SUDA 51&SHINJI MIKAMI'S COMMENT

須田 ガルシア役の浅野忠信さんとジョンソン役の我修院達也さんの掛け合いには、ぜひ注目してほしいです。おふたりは石井克人監督の映画『鮫肌男と桃尻女』のころから共演されているので、息もぴったりでした。ですので、こちらから演技付けをしないほうがいいだろうと思い、好きなように演じてもらいました。とくに我修院さんの声をコントロールしてしまうのは、もったいないですから(笑)。

三上 僕は開発期間中、海外版をベースにアクション部分の調整を行っていたので、最初に日本語版をプレイしたときは驚きました。海外版のシリアスな雰囲気とぜんぜん違うので。日本語版の雰囲気はポップな感じなので、長時間プレイしていてもテンションを維持できる気がします。ちょっとお茶目な要素が入っているほうが、プレイヤーにとってはいいのかもしれませんね。

須田 それと日本語音声だとセリフが頭にスッと入ってきますよね。今回、改めて吹き替えのよさを痛感しました。

三上 日本人は英語コンプレックスが多いので、吹き替えよりもオリジナルの英語音声が重宝されがちですけど。でも、アクションゲームをプレイしているときに字幕の文字を読むのってけっこうな負担ですよね。そのストレスが減るだけでも大分遊びやすくなりますから。とくに『ダムド』ではガルシアとジョンソンがひっきりなしにしゃべっているので、字幕を全部読むのがたいへんでしょうし。

須田 僕もこれから作るゲームは、なるべく英語音声だけではなく日本語音声も収録していきたいな、と思うようになりました。『ダムド』は英語と日本語の2バージョンが収録されているので、ユーザーさんには好きなほうを楽しんでほしいです。

三上 そうそう。英語版のほうもけっこう味があっていいですよね。

須田 ええ。じつはガルシアはメキシカンの血が入っているという設定なので、メキシコなまりの英語を話すんです。一方のジョンソンはと言うとイギリスなまりだったりします。このメキシカンとイングリッシュマンの掛け合いがすごくおもしろいんです。あるとき、メキシコ人の方から「須田さんありがとう! メキシコ系を主人公にしてくれて」と言われたこともあります(笑)。

三上 メキシカンヒーローって珍しいですよね。あと、珍しいと言えば、掛け合いがこれだけたくさん入ってくるのも特徴的ですね。

須田 ええ。ゲーム中ずっとしゃべってますからね。

三上 僕の予想を超えていましたから。ゲームをプレイしていて「ずっとしゃべっとるやん!」とツッコミを入れたくなりました(笑)。

須田 遊んでいるうちに、ジョンソンといっしょに旅をしているような感じになりますよね。口うるさい相棒といっしょにいる感覚。

三上 ガルシアは意外と大人だなあって思いますよ。ジョンソンは戦っている最中もしゃべっているから、よく全部聞けるなと!

須田 ふつうは「いいから黙ってろ」と思いますからね(笑)。

三上 やっぱりゲーム中にジョンソンを黙らせるためのボタンを用意すればよかったんじゃないかな(笑)。