●『Halo 4』では、シリーズの本質である驚きや探索する楽しさ、スケール感を取り戻したい

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 2011年8月26日〜28日(現地時間)、アメリカ・シアトルにて、『Halo』シリーズ10周年を記念してのファンイベント“Halo Fest”が開催された。ここでは、343 Industriesで『Halo』シリーズを取り仕切る、フランチャイズデベロップメントディレクターのフランク・オコナー氏に行った単独インタビューをお届けしよう。

――“Halo Fest”を行うことにしたきっかけを教えてください。
フランク 初代『Halo』が発売されて10年目を迎え、1年以上前からどう祝うか、いろいろと考えていました。いろいろと判断した結果、このような形になりました。“Halo Fest”はひとりひとりのファンのためのイベントです。

――1タイトルでイベントを開くのはたいへんだったのでは?
フランク はい。ですが、『Halo』シリーズはコアファンを持っていますし、みなさん熱心なファン。『Halo』に対してより親しみが持てて、さらに新しい経験になるのでは……と判断しました。

――盛り上がることは確信していました?
フランク 本当に成功するのか、正直、とても怖かったです。パーティーを企画するのと同じようなもので、夜の8時にパーティーが始まるのに、「7時45分になって誰も来なかったらどうしよう?」と思う感覚でした(笑)。

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――始まってみてどうでした?
フランク まず、ホッとしました。ファンの皆さんに会うのは楽しいですし、貴重な経験ですが、本当に大きなイベントだったので、みんながハッピーな状態でうまくいって、安心したというのが正直な感想です。

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――今回、『Halo 4』のパネルでコンセプトアートが紹介されましたね。
フランク 343 Industriesがバンジーからシリーズを引き受けることになって以来、ファンは『Halo』がきちんと扱われるか、わからずに待っていたと思います。ゲームプレイはいずれお見せしますが、チームをファンに紹介して、彼らがどんな仕事をしているか、どんなアートを作っているかを見せるのはよいと思いました。今日お見せしたアートは、ワールドと経験をとてもよく代表するものです。ゲームを紹介する代りにチームを紹介した感じですね。

――映像にはメッセージが込められている?
フランク はい。10年間シリーズに親しんできたファンの方は、今後の方向について自信を持つ権利があると思っています。『Halo 4』のパネルで公開した映像は、今後何らかの形で公開予定ですので、楽しみにしていてください。よく見ていただければ、いろいろな意味が読み取れると思います。

――『Halo 4』では、どんなことをしてみたいですか?
フランク 「これぞ『Halo』!」と思っていただけるような、楽しい経験を提供したいです。それと同時にゲームの本質を変えることなく、我々のチームが作ったものであるという“印”を付けたいです。また、『Halo』の本質である驚きや探索する楽しさ、スケール感を取り戻したいとも思っています。私が『Halo』に惹きつけられたのはこの部分であり、『Halo 4』の大きな魅力はここにあります。

――一度終わったシリーズを新たに始める第一歩というのは大変なことだと思いますが、決心はどのように?
フランク 『Halo 3』の最後では、マスターチーフがコールドスリープ状態になって、物語は“クリフハンガー状態”(続きが気になる状態)で終わりました。これは、シリーズの中で彼が“一度停止状態”になったということです。『Halo 3: ODST』と『Halo: Reach』では彼はフィーチャーされなかったので、ファンの皆さんは彼がどうなったのか、興味を持ったと思います。『Halo 4』では、彼に何が起きたのか、どこにいるのかを明らかにしていきます。我々にとっては、チーフに戻るのは自然なことでした。彼はあまり言葉を発しませんが、とても魅力的なキャラクターです。

――『Halo 3』が終わったときに、つぎに進む確信があったのですか?
フランク いえ。そのとき、私はバンジーにいたのですが、「もうこれで『Halo』は終わりかもしれない」と思いました。彼が死んでシリーズが終了する可能性もあったんです。でも、開発者としてつぎに何が起こるのか興味があったので、つぎに続く人たちのためにも、何かを残しておかなければ……と感じました。

――“Halo Fest”でシリーズは10周年を迎えたわけですが、これからの10年に向けて『Halo』をどのように展開したいですか?
フランク バンジーが初代『Halo』を作っていたときにはわからなかったことですが、私たちはゲームが成功して未来があるということを知っています。これはとても贅沢な立場です。なぜなら、大きなストーリーを以前よりしっかり計画された中で語っていくことができるのですから。いままでのゲームやフィクションとしっかり繋がった形で進行していけるんです。もっとも贅沢なことは、ファンの皆さんの反応を待つのではなくて、しっかりと計画ができるということですね。今後10年のプランはすでにできています。

――となると、また10年後に“Halo Fest”が開催できるといいですね。
フランク そのためにもがんばります。ファンの皆さんからは、来年もやってほしいと言われていますよ(笑)。

――ちなみに、東京ゲームショウにはいらっしゃるのですか?
フランク はい。何を展示できるかはわからないのですが、東京ゲームショウには行きますので、ぜひとも楽しみにしていてください。個人的には、蒙古タンメン中本に行くのが楽しみで仕方ありません(笑)。この前日本にいったときは、3日間通いつめたんですよ。

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