インド洋と太平洋の境目付近に浮かぶ、文明の手が遠く及ばない絶海の孤島“ルークアイランド”。バカンスのため、地図にも載っていないこの南の島を訪れた主人公ジェイソンと、その友人たち。南国生活を満喫していた彼らが、突如武装した集団に捕まってしまう。 ジェイソンは、生き延びて友人たちと島を脱出するため、島の海賊たちに戦いを挑む。暴力こそが唯一絶対の手段となっている狂気の島で、隠された秘密が徐々に明らかになっていく……。 生き残るためには、周囲の状況をうまく利用しなくてはならない。血も涙もなく、理性すら失ったこの島の海賊たちを相手にしなくてはいけないのだ……。
 恥ずかしながら、これまで筆者は『ファークライ』シリーズをほとんど遊んだことがなかった。とはいえ有名なシリーズなので、「なんか南国で戦う、戦闘主体のFPSっしょ?」という漠然なイメージはあった。だが、今回『ファークライ3』をプレイしてみて、その印象が大きな勘違いであることに戦慄を覚えた。サバイバル要素が満点の、戦うこと以外もアレコレできる壮大なオープンワールドFPSだったのだ! ああ、神様。いままで『ファークライ』をプレイしていなかったことをお許しください。このテのゲームは大好物ッス!
フリーライター。逆境でもたくましく成長していく主人公を見習って、2013年を生き抜いていきたいと思います!
↑→美しいジャングルが生い茂る南国の孤島が本作の舞台。猛獣、犯罪集団、と危険は山ほどあるが、その景色は絶景のひとことだ。
 さてさて、本作の主人公・ジェイソンは、仲間たちと絶海の孤島“ルークアイランド”へバカンスに来ていた。ダンスにスカイダイビングと、さまざまなレジャーを満喫するジェイソン。もはや、この世界は自分が頂点、そんな錯覚さえ思えるほどエンジョイしていた。
 だが、パラダイスの終焉は突然訪れる。突如現れた武装犯罪集団に拉致され、仲間たちとも生き別れに。いっしょに捕まった兄・グラントの力に助けられ、牢獄から脱出したジェイソンは、仲間を救出して島からの脱出を目指す……というのがざっくりとしたストーリーだ。
→美しい孤島にてバカンスをエンジョイするジェイソン一行。このときはまだ、これから起こる悲劇など知る由もなかった。
←兄であるグラントの手助けを受け、牢獄から脱出。冒頭では敵に見つからないよう逃げていく、ステルス要素も楽しみながら、チュートリアルも兼ねている。
 名前だけは13日の金曜日に斧を振り回しそうなほどパワフルなジェイソンだが、最初は、「本当にサバイバル系ゲームの主人公か!?」と疑ってしまうほどのヘタレ。バカンス中こそ、調子こいていたものの、兄が海賊を倒すところを見て「本当に殺してる……!」と足をすくませ、敵から隠れてコソコソ移動する場面では「俺にはできっこない……無理だよ……」なんてウダウダ愚痴をこぼす。しかし、一般人が天国から急に地獄へ叩き落とされたら、パニック状態に陥ってしまうのも仕方がない。このリアリティあふれる設定のおかげで主人公にとても共感でき、かつてないほどの一体感で物語の世界へと入り込めるのだ。そんなジェイソンだが、終始ヘタレというわけではない。犯罪集団との戦いのなかで心身ともにたくましく成長していき、やがて……というか割と序盤から、ベトコンも真っ青の強烈なゲリラ戦を展開できるようになる。そう、本作はジェイソンの成長物語でもあるのだ。
 そんなこんなでしばらく序盤をプレイしてみたが、想像以上にこの“ルークアイランド”はデンジャラスな場所だ。原住民の町こそ安全だが、ちょっとでも離れると、野犬やイノシシ、さらにはトラといった凶悪な野生動物が牙をむく。「こりゃかなわん」と道に飛び出したら、巡回中の犯罪集団とコンニチハ、望みもしない銃撃戦に巻き込まれてしまう。ホント、なんなんだ、この島は!
↑【プレイ動画その1】動物の皮を剥ごうと思ったら犯罪集団に襲われ、さらにホワイトタイガーが乱入して……。こんなカオスな状況もルークアイランドじゃ日常茶飯事!
←犯罪集団はもちろん、クマやトラといった凶暴な野生動物も。ちなみに、犯罪集団が野生動物に襲われている場面もよく見かけます。
 おまけに、ジェイソンは命からがら逃げてきたため、最初は装備も非常に貧弱。銃はひとつしか持てないし、所持できる予備弾薬もスズメの涙ほど。とりあえず強力な銃を買おう、と思っても財布自体が小さいため、大量のお金を持つことすらままならない。もう、八方ふさがりともいうべき感じだが、この悲惨な状況をテクニックひとつで乗り切っていくことこそ、本作の醍醐味だ。
 ちなみに、筆者がいちばん楽しく感じられたポイントは、財布や弾薬ベルトといった主人公の装備をパワーアップできること。倒した動物の死体からは、皮を剥ぎ取ることが可能。これを材料に装備を強化する、クラフト要素もあるのだ。サバイバルにはつきものの、ハンター気分を思う存分味わえるし、少しずつ主人公が強くなっていくそのさまは、RPGに似た楽しさを味わえる。なんだか怖いことばっかりの島だけど、俺、もう少しだけがんばってみるよ……!!
 もちろん、本作の魅力はこれだけではない。楽しめる要素は、まだまだタップリあるので、次回以降にくわしく紹介していきたい。
↑【プレイ動画その2】アップグレードの様子。ブタを倒して皮を剥ぎ取り、それを材料に“財布”を強化。よりたくさん、お金を持てるようになりました!
→動物を倒すと皮を剥ぎ取ることができる。これを材料に、主人公の装備を強化できるのだ。
©2013 Ubisoft Entertainment. All Rights Reserved. Far Cry, Ubisoft and the Ubisoft logo are trademarks of Ubisoft Entertainment in the US and/or other countries.
Based on Crytek's original Far Cry directed by Cevat Yerli. Powered by Crytek's technology "CryEngine".