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鋼鉄対談!前編

カプコン 北林達也プロデューサー/フロム・ソフトウェア 岡野勇ディレクター×ファミ通Xbox 360 松井ムネタツ編集長

いよいよ発売まで1ヵ月を切った『重鉄騎』。そこで、本特集記事では発売直前記念としてファン必見の対談を2回に分けてお届けする。業界唯一のXbox 360専門誌"ファミ通Xbox 360"の編集長を務める松井ムネタツが、カプコンの北林達也プロデューサー&フロム・ソフトウェアの岡野勇ディレクターに『重鉄騎』のアレやコレを聞きまくる! 前編では同作の誕生秘話から、聞いているだけで気が遠くなりそうになる開発苦労話など、ここでしか聞けない話題が盛りだくさんだ。また、対談と合わせて松井ムネタツによる"鋼鉄コラム"も用意。こちらも対談同様に全2回構成で、今回は初代Xboxで登場した『鉄騎』の衝撃について語っている。対談と合わせて読めば、『鉄騎』シリーズのすべてがわかる!

初のKinect専用タイトルは"最初にして最大のもの"に

松井 いよいよ発売が近くなってきましたが……開発にはかなり時間がかかったようですね。

北林 ええ、だいぶかかりましたね(笑)。Kinectがまだ"Project Natal"のコードネームで呼ばれていたころに、これは画期的で凄い!「これで作るなら『鉄騎』しかないね」という感じでスタートしました。

松井 Kinectが発表された瞬間から『鉄騎』を作ることが決まっていたんですか(笑)。『鉄騎』と言えば、初代Xboxタイトルの中でも専用コントローラーを始めにとくにユーザーの思い入れが強い作品ですよ。それをKinectによるジェスチャー操作へ切り換えることに迷いなどはなかったんですか?

北林 むしろ、「あのコントローラーでできなかったことも、Kinectなら実現できるんじゃないか」と前向きな考えでした。とは言え、当時考えていたことはいま振り返れば夢物語だったところもありますけど(笑)。ただ、「もっともっといろいろなことができるはず!」という気持ちがあったのは間違いないです。

松井 フロム・ソフトウェアさんといっしょにやろうと決めたのも、企画が上がった段階で?

北林 「ロボットゲームを作るとなれば、フロム・ソフトウェアさんしかいない!」と考えていましたから、企画が上がった段階ですぐお話をさせてもらいました。

岡野 話が来たときは、僕らも「夢がある話だなあ」と感じました。でも、同時に「これは大変なことになりそうだ」という気持ちも(笑)。まず考えたのは、ジェスチャー操作だとボタンを押す感触などが表現できない不安、また当時はKinectの性能がまだまだ不明でしたし……。加えて、我々が作るのであればコアゲームでなければいけないという使命感みたいなものもありました。ましてや『鉄騎』という冠がついているわけですから、例えばミニゲーム集のようなものを作るのは、僕ら的にもユーザー的にも“なし”だと思っていました。

松井 多くのメーカーがローンチタイミングでKinectタイトルを出すなか、カプコンさんは本作が初のKinect専用タイトルです。やはり、時間をかけてでもしっかりしたものを作ろうという気持ちがあったんですか?

北林 “最初にして最大のもの”を作ってしまった感じです……でも、この極端な振れ幅こそ『鉄騎』の魂ではないでしょうか。前作でも、あの巨大な専用コントローラーについて多くの人が「なんでそこまでやるの!?」と思っていたようですが、そう思われようともやるのが“『鉄騎』イズム”。そういった意味で、今回のKinect操作に対するこだわりでも“『鉄騎』イズム”がしっかりと継承されています。

松井 “なんでそこまでやるんだ感”ですね。

北林 「初のKinectタイトルなら、カジュアルゲームになるんでしょ?」と思われるのはイヤだったから、あえてその逆を突き進んだ感じです。また、そうしないとカプコンとフロム・ソフトウェアの2社が組んだ意味もないと思いました。

松井 確かにそうですよね。ちなみに、実際に開発をしてみて、Kinectというデバイスにどんな印象を持ちましたか?

岡野 “いままでにないデバイス”という感想が第一ですね。これまで進化してきたコントローラパッドの文化に、“プレイヤーの体”という要素が加えられたことに驚かされました。一方で、単純にKinectセンサーを使えば新しいものが生まれるかどうか、という点についてはイコールとは言えません。Kinectがより体験的であるように従来とは異なるゲームデザインを構築しなければ、新しい体験にはならないと思いました。

Kinectの操作は"Kinectでしかできないこと"コントローラーの併用を決めた理由

松井 ゲームデザインの点で言うと、『重鉄騎』はKinectセンサーとコントローラーを併用するというユニークなスタイルを採用しています。

岡野 両方使うというコンセプトは最初から一貫していましたね。コントローラーは長い年月を掛けて進化し続けてきたものですし、なかでもXbox 360のコントローラーの完成度はとくに高いと言われています。だから、Kinect専用タイトルとは言え、コントローラーの存在を無視する必要はないと思いました。たとえば『重鉄騎』では移動や照準といった操作をコントローラーでするわけですが、Kinectセンサーを使わなかったのは“やれなかったから”ではありません。やろうと思えばやれましたが、でもそれは結局コントローラ操作の“置き換え”に過ぎないと思ったんです。Kinectセンサーでの操作は、コントローラーではできないことに限定する。我々はこの指針に沿って判断していきました。

松井 なるほど、Kinectセンサーで操作するのは“Kinectでしかできないこと”というのは確かに重要なことですね。

岡野  Kinectを使った代表的なアプローチは大きく2つあると思います。ひとつは自分自身がコントローラーになる。アバターに自分の動きを投影して遊ぶゲームなどがソレですね。もうひとつが、『重鉄騎』のようにゲーム内のキャラクターに入り込むというもの。自分がコントローラーになるのではなく、キャラクターに何かさせることで没入感を高めるという手法です。後者のスタイルを採用したKinectタイトルは意外と少ないのですが、私は非常に可能性を感じています。映画の中に入り込むとか、恋愛シミュレーションとか……いろいろなジャンルのゲームがKinectから生まれてくるのではないでしょうか。

松井 『重鉄騎』はまさに、ゲーム内の人物になりきるゲームです。隊員と握手したり、逃げ出そうとする仲間を引き止めたりとか。

北林 従来までのKinectにはない使いかたですが、この手法は今後進化していけばおもしろいものになると思います。

松井 ちなみにボイスコマンドは使っていませんが、これには何か理由が?

岡野 ボイスコマンドに関しては、利用方法についてまだ検討すべき点が多いので、今回は見送ることにしました。

北林 あとは、現時点での音声認識は自分が喋った内容をそのまま認識できるわけではないのが大きかった。たとえば、隣の隊員に「さっきの動きよかったよ!」とか言っても認識してもらえない。

岡野 現時点ではあくまで“コマンド”なので、使う言葉が固定化されているんです。

北林 特定のボイスしか使えないとなると、臨場感を追求するうえでちょっとズレが出てしまうと思ったんです。それならば、ジェスチャー操作の開発に注力したほうがいいのでは? と判断して、今回ボイスコマンドの搭載は見送ることになりました。

誰もまともに遊べない!?衝撃的だったテストプレイ

松井 『重鉄騎』はゲームの見映えとしてはFPS(一人称視点のシューティングゲーム)ですよね。これは最初からこのスタイルで行こうと決めていたんですか?

岡野 とくに意識していたことではないのですが、“戦場を味わう”というコンセプトを表現するうえでは、やはり主観視点であることが表現上重要であると思いました。たとえばTPS(三人称視点のシューティングゲーム)ではキャラクターを少し離れた位置から見るので、周辺の情報把握がしやすく立ち回りが主体であるゲームに向くものの臨場感がFPSに劣る。つまりコンセプトをよりよい形で表現するうえで、必然的にFPSになったと言えます。

松井 兵士になりきる、という部分でもFPSは必然だった。

北林 そうですね。我々は『重鉄騎』で“自分の目で見ているものがすべて”という状況を体験してほしかったんです。たとえば、鉄騎から外を見るときはコックピット越しになるので視野がかなり狭い。実際に遊んでもらえばわかると思いますが「こんなに見えなくていいの!?」っていうくらい。しかも被弾するとガラスにヒビが入って、さらに見えづらくなる(笑)。ただ、その見づらさこそが臨場感であり、戦場のリアルなんですよ。

松井 鉄騎のコックピットに座り、操縦しているという状況を突き詰めた結果が、あの画面構成だったわけですね。

岡野 とは言え、あくまで『重鉄騎』はゲームですから、FPSの文法などはちゃんと意識しています。いくら鉄騎の操縦がよくできていても、シューティング部分がおもしろくなかったらそれはダメ。

北林 鉄騎が歩く速度もかなり試行錯誤しましたね。速過ぎると重量感が失われてしまうし、かと言って遅ければイライラしてしまう。過去に発売されたロボットゲームでも、移動速度の遅さがネックになっていることが多かったですよね。遅過ぎず、速過ぎずのさじ加減にはかなり頭を悩ませました。

松井 FPSというジャンルに対するおふたりの考えも少し聞かせてもらいたいのですが、日本においてFPSは、海外と比較した場合決してメジャーな存在とは言えません。日本でさらに盛り上がるためには、何が必要だと思いますか?

岡野 まず、海外のメーカーはFPSを作るのが非常にうまい。彼らはそれこそスーパーファミコンくらいの時代からずっと……ハードのスペック的に見た目のクオリティーは決して高いとは言えないものの、FPSを作り続けてきましたから。そしてユーザーもずっとそれを追ってきたわけです。つまり、FPSがジャンルとして日本のユーザーに合う合わないとかの話ではなく、土壌が違うのではないかと。

北林 文化の積み重ねの問題でしょうね。いろいろなタイトルが出ることで、ユーザーにも浸透していく――そういうシンプルな話であると、自分は考えています。そして、その点において『重鉄騎』で日本のFPSユーザーの層を広げられればいいな、とも思います。コアユーザー向けと言われていますが、実際はかなり新設な設計ですし。

松井 そうなんですよね。僕も少し遊ばせてもらったんですが、チュートリアルがかなり丁寧に作られていて驚きました。

岡野 あれは……本当に苦労しました(笑)。

北林 そう、あれはホントたいへんだった(笑)。

岡野 たとえば、コントローラーだったらどのボタンを押せば何が起きるかを説明するだけですが、Kinectのジェスチャー操作ではそうはいきません。

北林 開発の初期段階で、一般の人向けにフォーカステストをしてみたのですが……。

岡野 もう、愕然としました(笑)。「これだけ(説明を)入れておけば大丈夫だろう」という気持ちで臨んだのですが、いざやってみるとほとんどの人がちゃんと操作できないんです。“右手を上げて、●●を動かしてください”という指示に対しても、反応は千差万別。だからと言って、“右手を耳の横あたりに上げて”といった具合にポーズまで指定すれば問題がないのかといえばそれは違う。ゲームへの没入感が損なわれてしまいますから。ボタンやレバーの位置だけを示して、それをプレイヤーが自分のやりやすい形で押す、あるいは引く、といった操作が理想なわけです。

松井 Kinectのジェスチャー操作は、いままでのゲームのお約束が通用しないわけですね。

北林 Kinectはいままでになかったデバイスですから、言ってみれば初めてゲームのコントローラを見た人へ教える感覚で、チュートリアルを作らなければいけないんですよ。

岡野 ふだんゲームをやらない母親に、ゲームの操作方法を教える感じと言ったところでしょうか(笑)。「Aボタンを押して!」や「トリガー引いて!」なんて言っても伝わりませんよね。「えっ? えっ?」って感じでコントローラーをジッと見てしまう。Kinectの操作を伝えるというのはそんな感覚でした。

北林 それにしても、チュートリアルは本当にキツかった……。テストには9人参加したのですが、そのうちまともにプレイできたのはひとり。それを見たときに「このちゃんとプレイできなかった8人をお客様にしなければいけないんだ」と考えました。あとショックだったのが……『重鉄騎』では臨場感を出すためにキャラクターのボイスでさまざまな指示が出るんですね。隣の隊員がいろいろ言ってくることを聞いて、それを判断材料に行動するというものを考えていたんですが、いざテストをしてみると「ちょっとうるさいのでボリューム下げますね」と言う人がいたり(笑)。

松井 Kinectの技術的な面での苦労などはなかったんですか?

岡野 フォーカステストと並行して、シアトルにあるマイクロソフト本社の先端技術研究所にいろいろと協力してもらったのですが、「一度に判定するジェスチャーの数が多すぎるから減らせないのか? これは野心的なんてレベルじゃなくて、クレイジーだ!」と言われてしまいました。それでも僕らが「これはゲーム的に必要なもので、なければ成立しないものなんだ!」って譲らずにいたら、ある日「ちょっとシアトルまで来い」って言われてしまい……やばい、怒られるって(笑)。

北林 職員室に呼ばれたような気分でした。

岡野 でも実際に行ってみたところ、“マシンラーニング”という機能の搭載を提案してもらえました。これは、さまざまな動きをのパターンサンプルを蓄積して、より精度の高いデータを構築するという機械学習の機能で、最終的に200人くらいの動きを登録しましたね。

北林 日本人だけで100人以上、海外の人も100人近くモーションデータを取りました。男女はもちろん、すごく体の大きい人もいれば小さい人もいて、それぞれ動きに個人差もある。これだけのデータを集めたおかげで、だいたいの動きは把握できるようになりました。

岡野 あと、Kinectが見るデータは体のジョイント――関節部分であるという点を利用して、プレイヤーのジェスチャ判定を行うことで先読みをするという技術も取り入れました。特定のジョイントとジョイントの動き始めのデータから動作を導き出すというものです。これを使うと、リアルタイムで身体データを読み込む必要がないので、レスポンスも非常によくなる。ただし、サンプルデータは膨大な量が必要になりますけどね。

松井 先読みで遅延をなくしているんですね。

岡野 コントローラーほどではありませんが、レスポンスに関してストレスを感じることはないと思いますよ。

松井 『重鉄騎』はKinectの最先端が見られるタイトルとも言えそうですね。

北林 細かい点になりますけど、座ってプレイできるところにもぜひ注目してほしいんですよね。初期のKinectタイトルってほとんどが立ってプレイするスタイルでしたけど、コアゲームは1時間、2時間続けてプレイするのがふつうだから、立ったままというのは考えづらい。でも、初期の段階ではKinectは立ってプレイするものであり、座ってプレイすることが想定されていなかったんです。そこで我々はマイクロソフトさんに座った状態でのプレイに対応してくれるように頼んで……答えをもらう前に見切り発進しちゃいました(笑)。

岡野 本当に大丈夫なのかなあ……ってビクビクしながら(笑)。

北林 マイクロソフトさんと打ち合わせするたびに「いつ(座った状態でのプレイに)対応できそうですか!?」って必死で聞いていましたから。『重鉄騎』は発表こそかなり早いタイミングでしたが、技術的な面では、いまのKinectだからこそ実現できたタイトルです。

松井 ローンチのタイミングで出そうとしていたら、まったく違うタイトルになっていた可能性も……。

北林 ええ、もっと大雑把なゲームになっていたでしょうね。

岡野 コクピットのボタンが異常にデカイとか(笑)。

北林 でも、本当にマイクロソフトさんのサポートには感謝しています。我々からのお願いにすばやく対応してくれましたし、シアトルの本社からは技術協力もいただきました。二人三脚で作っていたような感覚ですね。

岡野 無理をお願いすることもりましたね。担当者の方が「そんなことできるわけないでしょ!」みたいな顔をすることもあったり……。

北林 ほんと、そこらへんは戦いでしたね。それこそ、『重鉄騎』ばりの激しい戦いが日夜くり広げられていたわけです(笑)。

松井ムネタツの鋼鉄コラム /『鉄騎』――ジャンル名"操縦"と巨大コントローラの衝撃

あれはたしか、2001年のE3だったと記憶している。初代Xboxに関する発表で賑わう中、カプコンからもいくつかのタイトルが発表された。おなじみのシリーズモノが並ぶ中、『ブレインボックス』(仮題)という完全新規タイトルが目に付いた。「ロボットシミュレーターである」「50個くらいボタンが付いている専用コントローラーで操作する」といった断片的な情報が入りつつも、その全貌はなかなかわからない。日本で初代Xboxが発売された2002年2月に合わせる形で、『ブレインボックス』改め、『鉄騎』が正式に公開されたのだが……これがまあ、我々の予想を大きく越えたものだった。

 ジャンル名が“操縦”というのもスゴかったが、それ以上に巨大コントローラーの存在感たるや……! 本当にロボットを操縦するかのごとく、ものすごいサイズなのだ。専用コントローラーとセットで19800円というお値段もさることながら、店頭でそのパッケージサイズを見てそのデカさにもビビる。2002年9月の発売日に、自分は量販店で購入して“持って”帰ったのだが、さすがに8キロ近くの重さがあるゲームは初めてなので、何度も休みながら家に向かったのを覚えている。パッケージを開けて、コントローラーを組み立てて……あらためてそのコクピット感にシビれた。このコントローラーがあってこそのゲームデザイン。VT(バーチカル・タンク)の起動時にしか使わないスイッチがあるなど、その"いい意味での無駄さ"加減に酔いしれるほかなかった。

 ゲーム内容はけっこうシビアだ。コントローラーの操作に慣れる必要はもちろん、敵の移動位置を予想して弾を撃つ偏差射撃が必要など、ゲームのノリも非常に“アナログ感”でいっぱい。それだけに、プレイヤーの操縦練度が高くなる=上達の感覚が味わえて楽しかった。

 そして、オンライン対戦対応の『鉄騎大戦』が2004年2月に発売となる。ゲーム発売後は、週一で有志のプレイヤーによるオンライン講習会が開かれるなど、とにかく熱心なファンがたくさんいて、ユーザー同士でコミュニティ−を盛り上げていた。基本的な戦い方から、ホイールダッシュ時の高速旋回術(転びそうになったらステップペダルをポンピングする)といった応用、戦術指南までがレクチャーされ、みんなでいっしょに上達して作戦を練っていく毎日だったなぁ。やっぱり相手も同じ人間が操作しているだけに、プレイヤーのテクニックだけで勝利することは難しく、いかに仲間同士で考え抜いた戦術を遂行するかが勝 p利へのカギだった。マップが広いものが多く、いかに敵に見つからずに先制攻撃ができるかが重要で、待ち伏せや奇襲は当たり前、敵に発見されないよう一時的に機体の電源を切るなどのテクニックも使われたりと、日々新しい戦術や操縦テクが発見されていくのも、本作の魅力だったと思う。

 『鉄騎』と『鉄騎大戦』は、どうしてもその巨大なコントローラーが話題になりがちだが、それを活かすためのゲーム部分にもかなりのこだわりを感じた。架空の未来戦争という世界観を“まるで実際に見てきたかのような”リアリティーで表現し、ものすごくハッタリの効いた高品質のウソは、ゲームの世界への没入感を高めてくれたと思う。VTから脱出に失敗するとデータが消える(!)という仕様は、これだけこだわったゲームならそれもあり……いやむしろそうでなければと、妙な納得感があった。脱出に失敗するということは、こういうことなのだ、と。

 そんな、あまりにチャレンジなタイトルだっただけに、もうこのシリーズの新作はないものと思い込んでいた。ところが……!

連載企画 イチから始める『重鉄騎』

vol. 02「かわいいヤツだぜ、ナッチ!」

6畳間でKinectを遊ぶ方法を考察本特集の担当編集者が体を張ってお届けする連載企画"イチから始める『重鉄騎』"。前回自分の部屋を晒すという恥辱プレイも終え、第2回ではいよいよゲームの主役とも言える"鉄騎"への搭乗を実践。本作ではゲームを始めると最初にチュートリアルがあり、そこで基本的な操作を習得することができる。具体的な各種アクションは写真と併せてお届けするとして、文中では魅力的な隊員たちについて触れよう。

6畳間でKinectを遊ぶ方法を考察

特集記事第1回でもお伝えした通り、本作でプレイヤーが駆る鉄騎は4人乗りで、パイロットのパワーズ軍曹(プレイヤー)以外に、装填手がふたり、通信士ひとりがいっしょに搭乗する。チュートリアルでは彼らとの顔合わせも行われるのだが、なかなか癖のあるメンバーたちである。右装填手のパーカーは新人にも関わらず言動はベテラン隊員のようで、左装填手のレイナーは皮肉屋でいつも人を小馬鹿にしたような態度。通信士のナッチだけは対照的で、顔を合わすなり握手を求めてきた。かつての英雄であるパワーズ軍曹を見て「メキシコに来たかいがあった!」なんてすなおに喜んだりして……まったくかわいいヤツだぜ、ナッチ! ちなみに、握手もKinectによる操作で行う。差し出されたナッチの右手に、こちらも右手を差し出せばOKだ。

チュートリアル中は訓練軍曹が終始威圧的な命令口調で指示を与えてくるので"軍隊感"が否が応にも高まる。とは言え、あくまで訓練なので隊員たちも気楽なもの。命令に対してボヤいたり、レイナーにいたってはタバコを吸い出すなど、それぞれのリアクションを見ているだけでも飽きることがない。しかし、そんな楽しいひとときも長くは続かないのだ……。

そう、次回はいよいよ、戦場へと向かう!

写真で見る"鉄騎"の基本操作…‥じゃなくて動作

チュートリアルではさまざまなKinect操作を学ぶが、ここではその中から基本かつ重要なものを写真とともにお届けしよう。

『重鉄騎』でKinectを始める人はオトクな同梱版がオススメ!

『重鉄騎』の発売を機にKinectデビューを検討している人に朗報。
Kinectセンサーとソフトの同梱版が、数量限定で発売されるのだ。
価格は19800円[税込]。なお、本同梱版には数量限定ダウンロードコンテンツとして 鉄騎の外観を変化させるだけでなく、性能もアップする“特殊迷彩『カーボンアサシンパック』ダウンロード ご利用コード”も封入されている。

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