個性派ゲームデザイナーが手掛ける完全新作の アクション・アドベンチャー。その魅力に迫る!
須田剛一氏が生み出すグロテスクでありながらスタイリッシュな世界観に三上真司氏が得意とするガンシューティング要素が融合。そこに山岡晃氏の楽曲が加わり、唯一無二の世界を作り上げている『シャドウ オブ ザ ダムド』。プレイヤーは、デーモンハンターのガルシアとなって、地獄に連れ去られた最愛の恋人を救うために戦うのだ。光と闇をテーマとした新機軸のバトルシステムに注目せよ!
今回は、『シャドウ オブ ザ ダムド』(以下、『ダムド』)の魅力をプレイ動画でお伝えしよう。さらに、本作の開発を手掛けた須田剛一氏と三上真司氏のコメントも掲載。ここでしか読めない開発秘話や裏設定の数々が明かされるので、お見逃しなく!
個性派クリエイター集団、グラスホッパー・マニファクチュアを率いるゲームデザイナー。エッジの利いたセンスを持ち味とし、国内のみならず海外にも多くのファンを持つ。
カプコンで『バイオハザード』を始めとする数々のヒット作品を制作。『シャドウ オブ ザ ダムド』では、クリエイティブプロデューサーとして、おもにアクション部分のチューニングを担当している。
本作のオープニングは、主人公のガルシアが倒した悪魔と会話している場面からスタート。悪魔が残した不穏な言葉に不安を感じたガルシアが自宅に戻ると、最愛の恋人ポーラに悪魔が襲いかかるのだった。そして悪魔王フレミングはガルシアを地獄へと導く……。
日本語版『ダムド』のキャラクターボイスは、ガルシア役の浅野忠信やジョンソン役の我修院達也、ポーラ役の栗山千明など、ドラマや映画などでおなじみの豪華俳優陣が担当。とくに浅野と我修院の息がピッタリの掛け合いは、注目ポイントのひとつだ。
須田 ガルシア役の浅野忠信さんとジョンソン役の我修院達也さんの掛け合いには、ぜひ注目してほしいです。おふたりは石井克人監督の映画『鮫肌男と桃尻女』のころから共演されているので、息もぴったりでした。ですので、こちらから演技付けをしないほうがいいだろうと思い、好きなように演じてもらいました。とくに我修院さんの声をコントロールしてしまうのは、もったいないですから(笑)。
三上 僕は開発期間中、海外版をベースにアクション部分の調整を行っていたので、最初に日本語版をプレイしたときは驚きました。海外版のシリアスな雰囲気とぜんぜん違うので。日本語版の雰囲気はポップな感じなので、長時間プレイしていてもテンションを維持できる気がします。ちょっとお茶目な要素が入っているほうが、プレイヤーにとってはいいのかもしれませんね。
須田 それと日本語音声だとセリフが頭にスッと入ってきますよね。今回、改めて吹き替えのよさを痛感しました。
三上 日本人は英語コンプレックスが多いので、吹き替えよりもオリジナルの英語音声が重宝されがちですけど。でも、アクションゲームをプレイしているときに字幕の文字を読むのってけっこうな負担ですよね。そのストレスが減るだけでも大分遊びやすくなりますから。
ガルシアの敵である悪魔は、暗闇の中に入ると闇をまとい“ダークネス悪魔”となる。ダークネス悪魔には、ガルシアの通常攻撃が通用しないため、特殊攻撃のライトショットで相手の暗闇を打ち消してから戦うことになる。奥深い駆け引きのバトルを存分に堪能しよう。
須田 光と闇をモチーフとしたバトルシステムは、現れた敵をただ倒すだけではなく、ふつうの方法では倒せない敵を用意することで、ひとつ上の駆け引きを生み出したかったんです。倒せない相手に対してどんな攻撃が有効なのか、プレイヤーがそれを探すという、パズルゲームのようなロジックを組み込みました。
三上 光と闇の要素を入れることで、単調になりがちなバトルにちょっとしたメリハリがつきますからね。ただ、倒せない敵をあまり多く出し過ぎてもゲームの爽快感が損なわれてしまう。そのあたりのさじ加減が非常に難しかったですね。
須田 そうですね。開発の初期段階はステージのいたるところに暗闇があって、「もういいからふつうに戦わせてくれよ!」という状態でした。うちのレベルデザイナーは光と闇の要素を組み込むのが、かなり好きだったみたいです。
三上 メリハリを付けるために入れたのに、逆にゲームのテンポを損なってしまうという。すぐに暗くなってしまいましたから。
『ダムド』特設ページ第2回で、ボスキャラクターのひとりであるジャスティーンを紹介したが、彼女の毒によりガルシアは不思議な世界へと迷い込んでしまう。2Dで構築された横スクロール型のシューティングゲームに挑戦し、ジャスティーンの毒から抜け出すのだ。
須田 これが初公開のシューティングステージです。ボスキャラクターのひとりジャスティーンの毒を浴びたガルシアは、すべてが2Dでできた世界に迷い込んでしまうのです。ここでは、横スクロール型のシューティングゲームを遊ぶことになります。
三上 最初はミニゲームとして用意していましたが、かなりデキがいいので、どうせなら作り込んで本編に盛り込んでしまおうと。
須田 このシューティングステージは、とてもいい感じの仕上がりになっています。突然ビジュアルとゲーム性が変わるので、プレイヤーは面食らうかと思いますが、これがゲームのいいアクセントになっているかと。
三上 ミニゲームがベースと言っても、かなりシステムもちゃんとしてますよね。闇をまとったダークネス悪魔は、ライトショットで闇を剥がしてからでないと倒せないなど、本編の特徴である光と闇のシステムもちゃんと実装されていますから。
須田 はい。細かい部分にもおもしろい仕掛けが詰まっています。敵からダメージを受けると、少しずつガルシアの服がボロボロになっていって、最終的には骨だけの姿になってしまう。これは昔のアクションゲームでよくあった演出です。
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SUDA 51&SHINJI MIKAMI'S COMMENT
須田 オープニングでは、ガルシアが自宅のマンションに着くと、寝室からポーラの悲鳴だけが聞こえてくるんです。ドアを開けると首を吊っているポーラのショッキングな姿が飛び込んできます。
三上 典型的なホラーの仕掛けですよね。
須田 ええ。このシーンは開発初期のシナリオの名残りですね。
三上 主人公が首を吊っているシーンから始まるヤツですね。それにしても本作のオープニングは須田さんの作品にしては、ものすごくわかりやすい導入になっていますよね? これまでの作品はもっと“行間を読ませる作り”だったと思います。
須田 はい。導入部分はなるべくわかりやすくなるように注力しました。『ダムド』の販売元はエレクトロニック・アーツで、ワールドワイドでリリースされることが決まっていましたので。欧米のプレイヤーにとってもっとも大事なのは導入部分で、そこを間違えるとゲームの世界になかなか入り込めないということで、気を付けましたね。