殿は1467年にメフメット2世の時代に作られたモニュメント。オスマン帝国を治める王は“スルタン”と呼ばれるが、このトプカプ宮殿にはスルタンとその家族、そして宮殿内に作られた“ハーレム”には世界各地から集められた女性500人が暮らしていた。『ACR』でも、スルタンの“バヤズィト2世”の息子であるアフメト皇子、セリム皇子の息子のスレイマン皇子がトプカプ宮殿にいるシーンが描かれている。今回、ファミ通.com取材班をアテンドしてくれたのは、『ACR』のアートディレクターであるラファエル・ラコステ氏(※開発者インタビューを参照)。彼の言葉によると、実際のトプカプ宮殿にはたくさん木が植えてあったり、石造りのオブジェがあるが、ゲーム上の見栄えを優先してカットしているという。また、通常のゲームでランドマークを再現するときは、まず本物の写真を撮影し、そこにテクスチャーを載せていくという作業になるが、『ACR』の場合は、人間が自然の素材で作ったように見せるため、わざわざワイヤーフレームの線をギザギザにさせてまっすぐな線を排除しているとのこと。それによって“オーガニック(有機的)”なビジュアルが作れるのだそうだ。ラファエル氏はiPadを持参しており、ゲームの写真を見せてくれたが、トプカプ宮殿の映像はリアルそのもの。本物さながらに再現されたトプカプ宮殿の建物を、エツィオとなって思いのままに駆け巡ることができるのだ。これはスゴイ!
▲かなりイケメンなアートディレクター。iPadでゲーム画面を見せながら案内してくれた。
▲トプカプ宮殿の中門。現在はここが入場口となっている。凝った意匠に注目。
▲トプカプ宮殿の広さは皇居の約2倍。第4庭から見るイスタンブールの街並は格別だ。
イスタンブールの聖なる叡智“アヤソフィア大聖堂”
 つぎに訪れたのは、トプカプ宮殿から歩いて10分ほどの距離にあるアヤソフィア大聖堂。360年、ビサンツ帝国のコンスタンティウス2世によってアヤソフィアのもととなる聖堂が建てられたが、その後火災で崩壊、537年にユスティアヌス帝が再建し、“ビサンツ美術”の最高傑作とされる大聖堂が建設された。このアヤソフィア、大聖堂というからにはキリスト教の教会である。だが、1453年にイスラム教圏のオスマン帝国がコンスタンティノープルを占領した際、当時のスルタンはアヤソフィアの美しさに魅了され、取り壊さずにイスラム教のモスクへの改宗を命じられたというのだからおもしろい。ラファエル氏もこの場所がいちばんのお気に入りらしく、初めてアヤソフィアの中に入ったとき、あまりの美しさに感激して思わず涙してしまったそうだ。氏の言葉通り、アヤソフィア内部は圧巻のひと言。内部には高さ50メートルを超える巨大なドームが広がっており、壮大なスケールと歴史の重みを感じさせる。ゲームでは、アヤソフィア大聖堂の中に入れるかどうかはいまのところ不明だが、ある条件を満たせば入れるようになる、という噂もある……。真偽のほどは、実際にゲームをプレイして確かめたいところだ。なお、ラファエル氏によると、アヤソフィア大聖堂はゲーム内でもっとも重要なモニュメントにしたかったので、アヤソフィアが建っている地面を現実よりも高くして、コンスタンティノープルのどこからでも目に入るようにしたとのことだ。
▲ビザンツ芸術の最高傑作とも言われているアヤソフィア大聖堂。……確かにスゴい!
▲内部には巨大なドームが広がる。壁一面にはモザイク画が描かれている。
広大な敷地にお店がズラリ
 最後はグランド・バザールへ。ここはいわゆる屋根付きの商店街で、もっとも古い店舗は15世紀に建てられ、そこから徐々に拡大していって、現在は広大な敷地内に4000件以上の店が軒を連ねているのだ。店舗はおもにおみやげが中心でトルコ石を始めとする装飾品や各種スパイス、さらにはちょっとあやしい感じのブランド品も売っていたりする。グランド・バザールの内部は碁盤の目状の通路に沿って店がひしめき合っていて、たいへんな賑わいだ。『ACR』でも人でごった返しているのかラファエル氏に聞いてみると、「ゲームではお店の数を減らしています。そのほうが動きやすいですから」との返答に納得。氏は続けて「このグランド・バザールは15世紀の絵と素材をもとにしながら、ゲーム中に表現しました。当時は美しいステンドグラスがあちこちにありましたが、現在は数カ所しか残っていません」と説明。このグランド・バザールは、ヨーロッパの建築方式とアジアのエキゾチックな雰囲気が入り交じっており、まさにイスタンブールを象徴するような場所に感じられた。早くゲームでも探索してみたい!
▲グランド・バザールは、みやげもの屋で大賑わい! トルコ中のあらゆる産物が集まる。
 グランド・バザールを見た後は、イスタンブールのイベント施設“the hall”で、『ACR』開発者への質疑応答を実施。インタビューの内容は当サイトの“開発者インタビュー”のコーナーに掲載しているので、興味がある方はチェックしてほしい。
 さて、『ACR』開発者とともにイスタンブールを巡るプレスツアーもこれにて終了。この日訪れたランドマークは3カ所のみだったが、いずれもイスタンブールでもっとも重要なランドマークと言われている場所だけあって見応えたっぷり。イスタンブールの街の雰囲気と歴史を十二分に感じることができた。次回は、そのほかのランドマークを紹介する予定だ。お楽しみに!
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※画面は開発中のものです。
※本ソフトはCEROにより"18歳以上のみ対象"の指定を受けておりますが、掲載にあたっては、ファミ通.comの掲載基準に従い考慮しております。