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ゲームの新時代を切り拓くXbox Oneをフィーチャー!

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Interview

日本マイクロソフト 泉水敬氏

Xbox Oneは、つねに最高のゲームを遊べるプラットフォームでありたい

Xbox Oneは、ユーザーの意見を柔軟に聞き入れて、進化し続けるハードでありたい

 国内における発売日や価格も決定し、いよいよ本格始動となったXbox One。ここでは、日本マイクロソフト 執行役 インタラクティブ・エンターテインメント・ビジネス ゼネラルマネージャーの泉水敬氏を直撃。国内展開における戦略などを改めて聞いた。

 なお、お話をうかがったのは、6月10日〜12日にアメリカ・ロサンゼルスで開催された世界最大のゲーム見本市E3(エレクトロニック・エンターテインメント・エキスポ)2014の会場にて。もちろん、E3での発表内容についても、たっぷりとうかがっています!

Kinectを同梱しないバージョンを発売する意図は?

――国内における価格と発売日も決定して、いよいよXbox Oneも本格始動といったところですね。
泉水 そうですね。いよいよ日本でも本格的な活動を始められるということで、私自身はもちろんですが、チーム全体でかなり盛り上がってきていますよ。
――発売日は、2014年9月4日ですね。
泉水 はい。発売時期に関しましては、以前から「Xbox Oneの魅力を万全な状態でお伝えできる状態になったら発売したい」とお話していましたが、ようやく自信を持ってお届けできるタイミングがきました。Xbox Oneのよさを本当に伝えられるベストのタイミングが来たということで、私たちも満足しています。
――国内では、Kinectを同梱しないバージョンがローンチ時から発売されることになりました。Xbox One単体だけの発売は、マイクロソフトにとっては、英断だったと思うのですが……。
泉水 そうですね。日本のユーザーの皆さんにとっては、9月4日の段階から、Xbox One + Kinectと、Xbox One単体の2種類がお選びいただけることになります。ユーザーの皆さんにいろいろな選択肢をご用意するという意味では、意義のあることではないかと。選択肢の幅が広がることで、少しでもご購入の後押しになればと期待しています。もちろん、Kinectがあってこそ、Xbox Oneの機能をフルに体験できることに変わりはありません。Kinectセンサーがあるからこそ、ジェスチャーのみならず音声でもコントロールできますし、Kinectの機能を活かしたフィーチャーが盛り込まれているゲームも数多いですし。ただ、Kinectを同梱しないバージョンを提供することで、ユーザーの皆さんの購入に対するハードルを少し下げて、まずはXbox One本体のよさに触れていただいて、その後でKinectに興味を持っていただく……という選択肢もあるのではないかと。
――間口を広げて、最終的にはKinectを加えたフルの体験を楽しいでほしいということですね?
泉水 そうですね。とはいえ、発売当初は、多くの方にKinect同梱版をご購入していただけると思いますので、そういった方には、Kinectがどれだけすばらしいか、皆さんの口から感動を伝えていただいて、Xbox One単体を選択されたお客様に、Xbox Oneの本当のフル体験がどういうものであるかを、広めていただけると信じています。
――コアなゲームユーザーは、Kinectを同梱しないタイプを選ぶような気がしていますが……。
泉水 いえ、必ずしもそうではないと思います。Xbox 360向けにKinectセンサーを発売したときも、最初にご購入いただいたのは、いわゆるコアなXbox 360ユーザーの皆さまでした。Kinect関連のイベントでも、おなじみの皆さんの顔をよくお見かけしましたし(笑)。これまでXbox 360のKinect対応のゲームを購入していただいた方を見ると、比較的コアなXbox 360ユーザーが多いという感触を持っています。
――なるほど。むしろコアなXbox Oneユーザーが、最初にKinectの魅力を理解するということですね。Xbox One + KinectとXbox One単体と、購入比率に関してはどのような判断を?
泉水 もちろん、私たちのこれまでの経験や調査結果などを踏まえて、どういう比率になるかの予測値はある程度ありますが、最終的にはユーザーの皆さんが判断されることなので、どういう選択をされても対応できるような準備を進めています。Xbox Oneを展開してきて、私たちが本当に大事にしているのが、ユーザーの皆さまにいろいろな選択肢をご用意するということです。これは、ハードウェアのコンフィグレーション(設定)もそうですし、コンテンツやオンラインサービスについても同様です。いろいろなオプションをご提供して、ユーザーの皆さまおひとりおひとりのご興味があるところから入っていただくというのがひとつのテーマになっています。そういう意味では、2バリエーションの本体を発売するのは、“いろいろな選択肢をご提供したい”という方針の延長線上にありますね。
――ちなみに、「Xbox Oneのよさを本当に伝えられるベストのタイミングが来た」とのことですが、具体的にはどのような“ピース”が揃ったのですか?
泉水 詳細は、6月20日の国内向けの発表会までお待ちいただきたいのですが(※)、やはり日本のオリジナルコンテンツの充実ですね。コンテンツとしても、より多くのラインアップを整えたうえで発売したいという想いがありました。
※編集部註:インタビューは6月10日に実施されたので詳細は明らかにしていただけなかったが、6月20日の“Xbox One記者説明会”では、日本国内向けのアプリなどを多数発表している。 詳細はこちら
――いずれにせよ、日本でちゃんとXbox Oneを出すためには、ゲームやアプリを含めコンテンツの充実が不可欠で、ようやくその体制が整ったということですね?
泉水 そうですね。コンテンツの充実は日本だけの命題ではなくて、ワールドワイドで注力しているポイントです。先日マイクロソフト本社が発表したのですが、いまワールドワイドで数十のアプリケーションが発表されていまして、年末までに100を超えるコンテンツが提供される予定です。
Xbox One

▲国内での発売日や価格も決まり、本格始動となったXbox One。

日本のゲームファンにも親しんでいただけるタイトルが揃った

――HDMIパススルーを介して、テレビ番組が観られるのもXbox Oneの大きな特徴です。北米では番組表をダウンロードできるようですが、このサービスは日本でも?
泉水 こちらは、発売日には未対応となりますが、できるだけ早く対応させたいと思っています。
――ローンチ時に対応していないサービスでも、今後は順次対応していく感じですか?
泉水 Xbox 360は、システムとして進化し続けるハードウェアだったじゃないですか。Xbox Oneも同様で、時とともに生まれてくる新しい技術をつねに取り込んで、機能面で進化していきます。しかも、Xbox 360では年に2回のアップデートが定期的に行われていましたが、Xbox Oneではほぼ毎月更新がかかっています。北米や欧州では、いま毎月さまざまな新サービスが追加されているんですよ。もちろん、今後は日本でも適応されます。“進化し続けるハード”はXbox Oneでも健在です。
――進化は、ユーザーの意見を取り入れて、こまめに対応していく?
泉水 その通りです。やはり、ユーザーさんの反応をきちんと把握して、それに対応して変化させていくことが非常に大切だと思っています。欧米で昨年11月にXbox Oneを発売した後も、いろんな側面からユーザーさんのフィードバックをいただいて、それを非常に早いスピードでシステムに反映してきましたから。Twitchへの対応もその一環です。Kinectを同梱しないバージョンをリリースしたのも、けっきょくはユーザーさんのご要望に応えてのことですし。
――マイクロソフトとして明確な方針があるかとは思うのですが、そこに固執するのではなくて、ユーザーさんの意見を受け入れて柔軟に対応していくのが、Xbox Oneの特徴ということでしょうか?
泉水 そうですね。それが、フィル・スペンサーを始めとするXbox Oneチームの基本的な行動指針になっています。ユーザーの皆さんの声を聞くのがものすごく大切なのは、Xbox Oneだけではなくて、いまや消費者の皆さんを相手にしている多くの企業が如実に実感していることだと思うんです。従来は、提供する側の思いや理屈が通っていた市場だったのでしょうが、いまは消費者の皆さんのほうが多くの選択肢を持たれていると思います。情報の伝わりかたも幅広くなっていて、主導権がユーザーの皆さんのほうに移っている。そういった意味では、ユーザーさんの声にきちんと対応していくというのが、ビジネスの生命線になると思います。
――時代の流れといったところでしょうか。
泉水 ただ、一方で私たちは“Xbox Oneが提供する新しいエンターテインメント像”であったり、“21世紀の新しいリビングルームの提供”といった点に関しては、明確なビジョンを持っています。その目標を実現するためにどういう順序で、どういう選択肢を提供しながら、その世界に行き着くか……というのは、ユーザーの皆さんの声を聞きながら変わっていきますが、目指すところにブレはないんです。
――プロセスは問わないということですね? 個人的にはKinectを同梱しないバージョンの発売は、大きな方向転換かな……と思ったのですが。
泉水 もちろん、私たちが目指すところは、Kinectセンサーがあって、新しい体験をご家庭に提供することです。ただし、そこに行き着くまでのプロセスとして、まずはKinectのない本体をご購入していただいて、Xbox Oneの世界に触れていただく。その後でほかのユーザーさんからご意見を聞いていただいて、Kinectのある世界にたどり着いていただきたい……。そういう意味では、Xbox Oneとの“Journey”と言っていいのかもしれません。
――おお。日本のユーザーは、9月4日からXbox Oneとの“Journey”が始まるということですね。では、タイトルについて聞かせてください。ローンチ時には、かなりのタイトルが揃いそうですが……。
泉水 そうですね。非常に多くのタイトルをご用意していますよ(※)。これまでの家庭用ゲーム機と比べても、多くのタイトルをお届けできるものと自負しています。
※編集部註:6月20日に行われた“Xbox One 記者説明会”で、現時点でのローンチタイトルが30本になることが明らかになった(ダウンロードタイトルを含む)。
――ローンチ時に、とくに期待しているタイトルは何になりますか?
泉水 やはりファーストパーティータイトルの『Forza Motorsport 5』や『Ryse:Son of Rome』、それから『Dead Rising 3』などには、とくに期待しています。
Forza Motorsport 5

▲ファーストパーティーのローンチタイトルとして期待値も高い『Forza Motorsport 5』。

――日本メーカーによるタイトルはいかがでしょうか?
泉水 もちろん、用意していますよ。今後、国内メーカータイトルは続々と出てきます。なにしろ、お待たせしてしまったぶん、お届けしたいタイトルも多いので……。そのへんは順次調整しつつ、ご提供したいです。
――E3でも新作を発表していましたが、今後さらにタイトルが充実しそうですね。
泉水 そうですね。E3での発表などを見ると、Xbox One向けゲームもバラエティーが広がってきた印象がありますね。Xbox 360ではシューターに偏りがちだった時期もありましたが、Xbox Oneは提供するジャンルのバランスが取れているように思います。海外スタジオの開発タイトルにしても、日本のゲームファンの皆さんが自然に楽しんでいただけるテイストになっている印象を受けました。『Sunset Overdrive』にしても『Forza Horizon 2』にしても、日本のゲームファンの皆さんに楽しんでいただける作品に仕上がっているという自信はありますよ。
Sunset Overdrive

▲インソムニアックゲームスが開発する『Sunset Overdrive』は日本ユーザーにも楽しめる1作に。

――一方で、日本のゲームユーザーも、海外ゲームに対して、抵抗がなくなってきましたしね。
泉水 そうですね。欧米の開発会社さんもいろいろな可能性を探り始めているし、日本のユーザーさんも海外ゲームに対する違和感や偏見がなくなってきている。
――その点は、Xbox 360が果たした役割も大きいと思います。Xbox Oneでの展開は、Xbox 360での戦略をさらに押し進めたものになる?
泉水 私たちが主導する……というよりも、市場がそういうふうになってきていますね。
――Xbox Oneが世界中のユーザーをひとつ(ONE)にするとか?
泉水 だといいですね(笑)。ひとつだけ言えることは、Xbox Oneは“つねに最高のゲームを遊べるプラットフォームでありたい”と思っています。ファーストパーティーはもちろん、サードパーティーのメーカーさんとも協力しながら、つねに最高のゲームを提供していきたいという“軸”はまったくブレていませんので、今後のラインアップに期待していてください。

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