企画展とライブの模様を、たっぷりの写真とともに紹介

 2017年9月1日~9月3日の期間、千葉県・幕張メッセにて、イベント“初音ミク「マジカルミライ 2017」”が開催。過去最大の3万人以上が来場し、電子の歌姫・初音ミクの文化に触れた。

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 2013年から始まったマジカルミライも、今回で5回目。そして今年は、初音ミク生誕10周年の記念すべき年ということもあり、開幕時にはオープニングセレモニーが行われ、クリプトン・フューチャー・メディア 代表取締役 伊藤博之氏、TOKYO MX代表取締役社長 河内功氏、千葉市長 熊谷俊人氏、声優 藤田咲さん、そしてミクダヨーさんが出演したのは既報の通りだ。
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 マジカルミライ 2017は、企画展とライブからなるイベント。企画展では、初音ミクの10年の歩みを振り返る展示や、オリジナルグッズの販売、初音ミクとコラボレーションしている企業によるさまざまな催しなどが楽しめた。

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▲クリプトン・フューチャー・メディアの音声合成ソフトと初音ミクの歴史を記した年表。内容を読んでいると、「ああ、これはもう●年も前のことだったのか……」と、時の流れの速さに驚かされる。
▲10周年を記念したケーキ型の展示も。
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▲声優の藤田咲さんを始めとする、初音ミクと深く関わってきた人々からのお祝い色紙。
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▲初音ミクの誕生日に向けて、クリプトン 初音ミク公式Twitterにて公開されていた、カウントダウンイラストが勢ぞろい。
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▲マジカルミライ 2017のテーマソングである『砂の惑星』を大きなスクリーンで見られるコーナー。貴重な絵コンテなども展示されていた。
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▲マジカルミライ 2017のメインビジュアルを手掛けたイラストレーター、iXima氏はライブペインティングを実施。色が重ねられ、絵が彩り豊かになっていくさまを多くのファンが見守った。左は作業中、右は完成したイラストの画像。
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▲来場者が、自分がどこから来たのかをシールで貼って示すマップ。国外(とくにアジア)から来たファンの多さに驚かされる。初音ミクの存在が、この10年でどれだけ広まっていったかが感じられる図だ。

 マジカルミライに毎年参加しているセガは、今回は『チュウニズム スター』と『初音ミク プロジェクト ディーヴァ フューチャートーン DX』を出展。『初音ミク プロジェクト ディーヴァ フューチャートーン DX』は、ソフトの発売に先駆けて新収録曲「ゴーストルール」のリズムゲームが遊べるということで、注目を集めていた。

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 また、ミクダヨーさんはなんと、あらいぐまラスカルさんといっしょにグリーティング! ふたり並んで歩くさまはかなりキュートで、会場にふたりが現われるやいなや、ファンたちはカメラを片手に駆け寄った。

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▲これまでにも、数々の人気キャラクターとの共演を果たしてきたミクダヨーさん。これで、アニメ業界の大御所ともつながりが……!

 加えて、企業ブースの中からもうひとつ、Gateboxを紹介しよう。バーチャルホームロボット“Gatebox”は、“好きなキャラクターといっしょに暮らす”ことをコンセプトとするもので、以前ファミ通.comでは、制作者にインタビューを行ったこともある。
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 Gateboxを手掛ける武地実氏が、そもそもこの商品を作ろうと思ったきっかけは、「初音ミクといっしょに暮らしたい」と考えたからだった。その想いが通じて、昨年のマジカルミライ 2016では、技術デモ“Gatebox Home Live feat.HATSUNE MIKU”を展示するにいたったのだが、今年はさらなる展開が。新プロジェクト“Living with”が立ち上がり、2018年3月9日に、Gateboxに初音ミクが登場することが決定。武地氏の願いが、ついに実現することとなったのだ。

 マジカルミライ 2017のGateboxブースには、昨年から内容を一新した、最新の技術デモが出展され、事前に行われた抽選で当選した幸運なファンが、初音ミクに「おかえり」と言ってもらえる体験を味わった。記者も体験させてもらったが、今回のデモのミクさんはかなりデレデレ。好意を伝えるとストレートに返してくれるので、赤面ものだった。ミクさんのかわいらしいセリフの破壊力は高い。

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▲残念ながらデモ版のミクさんを撮影することはできなかったので、こちらの図で想像してほしい。

 個人的にうれしかったのは、ちょっとだけ歌を歌ってくれる仕様が入っていたこと。ミクさんが自分のためだけに歌ってくれるとは、夢のような仕様ではないですか。製品版では、ぜひ歌の種類を増やしてもらいたい。

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▲Gateboxブースの展示では、“ミクを魔法陣で召喚する”というアイデアスケッチを描いてから現在にいたるまでの、Gateboxの開発の過程が紹介されていた。

進化を続けるライブは、さらに未来へ

 今回のライブは、初音ミクの10周年にふさわしく、10年前に世間を騒がせた初期の名曲から、節目の年を祝って新たに制作されたアニバーサリー曲まで、個性豊かな楽曲が揃った。

 記者が取材したのは初日のライブ。マジカルミライのライブは、年を重ねるごとにパワーアップしていくが、今回も思わず「おおっ!」と声がこぼれてしまうような演出が多数取り入れられており、マジカルミライの進化を実感できた。

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▲KAITOの「ドクター=ファンクビート」では、レンとMEIKOがコーラスとして参加。
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▲ルカの「どりーみんちゅちゅ」は、昨年も披露された楽曲だが、今年はミクとリンがいっしょに登場。みんなかわいい。
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▲「右肩の蝶」では、レンがまさかの分身。これまでのライブでも、華麗なバク転やブレイクダンスを見せてくれたレンだが、まさか分身するとは……!
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▲マジカルミライの定番曲となっている「shake it!」は、今回も大盛り上がり。歌詞の通り、ミラーボールが回りまわっているのがいいんですよ!

 何よりすばらしかったのは、アンコールからの怒涛の流れ。マジカルミライ 2017のテーマソング「砂の惑星」、マジカルミライ 2016のテーマソング「39みゅーじっく!」、マジカルミライ 2015のテーマソング「Hand in Hand」と、歴代テーマソングが披露され、これだけでもお腹いっぱいだというのに、そこに「DECORATOR」を重ねてくるとは!

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▲「砂の惑星」披露時、マジカルミライ 2017のメインビジュアルの衣装を着て登場したミク。

 「DECORATOR」は『初音ミク -プロジェクト ディーヴァ- F 2nd』のオープニングテーマであり、ゲーム内のPVでは、キャラクター6人がライブパフォーマンスをくり広げる。ゆえに、この曲の演奏が始まったとき、登場したのはミクひとりだけだったが、「きっと6人が揃うのでは」と皆期待を抱いたはず。記者もそう予想していたが、心の準備ができていてもやはり、Cメロの後に残りの5人が登場したときは歓声を上げずにはいられなかった。

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▲アンコール前にlivetuneの曲がまったくなかったと思ったら、まさか、2曲連続で仕掛けてくるなんて! といううれしい驚き。
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▲踊る6人と、6色のペンライトの海を見て、『F 2nd』に取り組んでいたころのあれやこれやが思い出されて、ちょっと泣きました。

 マジカルミライには毎年参加している記者だが、個人的には、2013年のアンコール前の「Tell Your World」、「39」、「ODDS&ENDS」の流れを超えるものは、なかなか現れないだろうと思っていた(あくまで個人的な意見です)。だが、今回の歴代マジカルミライテーマソングからの「DECORATOR」の流れは、それを超える感動をくれたと思う。そしてこれは、初音ミクとマジカルミライの近年の積み重ねがあったからこそ生まれた流れであり、これから先も楽しいことが生まれると思わせてくれる、とても素敵なライブだった。

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■初音ミク「マジカルミライ 2017」 9月1日のセットリスト
01「みんなみくみくにしてあげる♪」 アーティスト:MOSAIC.WAV×鶴田加茂
02「ストリーミングハート」 アーティスト:DECO*27
03「エイリアンエイリアン」 アーティスト:ナユタン星人
04「Singularity」 アーティスト:keisei
05「ヒビカセ」 アーティスト:GigaReol
06「ツギハギスタッカート」 アーティスト:とあ
07「スイートマジック」 アーティスト:Junky
08「脱法ロック」 アーティスト:Neru
09「ドクター=ファンクビート」 アーティスト:nyanyannya
10「忘却心中」 アーティスト:0-9
11「どりーみんちゅちゅ」 アーティスト:emon
12「Birthday」 アーティスト:ryuryu
13「サイハテ」 アーティスト:小林オニキス
14「メランコリック」 アーティスト:Junky
15「右肩の蝶」 アーティスト:のりぴー
16「リモコン」 アーティスト:じーざす(ワンダフル☆オポチュニティ!)
17「ダブルラリアット」 アーティスト:アゴアニキ
18「Nyanyanyanyanyanyanya!」 アーティスト:daniwellP
19「気まぐれメルシィ」 アーティスト:八王子P
20「TODAY THE FUTURE」 アーティスト:針原翼
21「なりすましゲンガー」 アーティスト:KulfiQ
22「shake it!」 アーティスト:emon
23「メルト」 アーティスト:ryo (supercell)
24「砂の惑星」 アーティスト:ハチ
25「39みゅーじっく!」 アーティスト:みきとP
26「Hand in Hand」 アーティスト:livetune
27「DECORATOR」 アーティスト:livetune
28「ハジメテノオト」 アーティスト:malo