Razerがコントローラ付きタブレット端末“Project Fiona”を参考出展

 2012年1月10日~13日、世界最大規模の家電見本市2012 International CESが、アメリカ・ラスベガスにて開催。ゲームソフト関連の出展が、ソニーとマイクロソフトというふたつのハードメーカーに集約されているのに対して、百花繚乱ぶりを誇るのが周辺機器だ。会場には、正統派から「なんじゃこれは?」というキワモノまで幅広いタイプの周辺機器が出展。ゲームソフト以上の充実ぶりを誇っている。ファミ通.comのCESリポートでも、周辺機器の紹介はもはや欠かせない情報。というわけで、ここでは日本にもなじみの深い、RazerとMad Catz(マッドキャッツ)のブースリポートをお届けしよう。北米でも人気の周辺機器メーカーとして知られる両社だが、昨年日本市場に本格参入を果たしたということでも共通点があった。

Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_31

 昨年、PCゲーム用の端末“Switchblade”を発表し、話題を振りまいたRazer(⇒記事はこちら)。けっきょく“Switchblade”はあくまでコンセプトということで製品化はされず、その成果はノートPCやキーボードとして結実したようだが、今年は既報の通り(⇒記事はこちら)、“Project Fiona”を発表しさらに注目を集めた。

 要はタブレット端末である“Project Fiona”。ゲームを快適に遊べることに特化しており、左右両方にコントローラを備えているのが最大の特徴。「これでタッチ操作の不満点をフォローします」とは、Razerの商品担当者。マシンスペックは相当なもののようで、多くのPC向けゲームが快適に遊べるようになる模様だ。対応OSはWindows7で、これは現状のPCゲームの多くがWindows向けだからだろうと思われる。とはいえ、コントローラ操作+タッチスクリーンはほかにない操作方法だけに、「いずれ、“Project Fiona”専用のゲームが開発されるのではないでしょうか」と担当者は期待を寄せる。気になる発売時期は、2012年第四半期(10月~12月)の遅めを予定。価格は1000ドルを切りたいとのことだ。急成長するタブレット端末市場に“Project Fiona”がどこまで存在感を発揮するのか……なかなかに興味深い。

Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_43
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_37
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_36
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_41
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_42
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_38
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_39
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_40
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_32

 さきほど、“Switchblade”のコンセプトはノートPCやキーボードに受け継がれたと書いたが、その遺伝子をしっかり継承した商品だとRazerの担当者が明言するのが、“Star Wars: The Old Republic Gaming Keyboard”。お値段249.99ドルと、キーボードとしては少しお高めのこちらの商品は、「実際に手にとってみれば、それだけに金額に見合う商品だと思われると思います」と担当者が自信をもつ一品。最大の特徴は、キーボードの右にLCDスクリーンが設けられており、WEBをブラウジングしたり、携帯の画面をチェックしたり、映画などを見られることができる点。スクリーンの上には“ロンチボタン”と呼ばれるいわばショートカットキーが用意されており、ボタンひと押しでお気に入りの画面にアクセスできる。スクリーン自体は、タッチスクリーンに対応している。「ゲームに詰まったら、このLCDスクリーンでネットの攻略情報をチェックする……といった使いかたもできますね」(担当者)とのこと。発売は2012年第一四半期(1月~3月)とのことだ。

Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_29
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_30
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_28

 さて、最後に紹介するのが、“Project Fiona”と同じく、CESに合わせて発表されたPC向けのゲーミングマウス“Razer Naga Hex”だ。こちらのマウスの特徴は、その名(Hex・六角形)の通り、6角形のボタンが6つ、マウスの左側面に配されていること。しっかりとクリックできるようになっており、とくにアクションRPGなどに適しているのだという。こちら、通販サイトのRazerzone.comでは、1月中に先行発売され、店頭発売は2012年3月となるようだ。価格は79.99ドル。

 なお、今回紹介してもらった商品の日本発売の可能性を聞いてみたところ、「検討しています」との前向きなお返事が。日本のPCゲームファンは大いに期待していいのでは?

※Razerの公式サイトはこちら

マッドキャッツが北米市場に向けて『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』専用のジョイスティックを投入

Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_33

 例年と同じく、CESの会場となるラスベガスコンベンションセンターに隣接するヒルトンホテルのスイートを借りて新商品を出展したマッドキャッツ。マッドキャッツと言えば、近年ではカプコンの完全監修を受けての高品質の格闘ゲーム専用ジョイスティックでおなじみだが、今年のCESでも魅せてくれました。プレイステーション3、Xbox 360用ソフト『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』の発売にあわせて、“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick PRO”と“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick V.S.”の2種類のジョイスティックをお披露目したのだ。例によって、アーケード筐体と同じ三和電子の部品を使い、こだわり抜いた作りとなっているこちらの製品。“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick PRO”は“CROSS”と“LINE”の2種類のデザインが用意されており、価格は各159.99ドル。マッドキャッツ所属のプロ格闘ゲーマー、ウメハラが使用しているものをモチーフとしたものだ。一方の“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick V.S.”は、199.99ドル。別売りのアタッチメントを使用することで(19.99ドル)、アーケードよろしくふたつのスティックをつなげることもできる。

Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_09
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_10
▲Xbox 360用“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick PRO”。“CROSS”(左)と“LINE”(右)。
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_11
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_12
▲プレイステーション3用“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick PRO”。“CROSS”(左)と“LINE”(右)。
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_44
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_45
▲“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick V.S.”。左がXbox 360版で、右がプレイステーション3版。

 また、『ストリートファイター X(クロス) 鉄拳』関連では、コントローラの“Street Fighter X Tekken FightPad SD”もソフトと同日に発売予定。格闘ゲームに適したように、6ボタンが並べられているこちらのコントローラ。従来品からの変更点は、15%の小型化を実現していること。実際に触ってみての感触は、より手にフィットしたとの印象だ。4種類のデザインが用意されており、こちら各39.99ドルだ。

 ちなみに、現時点における、“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick PRO”と“Street Fighter X Tekken Arcade FightStick V.S.”、“Street Fighter X Tekken FightPad SD”の国内での発売は未定。とはいえ、これまでの流れからすると、大いに期待してもいいのでは?

Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_01
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_02
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_03
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_04
▲Xbox 360用の“Street Fighter X Tekken FightPad SD”。
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_05
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_06
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_07
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_08
▲プレイステーション3用の“Street Fighter X Tekken FightPad SD”。

 さて、コントローラ関連では、“MAJOR LEAGUE GAMING PRO CIRCUIT CONTROLLER”もマッドキャッツが力を入れている商品のひとつ。プロゲーマーの段階MLG(メジャーリーグゲーミング)の公式ライセンス商品にあたるこちらのコントローラは、パーツを組み替えることで、自分好みのボタン配置にできるのが特徴。カスタマイズできるコントローラといったところ。プレイステーション3版とXbox 360版が用意されており、価格は99.99ドルと若干お高めだが、それだけの価値のある一品だ。

Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_13
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_14
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_15
▲Xbox 360用の“MAJOR LEAGUE GAMING PRO CIRCUIT CONTROLLER”。
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_16
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_17
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_18
▲プレイステーション3用の“MAJOR LEAGUE GAMING PRO CIRCUIT CONTROLLER”。
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_35

 PCのゲーミング向けのごっついマウスとして、記者を驚かせたのが“Cyborg M.M.O. 7 Gaming Mouse”。「ガ、ガンダムか?」と思わずびっくりしてしまったこちらのマウスは、その名の通り、MMORPGに最適化したマウスで、プレイヤーの手のサイズに合わせてボタンの配置場所を細かくカスタマイズできるスグレモノ。ボタンの組み合わせによって詳細な操作方法も可能になるようで、使用できる組み合わせは78通りにも及ぶのだとか。記者も会場でプレゼンを受けたのだが、そのあまりのすさまじさに頭が白くなってしまったので(苦笑)、その詳細はサイトでご確認いただくとして(⇒こちら、ただし英語です)、記者が「これだけボタンの組み合わせがあると覚えるのがたいへんですね」と素人くさい感想を漏らしたところ、「一度慣れると快適になって、これなしでは済ませられなくなりますよ」との担当者さんのお言葉。ソーシャルゲームを筆頭に、カジュアル化の波が押し寄せているゲーム業界だが、一方では、こうしたゲーミングマウスのように、コアゲーマーのニーズを極めた“Cyborg M.M.O. 7 Gaming Mouse”のような製品にも大きな需要があるのだなと思った次第。ひとことでゲーム業界と言っても、本当に幅が広いです。

Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_19
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_20
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_22
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_21
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_23
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_27
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_24
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_25
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_26
Razerのコントローラ付きタブレット端末や、マッドキャッツの『ストクロ』専用ジョイスティックなど、最新ゲーム機器がお目見え【CES 2012】_34
▲ちなみに……フライトシミュレーター系の周辺機器を順次リリースしていたマッドキャッツ傘下のサイテックより、フライト系の周辺機器の同梱パックが発売される予定らしい(写真のモニターは除く)。価格は5000ドルになるのでは……とのこと。いかに、根強い人気を誇るフライトシミュレーターとはいえ、奥さんに怒られそうな金額だ。

※マッドキャッツの公式サイトはこちら

[2012 International CES関連記事]
※マイクロソフトによるCES最後のキーノートでパルマー氏が熱く語る、PC版Kinectの発売も明らかに
※NVIDIAがプレスカンファレンスを実施、タブレット端末は“Tegra3”で魅力的なゲーム機になる!
※3D立体視対応の『Kinect スター・ウォーズ』や、『Kinect Rush: A Disney・Pixar Adventure』などKinect専用タイトルが人気
※ソニーブースの注目株は、やはり北米で発売間近のPS Vita
※シリーズ最新作『アラン ウェイク アメリカンナイトメア』の謎に迫る