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アニメやゲーム、ナレーション、企画CDなど、さまざまなジャンルの台本(シナリオ)を使ってキャスティングを楽しめる『CV 〜キャスティングボイス〜』。2014年7月3日には、無料のダウンロードコンテンツとして、『GOD EATER(ゴッドイーター)』の台本の配信がスタートした。

 今回は、『ゴッドイーター』シリーズのプロデューサーである富澤祐介氏に、『CV 〜キャスティングボイス〜』のキャスティングモード、アフレコモードをプレイしてもらい、『CV 〜キャスティングボイス〜』のおもしろさ、『ゴッドイーター』台本の楽しみかたについて語っていただいた。富澤氏の熱演は、必聴です!

――この『CV 〜キャスティングボイス〜』の企画の立ち上げには、富澤さんが関わっていた……と2014年5月のマチ★アソビのステージでうかがったのですが、この件について、詳しく教えていただけますか?

富澤 『CV 〜キャスティングボイス〜』の企画自体は、一昨年の終わりぐらいにスタートしたものです。いままで世になくて、ゲームファンの皆さんの心に刺さるような企画は何か? と、何人かのスタッフと話し合いをしていたとき、“近年、声優さんが好きな方、声優という職業に憧れる方が増えている”ということが話題に上がったんです。ゲームをプロデュースする側の僕たちは、さまざまな形で声優さんと関わっていますが、一般のユーザーの皆さんは、声優さんとお仕事で関わることは少ないでしょうし、ゲームやアニメに出演されているという部分しかご存じないと思います。そこで、皆さんが知らない声優さんの姿、キャスティングや収録の現場の雰囲気を、ゲームで楽しく体験させることができたら、響くんじゃないだろうか……と、話し合ったんですね。それから、この企画をスタートさせるにあたり、僕は社内での調整をお手伝いしました。実際に企画が立ち上がった後は、僕らが書いた数ページの企画書を内藤プロデューサー(『CV 〜キャスティングボイス〜』プロデューサー 内藤新二郎氏)がふくらませて、形にしてくれました。この企画がひとつの製品になったことを、僕も個人的にうれしく思っています。

――『ゴッドイーター』シリーズを始め、多数のゲームのキャスティングに関わってきた富澤さんから見て、やはり“キャスティング”というものはおもしろいもの、興味深いものですか?

富澤 もちろん、人と人とのお仕事ですから、うまくいかないこともあって、楽しいことばかりではありません。『CV 〜キャスティングボイス〜』をプレイするとおわかりいただけると思うのですが、キャスティングする人も、声優さんも、悩んだり苦しんだりしています。このゲームでは、声優プロデューサーという立場で、悩める声優さんたちをフォローしたり、導いたりして、互いにステップアップしていくことができますが、この“互いにステップアップする”というところには、抽出された形ながら、リアルさがあると思います。

――それはまさに、先ほどおっしゃっていた、“一般のユーザーさんは知らない部分”ですね。

富澤 そうですね。僕としては、リアルでお仕事で苦しんでいるのに、さらにゲームの中でも苦しむのか……と思うと、『CV 〜キャスティングボイス〜』を遊ぶのはちょっと覚悟が要ります(笑)。でも、夢のようなキャスティングを実現できたり、声優さんのいろいろな声を聴けたりするので、このゲームを遊びこんで、今後の仕事の参考にしようかと思っています(笑)。

――(笑)。ところで、お仕事でキャスティングに関わるうえで、富澤さんが心がけていること、意識していることはありますか?

富澤 作品ごとに大きく異なってくるのですが、『ゴッドイーター』シリーズの場合は、ディレクターの吉村くん(バンダイナムコスタジオ吉村広氏)が、海外ドラマや洋画のような演技をイメージしてキャスティングを行いました。アニメでよく聴くハイトーンな声よりも、一段落ち着いた声と言いますか。そのほうが作品の方向性に合うだろう、って。収録でも、そのように演じていただくようにお願いしていました。

――声優さんの性格、趣味嗜好を考慮することはありますか?

富澤 『ゴッドイーター』では、その点については重要視していませんが、バンダイナムコゲームスのタイトルで言えば、『アイドルマスター』(以下、『アイマス』)では強く意識していると思います。収録現場での声優さんの行動やクセを、キャラクターに反映させるなど、声優さんとキャラクターを合わせてプロデュースしていますよね。

↑ゲーム内に登場する『ゴッドイーター』の台本。本物の台本さながらに作られている。

――なるほど。では、富澤さんのこれまでの経験を踏まえて、『CV 〜キャスティングボイス〜』のキャスティングモードをプレイしていただきたいと思います! 無料のダウンロードコンテンツとして配信されている、『ゴッドイーター』の台本でキャスティングをしていただけますか?

富澤 はい。じつは僕、収録される台本はもちろん監修したんですけど、ボイスを聴くのは今日が初めてなんです。楽しみですね。

――今回は、コウタ、サクヤ、アリサ、シオ、サカキが登場する、シーン5“シオに名前をつける”のキャスティングをお願いします。

富澤 そうですね……(サンプルボイスを聴きながら)……皆さん、うまいですね! うーん、悩むなぁ。こんなに手軽にサンプルボイスが聴けるなんて、いいなぁ。とりあえずコウタは……日のり子さん(声優キャラクター:鴫野巴菜)かな!

――富澤さんは、日さんのファンなのですか?

富澤 日さんの声が選べるのなら、入れざるを得ないですね!(笑) 日さんは、とくに少年役の印象が強くて……いちばん好きな日さんの役は、ジャン(『ふしぎの海のナディア』)かな。つぎはサクヤさん……も、日さん(笑)。

――まさに夢のキャスティングですね。

富澤 (サンプルボイスを聴きながら)アリサは、どうしようかな……この、東堂エレナさん(声:白石涼子さん)。シオは香坂真冬さん(声:たかはし智秋さん)、ポテンシャルを感じます。サカキは……『ゴッドイーター』本編では楠大典さんが演じられていますが、楠さんはサカキのキャラクターを掴むまでに、かなり苦労されていました。マッドサイエンティストっぽい面ばかり強調してしまうと、「何かが違う!」と。最終的には、ダンディな方向に寄っていったんです。サカキは、47歳ですからねえ……皆さんのサンプルボイス、個性が出ていますね。じゃあ、47歳には聴こえない、クレーデン瑠仁(声:柿原徹也さん)で!

――では、実際に聴いてみましょう!

――いかがでしたか?

富澤 すでに存在している作品にキャスティングするというのは、こう……グッとくるものがありますね。もとのキャラクターを意識して演じられている方と、自由に演じられている方がいて、「こんなコウタもいいかも」、「こんなサカキだったらどうなるんだろう」と、想像が膨らみました。それから、日さんをキャスティングするのは、緊張しました(笑)。お仕事においては、個人的に好きな声優さんがいても、キャスティングするかというのは別の話ですので。『ゴッドイーター』以外のシナリオでも、いろいろ試してみたいですね。

――それでは、『アイマス』の双海亜美・真美の台本で、やってみます?

富澤 いいんですか?(笑) じゃあ、やります!

――キャスティングできるのは、プロデューサーと亜美真美ですね。

富澤 (赤羽根健治さんが演じる伴 勇次のサンプルボイスを聴いて)う〜ん、どこかで聴いたことがあるプロデューサーの声ですね。

――これは間違いなく、赤羽根Pですね。

富澤 じゃあ、伴さんで! ゲームとアニメだと、ちょっと性格が違うので、どんな演技が聴けるのか楽しみですね。

――亜美真美は?

富澤 亜美真美は……(香坂真冬のサンプルボイスを聴いて)この印象的なサンプルボイス、誰ですか?(笑)

――演じているのはたかはし智秋さんです。

富澤 開発中の『CV 〜キャスティングボイス〜』をちょっと見たときに、このサンプルボイスを聴いたんですよね、僕。もう、これは選ぶしかないですね! 僕はあずささん(たかはし智秋さんが演じている『アイマス』のキャラクター、三浦あずさ)が好きなので。幼いあずささんを聴く気持ちで、いってみます!

富澤 なるほど、いままでにない体験ですね。

――赤羽根Pの顔が浮かびましたね。

富澤 『CV 〜キャスティングボイス〜』に『アイマス』や『ゴッドイーター』の台本が収録される、と聞いたときに僕が気になったのは、もともとの作品に出演している人は、どのくらい登場するのか? ということだったんです。あえてオリジナルのキャスティングで楽しみたい人、オリジナルの配役をちょっと入れ替えて楽しみたい人もいると思ったので。『アイマス』を知っている人は、きっと楽しいですよ、これ。

――では続いて、富澤さんにアフレコモードに挑戦していただきたいのですが……富澤さんは、ふだんアフレコされることはあまりないと思うのですが。

富澤 いえ、よくやりますよ。CMを作るとき、コンテを自分で切ることもありまして、自分で声を入れて、タイミングを調整したりしますね。そのために、録音機を買いましたし! って、なんで自分でハードルを上げちゃったんでしょう(笑)。

――つまり、「アフレコ経験豊富だから、イケるよ!」ということですね?

富澤 いやいやいや(笑)。

――せっかくなので、あの有名なセリフ「エリック! 上だ!」があるシナリオでお願いします!

富澤 やっぱりこのシーンですよね(笑)。ソーマとエリック……どっちも、自分が演じるとなると、辛い! じゃあ、ソーマをやります。

↑自分の演技を聴いてうなだれる富澤氏。演技に納得いかない! と再チャレンジしてくれました。

――アフレコしてみて、いかがでしたか?

富澤 きっと、アフレコモードをプレイした皆さんが言うと思うんですけど……声優さんって、すごいですよね。いままでにしたこともない体験ができたので……本当に、僕が一昨年の終わりぐらいに見た、数ページの企画書のまんまだな! と思いました。今日、2度アフレコさせていただきましたが、2回目に「あ、ここ、前回よりうまく言えたな」と感じるところは、すごくゲーム的ですよね。ぜひ、何度も挑戦して、「デキがいい!」と思えたものをお友だちに聴かせて、私に続いてヒドい目に遭ってみてください(笑)。臆せずやってみると、達成感がありますよ!

――キャスティングにもアフレコにも挑戦していただき、ありがとうございました! 最後に、『CV 〜キャスティングボイス〜』で『ゴッドイーター』の台本を使って遊んでみようと思っているユーザーの皆さんに、メッセージをお願いします。

富澤 『ゴッドイーター』のシナリオは、現在、無料で配信中です。『ゴッドイーター』の会話劇は、自然な雰囲気のものになっているので、それだけに演技力も試されると思います。自分でやってみて、こんなに苦労するとは思っていませんでしたけど(笑)。『CV 〜キャスティングボイス〜』では、『ゴッドイーター』を始め、さまざまな作品の世界に深い形で入り込めますので、ぜひプレイしてみてください。