日本の『テイルズ オブ』を、そのままの形で海外へ

 2012年7月12日~15日(現地時間)、アメリカ・サンディエゴにて開催されたエンターテインメントのイベント“Comic‐Con International”(通称“コミコン”)。本イベントに参加していたバンダイナムコスタジオの馬場英雄プロデューサーに、『テイルズ オブ』シリーズの海外展開について聞いた。

『テイルズ オブ』海外展開についてバンダイナムコスタジオ馬場英雄プロデューサーに聞く【Comic‐Con International 2012】_01
バンダイナムコスタジオ
馬場英雄プロデューサー

――コミコンに来る前に、馬場さんはヨーロッパ各地を回っていらっしゃいましたが、具体的にどちらの国を訪問されたのですか?
馬場 イギリス、ドイツ、イタリア、スペイン、フランスの5ヵ国です。各国でメディアの方々に集まっていただいて、もうすぐ欧州で発売される『テイルズ オブ グレイセス エフ』のプレゼンをさせていただきました。試遊台を置いたり、限定版のお話をしたりも。それから、『テイルズ オブ エクシリア』欧州版を来年発売することを発表しました。

――弾丸の旅でしたね。
馬場 毎日違う国に移動していたので、ほとんど寝る間もなく、自分がいまどの国にいるかわからなくなるくらいでしたね(笑)。

――欧州の方の反応はいかがでしたか?
馬場 欧州では、Xbox 360版『テイルズ オブ ヴェスペリア』を発売した後、しばらくタイトルを発売していなくて、ニンテンドー3DS版の『テイルズ オブ ジ アビス』で久しぶりに欧州展開したんです。ですので、まず「久しぶりに発売してくれてありがとう!」と言われましたね。それから、「『テイルズ オブ グレイセス エフ』と『テイルズ オブ エクシリア』の発売も決まってうれしい」と喜んでくださって。とくに、パリで行われていたJAPAN EXPOのステージでは、最後のサプライズとして『テイルズ オブ エクシリア』のオープニングムービーを流したのですが、そのときファンの皆さんがすごい歓声を上げてくださいました。

――海外のファンと日本のファンのあいだに違いはありますか?
馬場 じつは、似ているんですよ。ちょっとシャイなところがあるけど、すごく『テイルズ オブ』のことが好きで、礼儀正しく接してくれます。

――海外ではどの作品が人気ですか?
馬場 やはり最近発売した『テイルズ オブ ヴェスペリア』、『テイルズ オブ ジ アビス』が人気ですが、中にはサイン会に『テイルズ オブ シンフォニア』のパッケージを持ってきてくださる方や、日本版の『テイルズ オブ エクシリア』を購入して持ってきてくださる方もいます。それから、『テイルズ オブ』シリーズファンのスペインの学生さんと直接お話する機会があったのですが、その方はなんと『テイルズ オブ ファンタジア』と『テイルズ オブ シンフォニア』を持ってきてくれました。何度もプレイしてくれているそうです。

――それはすごいですね!
馬場 また、その方のお父さんもいらしたのですが、「言語の勉強になるので、ためになりますね」と言ってくださって、うれしかったですね。

――『テイルズ オブ』シリーズを海外で展開する際、どんなことに苦労されますか?
馬場 海外では、僕らが作っているJRPGはまだまだコアユーザーさんにしか知られていませんから、まずは存在を知ってもらうところから始めなければなりません。JAPAN EXPOに2回目の参加をしたり、コミコンに初参加したりして、地道にアピールをしています。また、日本のようにコンスタントにタイトルが発売されているわけではないので、タイトル発売からつぎのタイトル発売までのブランクをどうフォローするかも課題ですね。

――RPGはローカライズにどうしても時間がかかってしまいますからね。
馬場 でも、この旅の中で、言語の壁も飛び越えて楽しんでくださる多くのお客様がいらっしゃることを改めて実感したので、そのようなファンの皆様に、日本と同じようにタイトルをお届けしたいなと思いますね。

――海外ファンの嗜好に合わせた『テイルズ オブ』作品を作る予定はありますか?
馬場 いえ、それはないです。あくまでも、僕らはいままでどおりの『テイルズ オブ』を作り、進化させて、まずは日本のユーザーさんにお届けする。そしてそれをそのまま、海外のユーザーさんにお届けする、というスタンスで作っています。日本の皆さんをないがしろにすることはありません。ただ、海外の皆さんにお届けできる機会は増やしていきたいと思っています。

『テイルズ オブ』海外展開についてバンダイナムコスタジオ馬場英雄プロデューサーに聞く【Comic‐Con International 2012】_02
▲コミコンのバンダイナムコゲームスブースで流れていた『テイルズ オブ エクシリア』のオープニングムービー。

――その試みの一環でコミコンに来られたとのことですが、初めてのコミコンはいかがですか?
馬場 やはり、まだ『テイルズ オブ』はあまり知られていないな、と感じましたが、ここでめげるつもりはありません。2年、3年、4年と地道に続けていって、「あ、また今年も来てるな」と覚えてもらうところから始めようと思っています。日本とは違うアプローチをしていかなければと思いますね。

――しかし、馬場さんがこんなに海外に滞在されていると、『テイルズ オブ エクシリア2』の開発が進まないのでは、と心配になっちゃうのですが……。
馬場 大丈夫です! 時差があって大変ですが、毎日スタッフからの報告を受けて指示を出しながらやり取りはしてますよ。ゲームのおもな要素は実装できていまして、いまは最終の段階です。

――『テイルズ オブ エクシリア2』もゆくゆくは海外展開を?
馬場 まだ予定はありませんが、『テイルズ オブ エクシリア』を展開するなら、続編も展開しないとファンの皆さんが悲しまれると思いますので……可能な限りお届けしたいですね。

――では、最後にひと言お願いします。
馬場 僕らにとって、もっとも大事なことは、日本で『テイルズ オブ』シリーズをどんどん大きくしていくことです。いままでの『テイルズ オブ』の形を継続しつつ、進化させていきます。その中で、海外のファンの方のために、日本製のRPGである『テイルズ オブ』の海外展開をさらに進めていきたいと思っています。

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