『アーマード・コア V』鍋島プロデューサーの独占インタビューを公開!

ゲーム プレイステーション3 Xbox 360 インタビュー
プレイステーション3版のベータテストを終えた『アーマード・コア V』のプロデューサーである、鍋島氏へのインタビューを公開。開発のキーマンのいまの心境は?

 2012年1月にプレイステーション3とXbox 360で発売予定のアクションゲーム『アーマード・コア V』。プレイステーション3版では2011年7月8日から2011年7月21日、Xbox 360版では2011年7月29日から2011年8月11日の期間でクローズドベータテストが開催。ファミ通ドットコムでは、本作のプロデューサーである鍋島氏に、プレイステーション3版のベータテストを終えての感想をインタビューさせていただいた。ベータテストの手応えは如何に!?

●ベータテストは盛況!

鍋島俊文氏
株式会社フロム・ソフトウェア企画部部長。『アーマード・コア V』プロデューサーで、『アーマード・コア』シリーズの開発に第1作から関わっている。

――プレイステーション3版のベータテストを終えてのご感想は?
鍋島俊文氏(以下、鍋島) まだ、アンケートをまとめてはいないので、なんとも言えないのですが、ユーザーさんからの意見を吸い上げて、よりよいゲームにしていきたいと思っています。コンシューマーゲームのベータテストは日本だとそれほど多くないので、どれくらいの方に参加していただけるのかという不安はありましたが、参加者の人数も想定していたよりも多く、たくさんの意見を頂戴できまして、開発チーム一同、非常にうれしく思っています。この場をお借りして、お礼をさせていただきたいです。

――ユーザーからはどんな意見が?
鍋島 意見に関しては、これからリポートをまとめて拝見させていただく予定です。プレイステーション3版とXbox 360版のベータテストを踏まえてから、どういった調整をしていくかを考えたいと思っています。ベータテストに参加していただいた方は、よくも悪くもゲームにすごく積極的なユーザーさんだと思うんです。とくに対人戦に対して積極的な考えを持っている方が多いと思うのですが、そういった人たちの意見はすごく貴重なのですが、直でゲームに反映させてしまうと、初心者お断りのゲームになってしまう恐れもあります。本作を遊ぶきっかけになるような大きな要素のひとつが対人戦だと思うのですが、その部分をあまり重視しすぎてしまうと、そこで挫けて、もうゲームを遊んでくれなくなってしまう危険もあると思っています。簡単にいうと初めてのプレイでボコボコにされて、これはがんばってもムリだという風に感じてしまうということなんですが、そのあたりを緩和させる試みは必要かなと考えています。従来の『アーマード・コア』シリーズの場合、オンラインプレイは対戦のみだったので、購入者全体の10パーセントいるかいないかというのが実情でした。本作ではそれを変えていきたいんです。

――なるほど。ユーザーからの意見がこれからまとめるとのことですが、とくに声が多かった意見はありましたでしょうか?
鍋島 待機時間が長いなど、マッチングに関する意見がトップで、あとはパーツの性能や操作など、ゲームの細かい部分に対する意見が多かったです。また、レーダーがなかったり、単独で空高くまで飛べないなど、根本的なアクションのシステムをいままでのシリーズと変えているので、どんな反対意見がくるのか少し怖かったのですが、そこに対する意見がなかったので、ユーザーさんに本作のシステムを受け入れていただけたと感じ取れて安心しました。

――そのほかには、どのような意見がありましたか?
鍋島 テキストチャットを付けてほしいという意見もありました。開発側としては、できればボイスチャットを使ってほしいなという考えは正直あります。スピードの速い戦闘をしながらのテキストチャットというのは実際どれぐらい有用性があるのかなとも思いますし。ただ、ロビー画面で使ったりといった用途もありますし、欲しいという意見は以前からも聞いているので、何らかのかたちでは実装する予定です。

――日本人にはボイスチャットは慣れない文化ですから、そういった意見もあるのだと思います。
鍋島 そうですね。日本人の性質として、いきなり知らない人と話すのは難度が高いのかもしれません。ですが、ボイスチャットを使えば絶対ゲームがおもしろくなりますから、勇気を出して試してほしいです。本作の初回特典としてマイクも付きますから(笑)。

――ボイスチャットをしているチームとしていないチームでは、戦力に差がでてきそうですね。
鍋島 基本的には、オペレーター(本作のチーム戦は、最大5対5のプレイヤーが出撃するが、戦闘に出られるのは1チームにつき最大4名で、残りのひとりは音声で指示を出すオペレーターとして参加することになる)がいるチームのほうが、強いです。基本的に、というのはオペレーターがある程度有能だという前提です。適当な対応しかできないオペレーターであれば、いないほうがむしろ強いかもしれませんね、チームが混乱するので。いずれにしろ、重要なポジションであることには変わりないです。ブリーフィング画面の残り時間も、ボイスチャットを想定した時間配分になっています。ですが、オペレーターというシステムについて不安に思っているユーザーさんもいることも把握しています。4人しかいないチームがオペレーターを加えると、戦場に出られるのは3人になってしまいますよね。『アーマード・コア』のようなアクションゲームで、機体数が少ないチームが勝てるわけがない、と思われる人もいるかと思います。ですが、ベータテストをプレイしてくださった方にはおわかりいただけるかと思いますが、上手なオペレーターがいるチームは、本当に強いんです。ですから、4人しかいないチームでも、ひとりをオペレーターに割くのも立派な戦術だと思います。強い弱いも重要ですが、なによりオペレーターがいると戦闘が楽しくなるので、うまいオペレーターになることも目指してみてください。

●製品版ではパーツのトレンドに注目?

――そのほか、ベータテストで気が付いたことはありますか?
鍋島 戦術やパーツの流行り廃りが見られておもしろかったですね。特定の戦いかたや武器が強いという話しが広まったら、それを打ち破るアセンブル構成が徐々に流行りだして、つぎはそれに有利な構成が現れ始めて……といったように。これまでのシリーズでもそういう流れはあったんですが、オンラインゲームなうえ、チームで戦うゲームなので、いままでの『アーマード・コア』以上にそのあたりの循環が激しくなりそうな気がします。

――トレンドに敏感な人が強くなれるゲームになりそうですね。
鍋島 ベータテストでは、最初にタンク脚が流行りまして、つぎにタンク脚に有利なスナイパーライフルを使うプレイヤーが増えるなどの流行がありましたが、このあたりはおおよそ我々が予想した範囲でした。パーツの性能などはベータテストの時点では大きな方向性だけで、まだ調整する前のかなりざっくりな状態なのですが、大きな方向性としてはアリなのかなという感触は得ています。

――ゲームバランスについては調整を行うのでしょうか?
鍋島 当然行いますが、パーツなどのパラメータについては、ベータテストではそれほど重要視していません。いまは、ゲームの大元となるシステムについて、しっかりと見る時期だと認識しています。ベータテストで使っていたパーツが製品版ではまったく異なる性能のものになることもあると思いますので、現状の細かいパーツ性能などは、気にしないでいただきたいです。

――ベータテストを踏まえて、ここは改良しようとすでに考えている部分はありますか?
鍋島 まだXbox 360版のベータテストが終了していないので、決定している部分はありません。これからのユーザーさんの意見をしっかりと見て判断したいと思います。

――7月29日からは、Xbox 360版のベータテストが始まりますが、内容はプレイステーション3版と同じなのでしょうか?(※インタビューは2011年7月29日以前に行われました)
鍋島 現在までに発覚した大きな不具合については修正している状況です。内容としては、Xbox 360版は手に入るパーツが異なります。また、プレイステーション3版とは運営のしかたを変えようかなと思っています。プレイステーション3版のベータテストは、テストの必要上から大量の領地を配布したりしたので、想定しているゲーム内容とは実際にはかなり違ったかたちの運営になっていました。Xbox 360版では、より製品版に近い形での運営を行ってみようと考えています。製品版と同様に、全体の領地の数がかなり少なくなるので、全チームが領地を所有するようなかたちにはなりません。また、1シーズン中の最後のタイミングで、耐久値がゼロになった領地は取り上げるような仕様にする予定なのですが、Xbox 360版のベータテストでも同じことをしようと思っています。

――現在、製品版に向けて、改善しなくてはいけない問題・現象などはあるのでしょうか?
鍋島 問題点というか、迷っているシステムはあります。たとえば、“傭兵”のシステムですね。雇った傭兵とはボイスチャットができないという仕様にしています。これは、システム上の制約があってボイスチャットができないのではなく、しゃべられないほうが気楽でいいのかなと思って、あえてできないようにしているんです。まだ迷っている段階ですが我々としてはユーザーの方が遊びやすいほうがいい、という考えなので、もしアンケートなどで違う視点からの意見があれば製品版ではシステムを変更していきたいと思っています。

――傭兵を雇っているときは、定型文などを送信できるようにしてみては?
鍋島 作戦が終了したあとに、雇い主側が傭兵にショートメッセージを送れるようにはしています。受け取った傭兵側はそれを読んでも読まなくてもいい。絶対やり取りをしなくてはいけないようにすると、それはそれでわずらわしいものになってしまいます。傭兵は、気楽にチームプレイを楽しみたいという人に向けたものでもあるので、この傭兵のコミュニケーションの部分に関しては、慎重に決めていきたいと思います。傭兵に限った話しではないですが、アンケートについても単純に多数決で決めるのではなく、いろいろな意見を参考にしたいです。

――ベータテストでの領地ミッションは、防衛側がかなり有利な気がしたのですが。
鍋島 単純な話としては、防衛側は賭けているものがより大きいからで、領地を賭けて戦っている防衛側がすぐに負けてしまうと、せっかく領地を獲得したのにすぐに剥奪されてしまうという事態も起こってしまいます。精神的なリスクも高いので、現在のような調整にしました。大前提の話しになるのですが、領地争いについては”まず対戦ありき”というゲームデザインにはしていないつもりです。防衛側が所有している領地をカスタマイズすることでミッションが発生して、それを侵攻側が攻略する、その中で、場合によっては対戦になることもある、という構造です。対戦要素をないがしろにしているわけではないですが、それを前提にしてしまうと、やっぱり尻込みしてしまうというか、怖いからやらないという人が必ずでてしまう。それではいままでの対戦モードであった状況と同じになってしまうと考えています。なので、あえて侵攻と防衛が非対称な状態にしているし、双方必ずしも相手のACを倒す必要がないルールにもしています。ベータテストの期間だと、やはりこれまでの流れから対戦っぽい見えかたをしているのか、「相手のACをどうやって倒すか」という想定の話しになりがちだったと思うのですが、勝つための条件をきちんと分析していけば、違う戦いかたも見えてくると思います。そうなると相手の作戦の読み合いが始まります。本当に面白くなってくるのは、じつはそこからだったりするので。その上で、やっぱりまったく同条件で戦いたいという人は、フリー対戦を楽しんでいただきたいです。ちなみに、製品版では、当然領地のバリエーションがもっと増えます。場所によっては、より過酷なシチュエーションもありますよ。

――ベータテストでは選べなかったフリー対戦はどのような内容ですか
鍋島 ある意味従来シリーズと同じで、シンプルに対戦がしたいというプレイヤー向けの機能です。団体戦も行えます。領地や所属しているチームなども関係しないので、気軽に楽しむことができます。

――製品版の開発状況も気になるところですが。
鍋島 開発はだいぶ進んではいますが、8月、9月はたいへんなことになりそうです(笑)。ベータテストと並行して開発をして、ベータテストで頂戴した意見をできる範囲で反映していきたいと思っています。まだ、お見せしていない要素もたくさんありますので、これからの情報公開を楽しみにしていただきたいです。

――生放送番組などのイベントを定期的に行われていますが、ユーザーからの反応はいかがでしょうか?
鍋島 非常に好評です。最近は常連になっているユーザーさんも増えてきて、生放送に対する反応も楽しく見させていただいております。製品版の発売後も生放送番組や店頭イベントを行ったりするなど、ユーザーさんと接することのできる機会は増やしたいと思っています。

――最後に本作のベータテストをプレイしたユーザーと、本作の製品版の発売を心待ちにしているユーザーにメッセージをお願いいたします。
鍋島 たくさんの方にプレイステーション3版のベータテストに参加していただきまして、ありがとうございました。ベータテスト中にいろいろと不具合がありまして、ご迷惑をお掛けしてしまい、大変申し訳なく思っています。Xbox 360版のベータテストは、基本はプレイステーション3版と同じですが、細かいところを変えております。先ほども申し上げましたとおり、かなりゲーマー寄りな仕様になっていますので、楽しみにしていてください。オンラインゲームは、ユーザーさんから意見をいただけることで成長します。『アーマード・コア V』はユーザーさんといっしょにおもしろくしていきたいタイトルにしたいので、ぜひご協力いただきたいと思います。これからも生放送番組や店頭イベントなどを行っていきますので、ベータテストに参加できなかった方は、たいへん申し訳ありませんが、そちらに参加しつつ、製品版の発売を待っていただきたいです。

 少し偉そうな言いかたで恐縮なのですが、いままでの『アーマード・コア』シリーズのイメージというか遊びかたみたいなものを引きずっていらっしゃるユーザーさんが多いと思います。ですから、本作も“対戦を前提としたゲーム”だと思われてしまうかもしれません。ですが本作は、対戦もできるし、ひとりで遊ぶこともできる、非常に自由なゲームにしようと思っています。ひとりで遊んでもいいし、大勢で遊んでもいい。傭兵として不特定多数の人といっしょにプレイしてもいいし、身内のプレイヤーとだけ遊んでもいいんです。現在のベータテストの制限された内容では十分に感じ取っていただけないと思いますが、製品版をプレイして体感していただきたいです。これからも、『アーマード・コア V』をよろしくお願いいたします。

アーマード・コア V
メーカー フロム・ソフトウェア
対応機種 プレイステーション3 / Xbox 360
発売日 2012年1月発売予定
価格 7800円[税込]
ジャンル アクション / SF・ロボット
備考
(C)2011 NBGI (C)1997-2011 FromSoftware, Inc. All rights reserved.

この記事の関連URL

ソーシャルブックマーク

  • Yahoo!ブックマークに登録

評価の高いゲームソフト(みんなのクロスレビュー

※ ブログ・レビューの投稿はこちら!ブログの使い方

この記事の個別URL

その他のニュース

『ヴィンランド・サガ』アニメーション制作資料展が開催。作品モチーフを使用した資料展オリジナルグッズも販売

ウィットスタジオは、テレビアニメ『ヴィンランド・サガ』の制作資料展を2020年9月25日(金)〜10月5日(月)の期間で開催する。アニメ全24話を通した名シーンから100点を超える生原画などを展示。

『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』がニンテンドーDSで発売された日。Wi-Fiを利用して交換やバトルがグッと楽になった【今日は何の日?】

過去のこの日、ゲーム業界に何があったのかを振り返る。2006年(平成18年)9月28日は、ニンテンドーDS用ソフト『ポケットモンスター ダイヤモンド・パール』が発売された日。

『グラディウスIII 伝説から神話へ』開発中! 『アーケードアーカイブス』今後リリース予定のタイトル一覧が公開【TGS2020】

2020年9月25日〜27日、ハムスターの公式配信にて、すでに公開中の8タイトルに加え、18タイトルが開発中であることが発表された。

【バイオ8】『バイオハザード ヴィレッジ』を狩野英孝さんが体験。『ヴィレッジ』は棚を倒して敵を足止めしたり、アクション性が増した作品に【TGS2020】

2020年9月23日〜27日に開催中の東京ゲームショウ2020 オンライン(TGS2020 オンライン)。9月27日には、カプコンの番組“CAPCOM TGS LIVE 2020”にて、狩野英孝さんが『バイオハザード ヴィレッジ』をプレイする様子が公開された。

『バイオハザード』オリジナルドラマ『BIOHAZARD:Infinite Darkness』のティザーPVが公開。レオンとクレアの物語がフル3DCGアニメで描かれる

サバイバルホラーゲーム『バイオハザード』シリーズ初となる連続CGドラマが制作決定。Netflixにて2021年に全世界独占配信される。

『ドラゴンクエスト ダイの大冒険』公式生放送リポート。『クロスブレイド』10/22稼動開始&『魂の絆』のさらなる詳細が明らかに【TGS2020】

2020年9月27日、“SQUARE ENIX PRESENTS at TGS 2020 Online”で対戦カードアーケードゲーム『ドラゴンクエスト ダイの大冒険 クロスブレイド』と、スマートフォン向けの爽快“大爆進”RPG『ドラゴンクエスト ダイの大冒険-魂の絆-』の最新情報が公開された。

『リトルナイトメア2』日本で初めての同作のゲーム実況で、人気YouTuberも思わず絶叫【TGS2020】

東京ゲームショウ2020 オンライン最終日となる9月27日に、“バンダイナムコエンターテインメントPresents TGS2020 ONLINE バンナム8時間TV”にて、“ホラーナイト:「リトルナイトメア2」ゲーム紹介&実況スペシャル”が配信された。その模様をお届けしよう。

『DMC5』超絶クオリティのダンテ1/2スケールスタチューが登場。カプコンカフェ イオンレイクタウン店でコラボ開催決定【TGS2020】

東京ゲームショウ2020 オンライン(TGS2020 オンライン)で9月27日に配信されたカプコンの番組“CAPCOM TGS LIVE 2020”で『デビル メイ クライ 5』関連の最新情報が公開された。

『バイオハザード』シリーズ初の連続CGドラマ『BIOHAZARD:Infinite Darkness』がNetflixで2021年に配信決定! レオンとクレアの物語が描かれる【TGS2020】

2020年9月23日〜27日に開催中の東京ゲームショウ2020 オンライン(TGS2020 オンライン)。9月27日には、カプコンの番組“CAPCOM TGS LIVE 2020”で『バイオハザード』シリーズ初の連続CGドラマ『BIOHAZARD:Infinite Darkness』がNetflixで2021年に独占配信されることが発表。