本作は、自分だけの戦闘メカ・AC(アーマード・コア)を組み上げて戦いをくり広げるアクションゲーム。最新作である『アーマード・コア X』(以下、『ACX』)では、特徴の異なる2種類のミッションをプレイできるだけではなく、チームどうしによる領地争奪ミッションを始めとして、オンラインプレイがとても充実している。
↑プレイヤーたちが、チーム単位で領地を奪い合う領地ミッションは、オンラインプレイならではの楽しさが満載だ。
↑本作の製品版は、クローズドベータテストからさまざまな部分が改良された。ワールドマップ画面では、どこで戦いが発生しているのかが、視覚的にわかりやすくなっているのだ。また、そのほかの部分も遊びやすく進化しているぞ。
シティを牛耳る"代表"と敵対するレジスタンスに協力するACパイロットの傭兵となって、激戦に挑むもの。ミッション中に作戦目標が変化するため多彩な状況で戦うことになり、1ミッションのプレイ時間が数十分に及ぶ場合もある。ストーリーの演出やキャラクター性も強化されており、シリーズでも最大級のボリュームを誇る。
オーダーミッションは、プレイ時間が5分から10分程度で、従来シリーズのミッションに近い感覚で遊べるもの。こちらも過去作以上のボリュームで、全部で80以上ものミッションが収録されている。ストーリーミッションの後の物語が描かれ、一部同じキャラクターも登場している。ちなみに、本作では従来シリーズに登場した"アリーナ"に近い形の1機から2機の敵ACと戦うオーダーミッションも多数用意されている。登場するACとそのパイロットは、どいつもこいつも個性的かつ強敵で、相手にとって不足はないぞ!
 オンラインプレイ中、特殊な条件で出現するエクストラミッション。ここでは、今回新たに判明した、ふたつの巨大兵器を紹介しよう。
複数の脚部で移動する、圧倒的な高さを誇る巨大兵器。生半可な攻撃ではびくともしない頑強さを持ち、ACを蹴散らす威力の武装を複数装備している"動く要塞"。
多数の武器を搭載した超巨大戦艦。はるか上空に撃ち上げ、そこから急転直下で襲い掛かってくる追尾型の超巨大ミサイルが脅威。水上という戦場も、ACには不利な要素?
 ACの腕部に搭載する武器パーツであるアームユニットは、使い込むことで性能が徐々に変化していくぞ。この性能の変化は"威力型"、"威力特化型"、"速射型"、"速射特化型"、"命中型"、"命中特化型"の6種類の中から、パーツ購入時に変化傾向を選択できる。ちなみに、同じ名称の武器をいくつも所持し、それぞれを個別に異なるタイプに成長させていくこともできるのだ。
パーツショップで新規に腕部武器であるアームユニットを購入するときに、その性能変化のタイプを選択し、武器の名称を刻印として入力できる。そして、戦闘を重ね、アームユニットをショップに売却すると、その武器が本作の世界で流通されるのだ! つまり、売却した自分のオリジナル武器がショップパーツのラインアップに挙がり、ショップにはコピーが並ぶため、多くのプレイヤーが自分の作った武器を購入できるようになる。これによって、自分が使い込んだ武器をほかのプレイヤーに提供していくことを主眼にした、"武器製作職人"的な遊びかたもできるというわけだ。
↑売却された武器はまず"新着パーツ"のショップに並び、その後購入数が多いものが"人気パーツ"のショップに残っていく。自分の好みに合った武器が売られていないかチェックする楽しみもある。
↑性能変化の傾向を決め、武器の名称を刻印。自分だけの共通のブランド名を付ければ、ほかのプレイヤーへのアピールもバッチリ。
↑武器には性能変化の進行を示す"PERFORMANCE"というゲージがあり、伸びきるまでは変化を続ける。変化途中の武器も流通されるので、買った武器を成長させることも可能。
 いままで謎のベールに包まれていた超兵器が、ついに姿を現す!オーバード・ウェポンは、"あらゆる劣勢を覆す可能性を秘めたイレギュラー兵器"と謳われ、ACの機体本来の規格を無視して製造されたものだ。そのため尋常ではない破壊力を持っているが、その取り扱いは非常に特殊。1回の戦闘中に起動できるのは一度だけで、使用には制限時間がある。また、攻撃時には一定時間チャージする必要があるうえ、武器の起動時には機体にダメージが生じるといった制限を受けるぞ。ハイリスク、ハイリターンな武器なのだ。
膨大なエネルギーをチャージし、巨大な高速弾を射出する! タンク型以外の脚部の場合には、射撃時に構える必要があるぞ。
前方に突進し、高速回転する6つの巨大な刃が、対象を切り裂く! 起動時には左腕パーツを強制排除して装着する。
AC本体を上回るほどの全長を持つ大型のミサイルを搭載した、巨大なミサイルランチャー。絶大な破壊力を秘めているだけではなく、対象を追尾するのだ。
自機の全方位に攻撃可能な超大型拡散砲。砲塔を扇状に構え、一斉発射!! 周辺の対象をまとめて撃ち砕くのだ。
 特集の最後には、本作のプロデューサーである鍋島俊文氏へのインタビューを掲載するぞ。。約3年にわたる開発のエピソードや、ベータテストの感想、今回発表した新要素の詳細など、気になる情報をお届け!!
フロム・ソフトウェアで『アーマード・コア』シリーズの初期から開発に携わるキーマン。本作ではプロデューサーとして、開発を取りまとめている。

さらなる進化を目指した『アーマード・コア』

シリーズを一段上のタイトルに

――発売まで約1ヵ月と迫りましたが、現在の開発状況はいかがでしょうか?

鍋島俊文氏(以下、鍋島) ほぼ開発は終了しまして、現在はデバッグ作業を行っている段階ですね。デバッグ作業以外には、プレイヤーどうしで奪い合う領地の数など、オンライン要素に関わる部分の微調整をしています。

――開発の初期から現在に至るまで、紆余曲折あったのでは?

鍋島 約3年にわたって開発を行ってきましたが、何回か大きな節目がありました。最初は、ナンバリングが『5』から『X』に変化したときです。このときに、オンライン要素をもっと厚くしていこうという方針になりました。つぎは、ベータテストを行ったときですね。ベータテストは、家庭用ゲームではあまりなじみがないものですから、どれだけの方に参加していただけるのかと不安だった部分がありました。ですが、非常に多くの方に積極的に参加していただけて、感謝しています。ただ、同時にプレイしていただいたユーザーの方から、ここが使いづらいとか、わかりにくいという意見をたくさんいただきまして、その意見をどう反映させていこうかと会社全体で考えました。きびしい意見も多かったのですが、それだけ期待していただいているのだと思い、それならしっかりとしたゲームにしないとダメだということで、発売を延期して開発することにしたんです。私も経験があるのですが、オンラインゲームのベータテストに参加して意見を出したんだけど、ベータテスト版と製品版で、あまり内容が変わっていなかったということも多いんですよね。もちろん、永遠に作り続けるわけにはいかないので限度はありますが、寄せられた意見を見て、おもしろくなるものなら反映させたいと思って開発をしてきました。

――おもしろいゲームを作るための英断だったわけですね。たくさんのユーザーが参加されたベータテストですが、ユーザーの反応はどうでしたか?

鍋島 "ハードごとに視点が違う"と感じましたね。Xbox 360版のユーザーの方のほうが、アクションや戦術などのゲームに関わる部分への意見が多く、プレイステーション3版では、コミュニケーション部分や、プレイするうえでこういう要素があれば遊びやすいのでは、といったシステム面に関する意見が目立ちました。さまざまな視点からの意見をいただけたので、そういった意味でも、両ハードでベータテストを行ってよかったと思っています。

――今回のベータテストを受けて改良した点は、どのようなところでしょうか?

鍋島 当初から想定していたけれど、ベータテスト版の時点では入っていなかったものも含めてですが、コミュニケーション部分の強化と、遊び応えややり込み甲斐が出るような要素について、いろいろと機能を増やしています。とくに、本作の重要な要素である領地の争奪戦をもっと盛り上げられるような仕組みを入れようと思い、ワールドマップ画面の演出を強化しました。たとえば、プレイヤーが集まっている場所や人がいない場所などが視覚化されるようになっています。また、コミュニケーションの手段としてテキストチャットを追加しています。展開の速いアクションゲームなので、ボイスチャットを使ったコミュニケーションのほうが適しているだろうという前提があるのですが、一方でボイスチャットに慣れていない、または、環境的にできないという方もいると考えていたので、当初から入れる予定はありました。このチャット機能も、より遊びやすいように、当初想定していたよりも機能を増やしています。テキストチャットは戦闘中とメニュー画面とで異なる定型文がいくつか登録されていて、選択することでチャットを行う方式ですが、ソフトウェアキーボードで好きな言葉を入力できるフリー枠も設けてあります。最初から登録してある定型文を書き換えて、登録し直すことも可能です。さらに、チーム内のメンバーがそれぞれ何をしているのかがわかりづらかったので、たとえば、チームメンバーが出撃すると、「○○さんが部隊を作りました」というふうにオートメッセージが表示される機能も導入しています。よりスムーズにコミュニケーションが取れるようになっているのではないでしょうか。

――アクション部分に関するユーザーの意見はどうでしたか?

鍋島 操作のしかたやアクション要素については、やり込んでいくことでテクニカルなアクションを楽しめるという、これまでの『アーマード・コア』らしさを残しつつ、よりイージーに操作できるようにしたいというコンセプトがあり、かなり大きく変えています。本作は、こういったアクションゲームとしての基本的な部分も、従来のシリーズとは異なるものにしているので、ベータテストの段階で、この変化を受け入れてもらえないかもしれないと危惧していました。「こんなの『アーマード・コア』じゃない」と言われたらどうしようかと。幸い、そこに対しては肯定的に受け止めてもらえたのかなと感じています。本作で大きくゲームを変えた理由のひとつに、『アーマード・コア』をブランドとして、新しく、一段上のタイトルにしたいという目標があります。オンライン要素の強化といった大きな変化を行ったのは、そのためなんです。もちろん、変化を入れつつも、シリーズファンの方や、過去にこのシリーズをプレイしていた方にも楽しんでもらえるゲームにしなければいけないので、そのバランスがいちばん苦心したところですね。

男たちのロマンが詰まった新要素の数々

――今回紹介させていただいた新要素についてお伺いしたいと思います。

●オフィシャルパートナーシップ

鍋島 これまでもタイトルごとにオフィシャルのサイトはありましたが、オフィシャルパートナーシップは『アーマード・コア』シリーズユーザーすべての方が交流できるようにと、2010年にオープンしたコミュニティーサイトです。『ACX』はチームでゲームを進めていくので、こういう交流の場があれば、ゲームがより盛り上がるだろうと考えているんです。『ACX』が発売する前からチームを作っていただいて、お互いにコミュニケーションを取っていただけるようになれば理想的だと思っています。ソーシャルネットワークサイトのような機能があるので、ゲーム内に加え、このサイトを活用してユーザーの方どうしで交流を深めていただければうれしいです。

●オーバード・ウェポン

鍋島 つぎにオーバード・ウェポンですね。開発の初期は、これが売りの要素のひとつとしてあったのですが、そこから2年、ようやく発表できました。設定としては、オーバード・ウェポンは正規の規格に沿って作られていないパーツという位置付けになっています。それを、無理やり機体に装備させているんです。規格外のパーツなので、どんな機体も、オーバード・ウェポンの攻撃を食らえばほぼ確実に破壊されるほどの攻撃力を持っています。また、機体の制御を外部からハッキングしているので、エネルギーの出力が大幅に向上したりといった、ほかのパーツにはない特殊な機能が備わっています。ですが、そういったイレギュラーなユニットなので、コンピューターが正確に認識できず、画面が乱れたり、使用できる時間が限定されているなどの制限もあります。そうしたデメリットと引き換えに強力なアクションが使えるようになる、というのが、オーバード・ウェポンなんです。

――ロボット好きな男性に好まれそうな武器パーツですね。

鍋島 はい(笑)。オーバード・ウェポンもアセンブルで装備するのですが、厳密に言うと装備しているのではなく、単純に背中に背負っている状態なので、それを戦闘中に強引に接続するというアクションを行います。通常のパーツは整ったカッコよさなのですが、オーバード・ウェポンは、実験兵器のような、乱暴なカッコよさをコンセプトとしています。

●巨大兵器

鍋島 特殊なイベント扱いで出現する強敵です。領地戦とは関係なく、ワールドマップに突然出現して戦えるようになります。

――かなり手強そうですが。

鍋島 『ACX』には、初心者でも遊びやすいような仕組みをいくつも導入していますが、この巨大兵器については真逆で、コアなシリーズユーザーの方に向けた要素になります。倒せるものなら倒してみろという我々からの挑戦状です(笑)。開発のスタッフにも、「絶対に倒させるな」というくらいの大げさなオーダーをしていますよ。

――この巨大兵器は、ひとりでも倒せるのでしょうか?

鍋島 ゲームの仕様的にはもちろん可能ですが、かなり難しいのではないでしょうか。それだけに、いつか、すべての巨大兵器をひとりで倒してくれるユーザーの方が現れることを期待します。この巨大兵器は本当に不定期に出てくるので、現れたらユーザーの方が一致団結して攻略法を考えて、「ダメだった」、「じゃあ今度は俺たちが行く!」というふうに盛り上がっていただけるとうれしいですね。ストーリーミッションでも、これまでのシリーズ同様に同じような巨大兵器が登場するので、オフラインでプレイされる方も、ぜひ巨大兵器との対戦を楽しんでいただきたいです。

●武器の性能変化

真の魅力を体験して下さい

鍋島 これはいちばん最後に発表しようと思っていた要素です。腕に搭載する武器のほとんどが対象なのですが、使っていくうちにパラメーターに変化が起こります。使い込んでいくうちにこなれていって、本来の性能が発揮されるというイメージです。性能が変化した武器は通常の武器とは異なる扱いになり、売却すると、性能変化した武器を専門に取り扱うショップに流通し、他のプレイヤーがそれを買えるようになります。ですので、ラインアップはつねに更新されていって、古いものは消滅することになるのですが、購入された数が多いものは"人気パーツ"として、別途ラインアップに残るシステムになっています。いままでのシリーズでは、パーツのパラメーターは固定されていて、それを組み合わせて機体を構築してきましたが、これで無限とも言える組み合わせを楽しんでいただけるかと。それから、性能変化の対象になるパーツは、購入する際にパーツの正規の名前とは別に、刻印を付けることができます。ですので、自分のパーツが人気になると、それがわかるようになっています。人気になるようなパーツをつぎつぎと生み出して流通させるような、伝説の鍛冶屋みたいな人が出てきてくれるとうれしいですね。

――ロボット好きなユーザーの琴線に触れる新要素が満載ですね。最後に本作の発売を心待ちにしているファンに向けて、メッセージをお願いいたします。

鍋島 ベータテストで頂戴した意見を反映して完成した『ACX』の一部を、体験版として配信させていただくことが決定しました。ベータテストで体験できた内容は、本当にこのゲームの一部でしかありません。ぜひ、この体験版をプレイしていただいて、『ACX』の真の魅力を体験していただきたいです。たいへん長い期間お待たせしてしまいましたが、その開発期間に見合うだけのおもしろいゲームになっています。まずは体験版をプレイしてみてください。体験版を気に入っていただけたら、ぜひ製品版もプレイしていただけるとうれしいです。

フロム・ソフトウェアが提供する、『アーマード・コア』ユーザーのためのコミュニケーションサイトが、このオフィシャルパートナーシップ。会員登録をすれば、掲示板を使ってゲームの話題で盛り上がったり、ほかのプレイヤーを検索したりと、『アーマード・コア』をより楽しむための多彩なコンテンツが用意されている。
↑オフィシャルパートナーシップのデータを、『ACX』と連動させる機能も備わっている。
↑日本全国のプレイヤーの分布が視覚的に見える。自分の住んでいる地方の仲間を捜すのもアリだ。
↑こちらは、チームメンバーを管理する画面。PCサイトなので、コミュニケーションも取りやすい。
↑自分のプロフィールを設定して公開可能。プロフィールの近いメンバーを見つけることもできる。
インタビューの通り、2011年夏に実施されたクローズドベータテストからは、さまざまな要素が改良されている。ワールドマップに多くの機能が加わり、テキストチャット機能が採用されるなど、遊びやすいシステムになった。体験版は、これらのシステムが導入されたバージョンとなっているので、ベータテストをプレイした人も、ぜひ遊んでほしい。
→本作はボイスチャットに対応しているが、これに加え、製品版ではテキストチャットも使えるようになるぞ。
↑テキストチャットは、待機中や戦闘中にコマンドを入力すると行える。ボイスチャットができない人でも意思の疎通ができるようになった。
↑戦闘に出撃したり、アセンブルを行うなど、チームメンバーが行動を起こすと、画面にメッセージが表示される。
↑戦闘結果によって"チーム評価"が変化。チーム評価が低いチームは上級の領地には出撃できないなど、マッチングシステムが改良されているぞ。