かつて週刊少年ジャンプで連載され、アニメ化もされた伝説の作品『聖闘士星矢』。ギリシャ神話をモチーフにした同作が、プレイステーション3で対戦アクションゲームとして登場する。2011年にリリースされた『聖闘士星矢戦記』で構築されたバトルシステムにより磨きをかけ、誰にでも遊びやすく、かつ奥深いバトルが可能になった本作。聖闘士(セイント)の1対1の光速バトルを忠実に再現した本作では、過去最大数の聖闘士が登場し、アツいバトルをくり広げるのだ。今回の特集ではバトルシステムや登場キャラクターを徹底解説。さらに、実際にゲームを触ったプレイヤーのインプレッションを順次掲載していく。
 “黄金十二宮編”、“ポセイドン編”、“ハーデス編”と『聖闘士星矢』で描かれた壮絶なバトル。そのバトルを彩った聖闘士たちが、本作では過去最大数登場するぞ。そんな聖闘士たちの中から、ファミ通.com編集部のスタッフ&ライター陣、そしてスペシャルゲストとして『聖闘士星矢 ブレイブ・ソルジャーズ』のプロデューサーであるカプリコーン三戸とジュネ月田がオススメするキャラクターを紹介。ただし、こちらで紹介するキャラクターたちは、それぞれの独断で選んだものとなっているので、使用の際は注意してほしい。初心者向けとかそういうことは度外視した、個人的な想いが詰まったオススメポイントに注目だ。
 なんと言っても神聖衣(ゴッドクロス)である。この響き。この何者をも寄せ付けない、この名前。中二病乙と言われても、これだけは引けない。青銅(ブロンズ)、黄金(ゴールド)を越える、神(ゴッド)。最高。もう最高すぎる。その気高い聖衣(クロス)も素晴らしい。だって、羽が生えてるんだもの。射手座(サジタリウス)の聖衣でも羽は生えてたけど、気高さが段違い。ああ、もうこの姿が見られるだけでも感動なのに、まさか自分の手で操作できるなんて……! 言うことなし。もう言うことなしです。あ、ちなみに実際に使ってみても非常に使いやすいキャラクターで、簡単なコンボから必殺技につなげられたりするので、初心者にもやさしい、遊びやすいキャラクターになっていますヨ。
 108人もいる冥闘士の頂点に立つビッグ3、冥界三巨頭のひとり“天雄星ガルーダのアイアコス”。ラダマンティスの制止がなければ、あの双子座カノンを一撃で仕留められたというほどの実力者! ゲーム内でのアイアコスは、装着する冥衣(サープリス)が紫色に怪しく輝いていて、とってもカッコいい! そして長く伸びた怪鳥ガルーダの爪での蹴りコンボは見ていてかなーり痛そう。あんなので絶対蹴られたくない! 投げ技のガルーダフラップでは、原作と同様、わざわざ落下予測地点に×印を付けて、そこに落とすというクールっぷり。このクールさ、痺れる! 強敵へのトドメはギャラクティカイリュージョンを炸裂だー!!
 まず、私はカミュが好きなんですね。その弟子であるアイザックと氷河。『聖闘士星矢』はこの3人なくして語れないと思います。命を顧みず氷河を助けたアイザック。やさしい、なんてやさしいの! もうこれだけで大好きになっちゃいますよ。そして、死んだと思っていた彼が数年後には海将軍となり、氷河の前に立ちはだかるとか最高のドラマですよね。氷河に敗れ、また昔の友に戻れたと喜んだシーンでは、男の友情って素晴らしいなと感動しました。本来ならばアイザックのものになっていた、白鳥星座の聖衣をまとっている彼を見てみたいです。本作では瞬速のパンチをつぎつぎとくり出し、どこまでもクールに戦います。遠距離攻撃を得意とするアイザック、シビれる凍気を放ってくれますよ!
 やはり自分の星座に対応する黄金聖闘士は、どうしても思い入れが深くなるのではないだろうか? 筆者の場合は牡羊座だったので、必然的にジャミールの……否、アリエスのムウに対しては、カッコイイとかそういうものを超越した愛着を持っていた。ただし、このムウは黄金十二宮編では派手にバトルをするシーンがほとんどない。。そのため、当時はなぜか肩身が狭い思いをしたものだった。いま振り返ると、あの「強くてカッコいい黄金聖闘士の星座に生まれたヤツほどエライ」的な我がクラスの文化はなんだったのだろう? まあ、そんな思い出も含めて、筆者にとって『聖闘士星矢』の中でも特別なキャラクターはムウなのである。当時はもっと強そうな見た目のキャラクター(一輝やアルデバラン)が好きだった。ただし、ムウの持つ超能力という言葉に惹かれたのもまた事実。小学生だったし……。
 『聖闘士星矢』大ファンであり、格闘ゲーム好きの僕がオススメするキャラクターは、ハーデスの側近・タナトス。原作で星矢たちの前に立ちふさがり、黄金聖衣をいとも簡単に破壊したシーンでは、その傍若無人な強さに心底驚かされたものだ。本作のタナトスも、存在感はバツグン、性能面でもほかの聖闘士とは一線を画した、個性的な技を数多く所持している。個人的に注目している要素は、引き戻し時間の長い弱攻撃と、相手をのけぞらせる時間の長い必殺技。このふたつの攻撃は単体での性能もさることながら、組み合わせることで強力な連続攻撃のパーツにもなる。これらの攻撃に加えて、遠距離の相手を容易に攻撃できるジャンプ弱攻撃なども持ち合わせているため、近距離戦に持ち込もうとする相手を追い払いつつ、自分の持ち味を押しつけられるという、たいへんワガママなキャラクターに仕上がっていて、なんともタナトスらしいな……と納得させられてしまった。