個性派ゲームデザイナーが手掛ける完全新作の アクション・アドベンチャー。その魅力に迫る!
須田剛一氏が生み出すグロテスクでありながらスタイリッシュな世界観に三上真司氏が得意とするガンシューティング要素が融合。そこに山岡晃氏の楽曲が加わり、唯一無二の世界を作り上げている『シャドウ オブ ザ ダムド』。プレイヤーは、デーモンハンターのガルシアとなって、地獄に連れ去られた最愛の恋人を救うために戦うのだ。光と闇をテーマとした新機軸のバトルシステムに注目せよ!
主人公のガルシアの前に立ちはだかる4人のボスキャラクター、ジョルジュ、ジャスティーン、エリオット、フレミングのデザインを担当したのは、マンガ家の林田球氏。そこで、今回は林田氏にインタビューを行い、本作の仕事を受けたきっかけや各キャラクターの造形のポイントなどについて伺った。氏のテイストが凝縮された貴重なラフ画も掲載するので、ファンならずとも要チェックだ。
――今回、林田さんが『シャドウ オブ ザ ダムド』(以下、『ダムド』)のプロジェクトに関わることになった経緯について教えてください。
林田球氏(以下、林田) 須田さんがもともと私の『ドロヘドロ』を読んでくださっていたらしく、それで3年ほど前に『ダムド』のお仕事のオファーをいただきました。私も以前からゲームの仕事に興味があったので、ふたつ返事で引き受けまして。それで、ジョルジュ、ジャスティーン、エリオット、フレミングという4人の敵キャラのデザインを担当させてもらったんです。私はどの作品を見ていてもつい敵キャラに目が行ってしまい、だんだんいとおしくなってくるクチなので、今回のお仕事をいただいたときはうれしかったですね。
――デザインにあたって、須田さんからはどんな要望がありましたか?
林田 須田さんの中で大きなイメージがあり、イメージの写真などをいただきました。それを伺った後は私の好きなように描かせてもらいました。ひとまず、ゲーム的な見せかただったりギミックだったりは置いておいて、私の趣味を全開に突っ走った感じですね。モデリングを担当した方は、さぞたいへんだったろうと思います(笑)。自分としてはツッコミ待ちで、後から修正するつもりだったのですが、それがスムーズに通っていったので、「これでいいのかな?」ってビクビクしていました(笑)。
――「好きにやっていい」という感じで、ある意味やりやすかったと。
林田 そうですね。デザインしているときはすごく楽しかったです。私が出したアイデアのほとんどが採用してもらえましたし。ただ、最終的にゲームとしてふさわしい形に落とし込む必要がありますから、細かい部分の修正はありましたけどね。たとえば、ジャスティーンの足は棒状で、さらに鎖でつながっているという、ほとんど歩けない状態でしたけど、それだとゲームの中では敵キャラとして動きが取りづらいということで、ふつうの足になったりしています。
――逆に今回の仕事で、苦労した点はありますか?
林田 アイデアはポンと出ましたが、それをイラストに起こすのに時間がかかって……。マンガではシナリオのアイデアを捻り出すのがたいへんで、ペン入れは比較的さっと終わりますが、そのあたりは逆でした。それを形にするのがたいへんでしたね。
――アイデア出しはどのように行ったのでしょう?
林田 『ダムド』は企画の初期段階からワールドワイドで展開していく、と聞いていたので、デザインする前にあらかじめ海外産のゲームに詳しい方に、当時のトレンドなどをレクチャーしてもらったんです。
――それまで海外産ゲームは遊んでいましたか?
林田 いえ、ぜんぜん。私はもともと海外の映画とかアメコミとかも好きで、「いつか海外産のゲームも手を出さなきゃなあ」と思っていたところでした。じゃあ、これを機会にちゃんとやろうって。いろいろなソフトをプレイしましたけど、なかでもお気に入りは『デッドスペース』ですね。好きなシーンを何百枚という感じで全部ケータイで撮影し、保存していたりしますから。いつでも観られるように(笑)。
――なるほど(笑)。それでは、最後に『ダムド』の発売を楽しみにしているゲームファンの皆さんにひと言お願いします。
林田 このゲームに携わることができてよかったです。念願のゲームの敵キャラをデザインできるということで、『ダムド』では、最初からフルパワーでやりました。いや、いつも真剣ですけど、今回はそれ以上に(笑)。ものすごく気持ちを込めてイラストを描き上げて、すべて出し切った感で提出した記憶があるので、それがちゃんとゲーム化されて、いろいろな方に観てもらえるのは本当にうれしいですね。3Dでモデリングされた4体のキャラを改めて見ると、じつに自分のキャラっぽくなっているなと思いますね。『ダムド』はスタイリッシュな雰囲気のゲームなので、最初は私の世界観と合うか不安な部分もありましたが、ゲームで動いているところを見たらかなりいい感じでした。この作品はもちろん、私の絵だけではなく、いろいろな魅力が詰まったゲームです。ぜひ多くの人に遊んでほしいですね。私も早く遊びたいです!
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