“鉄騎”と呼ばれる二足歩行兵器の戦いを、巨大な専用コントローラーを用いて驚愕のリアリティーで表現した、Xbox専用タイトル『鉄騎』。その最新作が、Xbox 360で10年ぶりに登場する。本作では最大の特徴として、巨大な専用コントローラーの代わりにKinect(キネクト)という最先端技術を使って二足歩行兵器“鉄騎”を操作するのだ。本特集では、ソフト発売に向けてゲームの内容を改めて紹介するとともに、開発者インタビューや著名人インタビューなどを、複数回にわたってお届けしていく。
アクション面のリアリティーが語られることが多い『鉄騎』シリーズだが、『重鉄騎』では世界設定やストーリーに関しても、実際の世界情勢を取り入れることでゾッとするほどの現実感をプレイヤーへ提示してくる。物語の舞台となるのは、通称“シリコンカビ”と呼ばれる半導体を分解する微生物の発生によって、コンピューターの機能が失われた世界。近代文明の崩壊によって台頭したのは、前近代的な兵器を多数保有する“アジアの大国”だった。そしてこの時代、戦場の主力となっているのが、コンピューター制御を必要としない二足歩行兵器“鉄騎”なのである。『重鉄騎』のストーリーは、アジアの大国の侵略に抗い、“第2の独立戦争”とも呼べる戦いへと突入するアメリカ軍の視点で描かれていく。
2020年ごろ、通称“シリコンカビ”と呼ばれる半導体を分解する微生物が世界各地で大量発生し、コンピューターの機能は停止。その影響で、すべてのインフラが麻痺、現代社会における“国”は機能を失った。そんななか、広大な領土と前近代的な兵器を多く保有する“アジアの大国”は、コンピューター制御を必要としない“兵器”を用いて欧州へ侵攻。後に第三次大戦と呼ばれるこの戦いは、2045年にアジアの大国を中心とした“国際連合”の発足とともに終結する。
しかし、アジアの大国で新たな国家主席が政権を握ると事態は急転。“統一戦”という呼称の元、地域紛争を力で鎮圧、大規模に軍隊を増員し欧州を制圧し、アメリカ本土への上陸戦を開始したのである。東海岸線は陥落し、本土での防衛線突破阻止でジリ貧の状況となったアメリカ軍だが、2082年にいよいよ反撃を開始。メキシコへ避難していた部隊を中心に、“第2の独立戦争”が幕を開ける……。
前作『鉄騎』ではひとりで鉄騎を操縦したが、『重鉄騎』では主人公を含め計4人のクルーとともに鉄騎を動かすことになる。それぞれに役割が設けられており、欠かすことのできない存在だ。また、彼らはただ鉄騎を動かすだけの“駒”ではなく、ひとりの人間である。それぞれに個性があり、ときには主人公とのコミュニケーションを求めてくることもあるだろう。本作でプレイヤーに求められるのは、巧みなマシンコントロールだけではない。コックピットという空間のコントロールも求められるのだ。
鉄騎のパイロットを務めるのは、プレイヤーであるパワーズ軍曹。コックピット内部には数多くの機器が備え付けられており、それらをKinectを使って操作する。Kinectでの操作は、各種機器の扱いだけにとどまらない。たとえば、その場で立ち上がれば(本作では椅子などに座った状態でプレイする)ハッチを明けて外の様子を肉眼で見ることができたり、コックピット内を見回してほかの隊員の様子をチェックすることも可能だ。また、戦闘中は思わぬアクシデントも発生する。それらに柔軟に対処し、仲間を守ることもパイロットの努めだ。
コンピューター制御が行われない前近代的な構造の鉄騎において、砲弾などの装填も人の手で行わければならない。なお、左と右に一門ずつ火砲が設けられている鉄騎では、装填手も左右にひとりずつ用意されている。
鉄騎の通信士は、索敵や作戦本部との交信、戦況報告などを行なってくれる。戦闘中はプレイヤー自身が周囲の状況を把握するのが困難になるので、通信士はまさに鉄騎の命綱と呼べるだろう。
Kinectを使った体感的なコックピット操作が特徴の本作だが、鉄騎の移動やスコープを覗いての照準および発射指示など、細かな操作に関してはXbox 360 コントローラーを使用することになる。つまり、プレイヤーはコントローラーを手に持ちつつKinect操作をするのだ。若干の慣れが必要かもしれないが、熟練すれば流れるような操作が行えるようになるだろう。
鉄騎は決して無敵の兵器ではなく、敵の攻撃を受ければ装甲に穴が開くこともある。そんな、死と隣合わせの環境では、隊員たちの精神もすり減り、なかには錯乱状態となって逃亡しようとするものもいるのだ。戦場に生身をさらす行為は、死の可能性を飛躍的に高める。当然、パイロットであるプレイヤーは、引き止めなければいけないのだが……それは必ずしも成功するとは限らない。
引き止めに失敗すると―――
作戦終了後死亡通知が届く……
ここでは『重鉄騎』のミッションの流れについて紹介しよう。例に挙げたミッションは、敵軍の鉄騎が本体に合流するのを阻止するべく、移動経路を見張るというシーンからスタート。敵を待ち伏せする緊張感や、錯綜する情報など、ミッション終了までの展開は非常にスリリングだ。なお、ミッションとミッションのあいだには現在の戦況を大まかに確認できるブリーフィングが挿入される場合もある。
ミッションの中には、オンラインで最大4人までのCo-op(協力)プレイに対応したものもある。ボイスチャットも使用可能なので、フレンドと連携を取りながら戦おう。仲間が4人に満たない場合でも、コンピューターの操作する鉄騎が参加するので戦力不足の心配はなし。なお、Co-opプレイで高スコアを出すことで、複数のアイテムを入手できるチャンスもある。
ここでは『重鉄騎』のミッションの流れについて紹介しよう。例に挙げたミッションは、敵軍の鉄騎が本体に合流するのを阻止するべく、移動経路を見張るというシーンからスタート。敵を待ち伏せする緊張感や、錯綜する情報など、ミッション終了までの展開は非常にスリリングだ。なお、ミッションとミッションのあいだには現在の戦況を大まかに確認できるブリーフィングが挿入される場合もある。
完全に廃墟と化した“棄てられた街”では、見通しのきかない中で市街地戦を強いられる。思わぬ場所から歩兵に攻撃を受けることもあるので、一瞬も気を抜くことができない。
棄てられた街とは打って変わって、こちらの戦場では砂漠を行軍することに。鉄騎の上に3人の兵士が乗っており、そのなかには女性兵士の姿も確認することができる。
ニューヨークへの上陸作戦に成功して以降、快進撃を続けるアメリカ軍。これに対抗するべく国連軍が投入した切り札が、本作のタイトルにもなっている“重鉄騎”だ。その名の通りの巨大で重厚な外観を有するとともに、性能面においても通常の鉄騎とは次元の違う強さを誇る。徹甲弾すら弾き返す重装甲に圧倒的な火力、そして驚くべきは精密な動作にある。遠距離からの容赦ない精密射撃には、失われたはずのコンピューター技術を、アメリカ軍の兵士たちに意識させるほど。たった一機で戦況を覆すほどの性能を持つ重鉄騎。果たして対抗する術はあるのか?
数多くのアニメシリーズや劇場用作品を手掛け、世界的にも高い評価を得ている押井守監督が、『重鉄騎』のコラボレーショントレーラーを手掛けることが決定した。“『重鉄騎』の戦場を体験する”というコンセプトを軸に撮影中で、リアルな映像のためにポーランドロケも決行したという。いったい、どのような映像が作られるのか!?
『GHOST IN THE SHELL −攻殻機動隊−』、『イノセンス』、『スカイ・クロラ The Sky Crawlers』などのアニメ作品を手掛けるとともに、『Avalon』、『ASSAULT GIRLS』など実写映画も監督。小説、脚本提供、テレビゲームやコミックの原作など執筆活動も行っている。
Kinectによる鉄騎の体感的な操縦がウリの『重鉄騎』。しかし、その魅力を画面写真だけでお伝えるのは難しい。そこで、本特集の担当編集が、体を張ったプレイリポートを全5回にわたってお届けする。記念すべき第1回は……Kinectの設置! 初歩的すぎることこのうえなしで恐縮だが、プレイにそれなりのスペースを要するKinectの設置は、意外と真面目な悩みだったりする。とくに、自分のような6畳一間のアパート暮らしとなれば、快適なプレイ環境の構築にはちょっとした工夫が必要だろう。
我が家の間取りは6畳の1K。テレビはソファーと向きあう形で設置されており、そのあいだには膝の高さのテーブルが置かれている。まず、基本に忠実にテレビの下にKinectを設置してみたが……テーブルが邪魔で認識できず。そこで、テレビの上にKinectを置いてみたところ、無事認識することができた。しかし問題が。Kinectを遊ぶ際にはセンサーから1.8〜3メートルの距離を確保することが公式で推奨されている。メジャーでテレビからソファー前の距離を測ってみたところ1.3メートル。足りていない。加えて、テレビの上は安定感に不安が残る。どうすればいいのか!
……と、困ったふりをしてみたが、実際のところ自分は、発売以来Kinectを自宅で楽しんでいる。どうやっているのかというと、1Kの“K”の部分を活用するのだ。KinectとXbox 360本体をつなぐコードは思ったよりも長いので、これを部屋からキッチンまで伸ばし、いい塩梅の距離に椅子を置き、そこにKinectを設置。これで2メートルの距離を確保することができるのだ。ちなみに、『重鉄騎』は椅子などに座った状態でプレイするので、今回はセンサーがソファーのほうを向くように微調整をした。これでプレイ環境はカンペキダ!
以上の通り、6畳の部屋でも工夫すれば「重鉄騎」は楽しむことができる。もちろん家の構造はさまざまなので、自分と同じ方法が適用できるわけではないが、部屋だけでなく居住スペース全体を意識することで、『重鉄騎』を楽しむために必要なKinectセンサーまでの距離を作る何かしらの工夫が見つかるはずだ。
次回は、いよいよ『重鉄騎』のゲームをプレイ。鉄騎の起動から、基本的な操作などをお届けする予定だ。
『重鉄騎』の発売を機にKinectデビューを検討している人に朗報。
Kinectセンサーとソフトの同梱版が、数量限定で発売されるのだ。
価格は19800円[税込]。なお、本同梱版には数量限定ダウンロードコンテンツとして 鉄騎の外観を変化させるだけでなく、性能もアップする“特殊迷彩『カーボンアサシンパック』ダウンロード ご利用コード”も封入されている。
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