衝撃的なサブタイトル(?)で話題を呼んだ前作の“イイトコロ”はそのままに、“マレビト”(主人公)に託された世界救済の物語を新たな世界で描く本作。今回のインプレッションでは、前作からの進化点や本作独自の注目システム、そして最大のお楽しみである女の子(本作では女子聖徒)との交流要素がどうパワーアップしているかについて詳しく迫る。
7人との“学園生活”を満喫!
↑聖徒学園では、個性ある7人との出会いと触れ合いが待つ。男子ならばヒロインの心をつかむコミュニケーションを意識するべし!

 主人公とヒロインたちは、魔物を倒す能力を持った者たちだけで構成される“選抜クラス”の一員(教員もいる)。その中でも主人公は世界でたったひとりだけ存在するという、高いエーテル生成能力を持った“マレビト”だ。ストーリー部の流れは、ヒロインと会話を重ねて絆を深めていき、いっしょにマズルサークルを冒険する要員“星の子”作りを進めていくというもの。1回あたり、3人の女子聖徒との会話が可能で“星の子”を作ること自体は、わずかな会話機会でいきなり“愛交ノ儀”に進むこともできるが、女子聖徒との親密度が高いほど、基礎能力が高い星の子が生まれる仕組み。従って、“こまめに交流する”、“女子聖徒からの質問にいい男性を演じる回答をする”のが、絆を深めるポイントなのだ。

↑会話中はヒロインの表情がフルビューで観られる。この笑顔が見たいがために、主人公はがんばれるのだ!?

 宿舎に戻り、休憩をすれば時間が進行。再び3人の女子聖徒と会うことができるようになる。ゲーム序盤は、まずはダンジョンをラクに進めるために星の子を増やすことを優先しよう。出会いを重ね、“愛交ノ儀”に必要な“KP”(キズナポイント)を増やして、3チーム分(9人)揃うまでせっせと聖徒と星の子づくりに励むのがいいぞ!

 本作で登場するヒロインは7人。ゲーム進行に応じて、交流できるヒロインが増えていくのだが、もちろんそれぞれに“とっておき”のエピソードが満載。ふたりだけのヒミツを紡いでいく感覚が、もうドキドキものなのです。表情やモーションも前作から大幅パワーアップしているから、見どころも大いにありますぞ!

↑星の子を作るための聖なる儀式、“愛交ノ儀”。初体験は誰でも緊張するものらしいぞ! 男女の絆を確かめあうのだ。
女子聖徒との会話内容でストーリーが変化
↑聖徒学園の全体マップ。会うことができるヒロインはここで表示される。ストーリー展開に影響のあるイベントが存在する場合は、マップ画面上に明示される。“今日は誰にしようかな?”という男子ゴコロ丸見えの画面。

 ゲーム面から注目したいのは、この会話行動自体が、ストーリーに絡むイベントと密に連動しているということ。会話を進めるほどに、学園や都市内で起こるメインエピソードがどんどん進行する。お気に入りの女子聖徒のことがよくわかるだけでなく、“KP”が増えて、同時に物語も進み……と非常にテンポよくゲームが進んでいく。

 女子聖徒と関わらないイベントについては、行動メニュー内の“ストーリーを進める”を選択すればつぎに行う行動を指示してくれる。たとえば、ほかのアドベンチャーゲームでありがちな、“何をしたらいいかわからない”、“状況進行を目的にひたすら交流イベントを選択”といった不毛な行動をする必要がなくなり、プレイアビリティがかなり向上しているのだ。

 ストーリーについてネタバレをしない程度に軽く言及すると、途中からひと筋縄では行かない、複雑かつミステリアスな方向へと話が展開していく。その“気付き”から、俄然ストーリー部の魅力が加速する……とだけ、言っておこう。ストーリーのボリュームが前作の2倍という言葉通りの“深さ”を感じてほしい。

気持ちよさと手応えのあるバトル!

 続いては、魔物たちの巣“マズルサークル”に潜入するダンジョン攻略部について。プレイしてすぐに感じたのは“RPGとして遊びやすくなった!”という印象だ。前作にもあった星の子とチームで戦うバトルシステム“ターン制ポジショニングバトル”は戦略性が高い反面、システムを覚えるまでが少々たいへんといった面もあった。だが、本作では、序盤からパラメーターをとくに意識せずに戦えて、特殊なシステムについては必要な状況で随時解説が入って実践できるので、すんなり身についていく。この辺りは“被ダメージが大きくて、ちょっと歯応えがあるゲームかも……”という前作から違う点。いろいろな行動を試す余地もアリなのだ。

 画面表示関連では、前作との大きな違いのひとつに、“シンボルエンカウント”になったことが挙げられる。前作では、ダンジョン内に敵の姿そのものが表示されて、接触でバトルが始まったが、今回はさらに簡略化されて、敵のシンボルだけになった。それだけでは何が違うとお思いだろうが、ポイントは自分との強さ関係が色で示されるということ。

 自分より弱く勝てそうな敵は青で、逆に強い敵は赤で表示される。だから、ちょっと体力や能力に自信がないときは、赤色の敵だけから逃げるように進めばいいのだ。また、弱すぎる敵はバトル画面に切り替わらず触るだけで即破壊。このようなことから、とにかくダンジョンで“引っかかる”ということが大幅に少なくなっているのが好感触!

↑ターン制ポジショニングバトルは敵を四方から囲んで戦うシステム。本作ではポジション移動の操作がより簡単になり、サクサク動けるぞ。
↑ダンジョン探索中の画面。扉の前に赤いシンボル(自分より強い敵)が立ちふさがっている。ここは勇気を持って戦いに挑むしか!
↑主人公とヒロイン、星の子3チーム×3人の計11人によるパーティー。チーム編成や装備は、ほぼワンキーで可能になっているので、頭を悩ますこともないハズ!
↑リスクの高い攻撃をすることでゲージが増え、特定レベルにまで達すると獲得パラメーターが増える“真・チェインシステム”。駆使するとモリモリレベルが上がるぞ!
ふたりの愛の力を見せつけよう!

 攻略部で加わった新規要素。その中でも最大の点となるのが、女子聖徒といっしょにダンジョンにいけるようになったこと。バトルでは女の子の行動は主人公と共同でパラメーターも共有。つまり、星の子1チーム相当と同じ。主人公が攻撃を選ぶと、ふたり分の攻撃が同時にくり出せるという仕組みだ。ダンジョンに出撃する前に7人の女の子からひとりを選ぶことになるのだが、お気に入りの女子聖徒だけを連れるもヨシ、星の子のチーム構成に合わせて母親となる女子聖徒を連れるのもヨシ(親密度に応じて、星の子が守ってくれる“インターセプト“というシステムが存在する)、ここは男性諸君のお好みに応じて選んでほしい。もっとも、それぞれが異なる攻撃属性を持っていることから、7人の女子聖徒とできるだけ多く出撃してレベルを均等に上げていくほうが、ほうが後々ラクになることは、ひと言付け加えておこう。

↑主人公とヒロインによる攻撃。序盤では星の子より攻撃力があるので、敵の弱点を積極的に狙い撃ちしていくのがオススメ。
↑特定条件下で使用ができるヒロインとの合体攻撃“セブンスバレット”で大ダメージを与えられるぞ。ヒロインによって攻撃の種類が変わるのだ。
まとめ、そしてお気に入りは誰よ?
↑そのうるんだ瞳と、あくまで謙虚を貫く振る舞いは数多くの男性諸氏を戸惑わせる破壊力を秘めている(と勝手に思っている)。ちなみに7人のヒロイン中、最大の巨乳らしいぞ!

 ヒロインとの恋愛シュレーション的要素や、星の子チームを駆使したターン制ポジショニングバトルのシステムなど、前作での特徴はそのままに、よりゲーム面の濃度が上がった進化作と言える。愛交ノ儀を中心としたある意味過激で挑戦的(?)な“男子向けドキドキ要素”がクローズアップされるのは当然ではあるが、じつはゲーム部分は非常に親切な作りで、攻略のしがいがあることは、ここに強調しておきたい!

 ……と、原稿を締めようと思った矢先、担当編集者より「いちばん好きなヒロインについて、その愛を必ず語ること!」という命が届いた! ファミ通.com上でそんな恥ずかしい告白をさせるのよ? 参ったなあ……。そりゃ、ワタクシ、プレイ中はナリカちゃん一途でしたよ! 主人公と同じクラスの隣りの席、クラスの副委員長も務める優等生で清楚、だけどちょっとドジ……って、これはもうあらゆる必要条件を全部揃えた王道ヒロインでしょう! モジモジしながら「戦略立案討論会の発表に自信がなくてどうしよう」なんて悩みを打ち明けられたら、そりゃ健全な男子なら一から十まで全部お手伝いするでしょう、普通! 

 でも、背の小ささとペッタンな胸がコンプレックスのツンデレ三年生セリナちゃんのゴキゲンを取っていくのも快感だし、天真爛漫なクロエ先生から元気をもらうのも楽し……いや、どれも“マレビト”の使命と責任があってこその行動なんです! 

レース系、ローグ系RPG、アーケードゲームをこよなく愛するライター兼編集者兼何でも屋(最近はトークイベント司会などもこなす)。このたび、某アーケード専門誌の編集部を卒業して、このたびドトウのフリーランス戦線に復帰。好みの女性像を告白させられる羞恥プレイ原稿は、今回生まれて初めてでございましたとも!
本作は前作より世界観を一新し、前作を遊んでいないユーザーさんにも安心して遊んでいただけるようにストーリーを構築しています。また、ゲーム要素としては、ヒロインと交流を深め、より強い子供を生み、チームを編成しダンジョンを攻略するという、RPGと恋愛アドベンチャーの要素を併せもつゲームですので、ヒロインに興味を持っていただいた方にも、RPG部分が気になった方にも楽しんでいただけるように作り上げております。配布中の体験版も一度ぜひプレイしていただいて、その後製品をお手にとっていただければありがたいです!
前作『コンセプション 俺の子供を産んでくれ!』ではアソシエイトプロデューサーを担当し、本作ではゲーム制作全体を指揮するプロデューサーを務める。
©Spike Chunsoft Co., Ltd. All Rights Reserved. ※画面はプレイステーション Vita版の開発中のものです。