更新履歴
メニュー
▼開発運営レポート
▼ブログ
関連リンク
『モンスターハンター フロンティアG』公式ビギナーサイト
ファミ通.com
ファミ通コネクト!オン

フロンティア通信.com > MHF-Gに一言いいたい! > インタビュー すべての意見・要望を突きつける! 前編

インタビュー
すべての意見・要望を突きつける! 前編
2014/10/31 16:00

第3回となる今回は、第2回で掲載した意見・要望を『MHF-G』チームに提出し、各項目に対して全体的なコンセプトや現状認識、今後の方針をうかがった。原則的にアンケートで皆さんからいただいた意見・要望はすべて、『MHF-G』チームに目を通していただき、そのうえで可能な限りの返答をいただいた。ここでは、そのなかからとくに大きな話題についてインタビュー形式で紹介させていただく。かなり長大な内容にもなったため、今回の前編(第3回)と次回の後編(第4回)の2回に分けてお伝えしていきたい。

■聞き手
フロンティア通信スタッフ(あらじ谷塚、坂本ビス太、みぜる)

■回答者
『MHF-G』チームに帰ってきた宮下輝樹氏
『MHF-G』運営プロデューサー関野亮央氏


●意見・要望の対応について

――ふだん寄せられる意見・要望も含め、それらに対してどのようにチェックや検討、判定が行われているかお聞かせください。

関野 いただいたご意見はすべて目を通しています。また、ふだんお問い合わせフォームからお寄せいただいているご意見やご要望、外部掲示板やSNS上で拝見できるご意見に関しても、毎日・毎週ごとにカスタマーサポートチームでとりまとめて、私たちや開発メンバーにも共有してもらっています。

宮下 その、ハンターのみなさんからいただいた声を具体的にどうするかと言いますと、直近で寄せられた要望はすべて私や関野や『MHF-G』チームの主要メンバーで目を通すんですね。

さらに週に2回の定例ミーティングがあり、その主要なメンバーでそれらを精査して、直近で行うべき対応、中長期的に行うべき対応、またはその方針を決定します。

ゲームの進行が止まってしまうような不具合などはもちろん最優先で対応しますが、アップデートによる対応が必要な要望に関しては、すべて洗い出してリスト化したうえで、優先度を付けて並べ替えます。そこから、開発メンバーで修正にかかる作業時間を出して、さらに優先度を付け替えたり、実装時期を決めたりしていきます。

関野 たとえば新規のイベントを行った際には、それに関する意見・要望が数多く寄せられることが多くあります。すぐに対応できるものもあれば、対応するために大きな作業時間がかかるものもあり、次のアップデートや次のイベント開催時の参考にさせていただくという場合もあります。

本当であればハンターのみなさんからいただいた要望は、すぐにでもすべて対応できたらいいんですけど……。対応にかかる作業時間が大きいもの、小さいものがありますので、どうしても優先度を付けて順番に対応していかなければならなくなってしまいます。

「この案件はもっと早く(優先度を上げて)対応するべきだろう!」というお叱りを受けることもあります。そのため、できるだけこうしたインタビューの機会や開発運営レポート、要望対応状況などの場を通じて「『MHF-G』チームが何を考えているのか?」をなるべく包み隠さずお答えしていきたいと思うんですね。

●武器バランス調整について

――武器種間のバランスについて、まずは意見の大多数を占めている"穿龍棍が強すぎる"ことに対しての現状認識、今後の調整方針や具体的な計画をお聞かせください。 

関野 もともと『MHF-G』の初の新武器種ということで、あえて性能を高くしている部分がありましたが、同時に他武器種に比べても強すぎないようにと、慎重に調整を行っておりました。実際には、実装前に熟練ハンターの方を社内にお招きして、バランス調整会なども実施させていただきましたね。

しかし、実装から時間が経ったいま、ハンターの皆さんから「ほかの武器種との格差が広がってきている」というお声をいただいていることは私たちも認識していますので、ほかの武器種の強化、もしくは特長を特化しつつ、武器種間のバランスをとっていくことが今後の課題だと考えています。

宮下 他武器種の上方修正と言っても、単純に攻撃力を上げるということだけではありません。たとえば、ある攻撃動作の威力だけを上昇させても、100回攻撃を当てて倒せるところが98回になりました、というだけではハンターのみなさんの満足度は得られないと考えます。

単純な攻撃力の修正というよりは、その武器種の特長をより伸ばしていくような、その武器を好んで使われている方が何を求めているのか? という点を見極めたうえでの、慎重な調整が必要だと思います。

――毎回アップデートごとに、最強の武器種を順繰りに設定していくというのはどうでしょうか。

宮下 じつは、それも以前に考えたことがあります。しかし、それでは結局、「そのとき最強の武器種を使えばいい」ということで、各武器種にこだわりを持っている方を裏切ることになってしまうのでは……と。

――あるいは、武器種ごとに特定のモンスターに対してすごく有効な効果がある、とか。

宮下 武器種やモンスターごとではありませんが、シジルの"○○種特効"がそれに近いかなとは思いますね。

――剛種のヤマツカミのときに極長ランスが大活躍しましたよね。ああいった特定の武器種が輝けるモンスターが、それぞれの武器種に対して存在するとおもしろいかな、と。

関野 アップデートごとの“旬”が感じられるようなものは欲しいですね。武器種側の調整という方法もありますが、モンスター側からのアプローチもアリだと思います。とはいえ、穿龍棍は現状どのモンスターに対しても、不得手なく立ち回れてしまうため、他武器種とのバランスをとりつつの調整の必要性があることは否めません。

――アクラ・ヴァシムやゼルレウスなどは、武器種の役割分担ができていて
おもしろいモンスターだと感じました。

関野 そうですね。しかし、穿龍棍や“適応撃”スキルの登場で、そのバランスも崩れてしまったかな、とは感じています。

――やはり穿龍棍は全部入りという感じです。しかし、すべての武器種を一律に、同程度の強さにするというのもおもしろみがありませんよね。長年愛用してきた武器種が突如、違うものに変化するというのも寂しいですし。

関野 はい。ですので、やはりその武器種でしか味わえないおもしろさを損なわず、特長をより伸ばしていくような調整が必要だと考えています。今日はどの武器、明日はどの武器と選択肢が広がっていくようにもしたいです。

――現在は、ほぼ穿龍棍というような状況ですからね。武器種がばらけたパーティーというのは、昔よりも見かけなくなりました。

宮下 特定の武器種同士でなにかスキルやコンビネーション技が発動するような案が出たこともありました。そういうアプローチもありかと思いますが、まずは各武器種のバランス調整からですね。

――ひとつの武器種を調整するのにかかる時間というのはどの程度なのでしょうか?

宮下 単純に攻撃力の数値を上げるという作業自体は、相応に少ない作業時間で可能ではありますが、それによって起こるさまざまな影響、たとえば、モンスターの怯みすぎやハメなど、さまざまな懸念事項について、テストプレイなどの検証作業を通じて調整していくことには、かなりの時間が必要になってしまいます。

武器種や調整する項目によってもかかる作業時間は異なりますが、例えばG6アップデートで実施する片手剣の調整の場合ですと、方向性を決めてデータに組み込むまでに約1ヵ月。その後の検証期間も含めると2ヵ月程度になります。

――それでは、武器1本の性能を決めるのには、どのような過程があり、どのくらい時間がかかるのでしょうか?

宮下 G級武器の場合で言うと、50段階の強化がありますので、1段階ずつの性能と素材を設定します。その設定内容について、運営・開発に携わる主要メンバーで、強さはどうか、同ランクの他の武器と比べてどうか、素材入手の難度はどうかと、ひとつひとつ確認していく作業があり、これをさらにくり返し精度を上げていきます。

それに加えて、性能をデータとして組み込む期間や、実際にテストプレイのなかで武器を装備してモンスターを狩ったりする検証作業もあります。こういった性能を付ける作業と検証の作業を1本1本の武器で行っていくので、1回のアップデートで追加する武器全体で2ヵ月程度の時間を要します。

●個々の武器種について

――各武器種の基本的なコンセプト、現状認識、今後の調整方針や具体的な計画についてお聞かせください。

関野 各武器種ごとに、現状どのような考えで、どのような検討を行っているかをご説明させていただきます。

■片手剣
G6アップデートで全体的な攻撃力の上昇、および嵐ノ型での属性攻撃力の上昇などの調整を行います。こちらの修正の後、ハンターの皆さんの反応を確認させていただきつつ、今後の調整方針を検討させていただければと思います。

■双剣
現状、皆さんからのご意見およびゲーム内での立ち位置などの検証結果から、他武器種と比べて調整の緊急性は低いと考えています。優先度の高い武器種の調整とあわせて、必要に応じて調整を検討していきます。

■大剣
双剣と同じく、現状は大きな調整を考えていない武器種となります。強いて言うならば、アクションから次のアクションにつなぐ際の猶予時間が短いと思われますので、今後検討を進めていければと思います。

■太刀
秘伝防具がなければ火力的に厳しいというご意見を多くいただいております。こちらは秘伝防具の効果の一部を、他の部分に逃がすことで解消できないかと考えております。また、攻撃力の上昇などもあわせて検討できればと思います。

■ハンマー
G5アップデートで実装した調整内容に関しては、皆さんからご好評をいただいていると感じています。ただ、まだ穿龍棍の方が打撃武器として抜きん出ているという現状ではありますので、スタン値を調整するなど、今後も検討を進めてまいります。

■狩猟笛
ハンマーのスタン値に調整が入った結果、狩猟笛のスタン値が相対的に低くなってしまったため、調整を検討できればと考えております。また、旋律の効果内容に関しても、あわせて調整できればと思います。

■ランス
G6アップデートで全体的な攻撃力の上昇、一部モーションにスーパーアーマー(怯まなくなる効果)を付けるなどの調整を行います。片手剣と同様、G6アップデート後の皆さんのご意見などを確認させていただきつつ、今後さらに調整が必要か検討を行います。

■ガンランス
“いたわり”スキルがついていない状態では、他の武器種の攻撃を受けて、頻繁に攻撃の手を止められてしまうというご意見が、少なからず寄せられています。ランスと同様に、特定の攻撃にスーパーアーマーを付けるなど、より快適に立ち回ることができるよう、調整を検討させていただきます。

■ライトボウガン
火力方面に大きく伸ばすと、ヘビィボウガンとコンセプトがかぶってきてしまうため、本来のライトボウガンの立ち位置である“支援”という特長をより伸ばす形で調整できればと考えております。

■ヘビィボウガン
火力が高く、比較的強いとされている武器種であるため、現状では大きな調整を入れる予定はありません。ほかの武器種の調整とあわせて、今後検討していきたいと思います。

■弓
現状バランスのいい武器種となっておりますので、こちらも大きな修正を入れる予定はありません。ほかの武器種の調整と合わせて、今後検討していきたいと思います。

●武器や防具について

――G級武具を強化するために極限征伐戦をやらなければいけません。G級防具強化に必要な輝累石と絢累石については、通常のクエストでも入手できますが、やはり多くのG級武具を強化したり、G級装飾品を精錬しようとすると、極限征伐戦への参加が必須になっていると考えます。武具強化のために極限征伐戦に縛られたくないという意見が多くありました。

関野 武玉については、極限征伐戦以外での入手手段を考えていますが、どのタイミングにするか……というところを検討中です。極限征伐戦をLV200までがんばれば、武玉を一式入手できはしますが、現状それは誰でもできる簡単なことだとは思っていません。

また、極限征伐戦は、熟練ハンターによる“エンドコンテンツ”という意図で実装してもいましたので、単純に武玉をいまよりもっと入手しやすくした場合、これまでがんばってきた方たちからの不満も出てくると思います。それを踏まえて武玉の入手手段を考えていこう、というのが現状です。

――極限征伐戦は連戦することが前提のコンテンツですが、武玉のような特定の素材のために、モンスターを連戦するのはちょっとしんどいですよね。同じモンスターを連戦していると、そのモンスターに対する印象もだんだん悪くなり、飽きも早くなってくるような……。

宮下 それもたしかで、複数種類のモンスターを順番またはランダムに狩猟したいという声があることも認識しています。しかし、逆に複数種類のモンスターの狩猟を必須にすることがめんどうだという声があるというのもたしかなのですね。

――極限征伐戦もそうですが、G級装飾品の精錬システム(特定の防具の複数生産)と、部位破壊報酬のレア素材などの必要素材の多さが、連戦への悪印象につながっているかと思います。

関野 武具強化の初期段階は、一度クエストに行ったら1〜2段階強化できる程度で、より上のほうの段階になったら、ある程度時間を要する(レア素材などを複数使用する)ような調整にはしています。

宮下 クエストを何回連続で行うと飽きが来るのか? どこからが連戦として辛いラインなのか? という部分を見極めるのも課題だと思っています。また、数回クエストに行っただけで武具が最終強化できてしまっていいのだろうか? という部分との、ジレンマがつねにある部分ですね……。

――G級装飾品の精錬システムへの根本的な見直しは予定されていますか?

関野 基本的にG級装飾品の生産に関しては、現状直接的な緩和は検討していませんが、イベントなどで素材の排出量を増やすなどしてフォローさせていただきたいと思っています。期間限定のイベントなどで、各防具を強化しやすくなるようなクエストの配信は、今後も行っていきます。

もちろん、「イベントではなく、デフォルトの排出量や生産までに必要な素材数を調整してほしい」という声があることも理解していますが、そうしたハンターの皆さんの声に耳を傾けつつ、イベントでの素材排出量の調整という形で、なるべく即応させていただきたいという考えであります。

――G級装飾品をGからGF、GFからGXと強化したいと考えるユーザーもいますが。

関野 どういうステップを踏ませるか、ということろが悩みどころですね。装飾品GFを直接装飾品GXに強化できるようにするのか、装飾品GFからGF防具に戻せるようにするのか、GF装飾品をGFのLV1、2……と強化できるようにしていくのかなど。

宮下 GF装飾品を防具に戻す場合に、GF防具LV1に戻すことはできると思いますが、LV7のまま戻すというのは、システム的に難しいかもしれません。

関野 正直、自分がプレイしているなかでも、防具強化をGFで止めて精錬化したものの、装飾品GXが欲しくなったという場面が多々あります。装飾品を直接強化できるシステムがあれば、さらに上を目指すモチベーションにつながるかなと。今後、検討していく必要があると思います。

――G級技巧武器化してほしい武器のアンケートをとったのですが。それぞれ1位の武器は以下のようになっています。

【片手】ガルセイン
【双剣】ジルバアーテム
【大剣】ニフリート
【太刀】リッドブラッシュ
【ハンマー】怒!金獅子インパクト
【狩猟笛】ジルバフロット
【ランス】バキュームスティック
【ガンランス】トライガンランス
【ライトボウガン】ゴールドアンブレラSP
【ヘヴィボウガン】クシャレラ=カムイ
【弓】ライトリーベ

関野 なるほど、“ガルセイン”とか懐かしいですね……。デザインも人気ありましたしね。

――実装についてはいかがでしょうか?

宮下 わかりました。これはG6アップデートのG級技巧武器として実装しましょう。入手方法や時期に関しては、追ってお知らせできると思います。

●クエストやモンスターについて

――クエスト参加のチケット消費制をやめてほしいという意見も見受けられます。もともとの実装経緯と現状認識はいかがでしょうか?

宮下 もともと剛種クエストはすごくハードルの高いクエストで、まずSP武器を入手して準備してから挑んでほしいというコンセプトがありました。SP武器を作って、剛種チケットを入手して、剛種クエストに挑んでほしいという。しかし、現在ではその意味も薄れてきてしまったかなと感じています。

関野 剛種チケットとHCチケットは、いま思えばですが、後からいろいろな形で配りすぎてしまったこともあって、結果論ではありますが、あまり意味がなくなってしまったなと。

――至天チケットの導入で、またチケット制廃止の声が高まったと思います。

関野 極限征伐戦を進めた方だけが参加できる、さらに上位のコンテンツとして至天征伐戦に挑戦してほしいというところが、チケット制にした経緯になります。ただ、「遊びたいときに遊べないのでは?」と感じられる部分が、チケット制のデメリットとしてあるということも把握しています。今後は、チケットをもらえるタイミングや必要枚数などを考慮していきたいと考えています。

宮下 至天征伐戦をチケット制にするかどうかと、元気のみなもと(狩人応援コースの効果含む)を使用可能にするかどうかは、本当にギリギリまで悩みました。最終的には、チケット制のために何度も挑めるわけではなく、元気のみなもとも無効とし、「最高難度のクエストに挑戦してほしい」という形で、ゴーを出しました。

――読者の皆さんの“好きなモンスター”でも、至天征伐戦のディスフィロアは上位でした。ハンターの装備が充実することに比例して、楽に狩れるモンスターが多くなっていきますので、いつまでも最強の座に君臨し続けるモンスターというのはいませんでした。そんな中で、せっかく手に入れた強い武器や防具を使って、スキルなどで対策を練りながら挑戦できるという目的があるところが、至天征伐戦が人気の理由だと思います。

関野 実装後は、私たちもハンターの皆さんの討伐数を気にしながらドキドキしていました。

――同じく、覇種のUNKNOWNやドラギュロスも人気でした。攻撃の予備動作がわかりやすく、ちゃんと回避できるポイントがあって反撃ができるモンスターが好まれているようです。

関野 攻撃や隙にメリハリがあるモンスターは人気がありますね。今後追加するモンスターは、このあたりにも気を配って開発したいです。

宮下 メリハリに加えて、やっぱり“強い”と思えるモンスターを狩りたいですよね。G6アップデートでも皆さんを驚かせたいです。

――反対に、アノルパティスのように飛んだり潜ったりする、ハンターが攻撃する機会が少ないモンスターは人気が低かったです。じつは、アノルパティスが苦手と挙げた人は、全体の4分の1を占めるほどでした。

宮下 アノルパティスはもともと、陸海空を制するようなコンセプトで作られ、またG1アップデートではG級モンスターの頂点に存在する位置づけでしたので、多少攻撃しづらい状況が多めになることも意図した作りになっていました。いま考えるとやむを得ない事情ではありましたが、モンスターの“強さ”の表現手段として、今回のアンケート結果から勉強させていただいたなと。

――事前のテストプレイは十分だったのか、という意見もありますが。

宮下 G1アップデートは追加したモンスターの数が非常に多かったので、十分な人員を確保していたつもりでしたが、通常のアップデートと比べるとモンスター1体に費やすテストプレイやデバッグが十分ではない部分があったとは感じています。

――G2アップデート以降はテストプレイの体制に変化はありますか?

宮下 現在、テストプレイやデバッグなどの品質管理においては、ベテランから初心者までさまざまな狩猟レベルの人員をさらに多めに揃えてチェック体制を敷いています。なかでも新モンスターの調整には非常に多くの時間を割いていて、1日中モンスターを狩ったりしてテストプレイをしています。

――調整する方が実際に連戦をしているということですね。

宮下 そうですね、何日もかけて連戦しています。そのなかで、この攻撃は理不尽だから直そうとか、この防具でのダメージがこれくらいだから攻撃力を上げたり下げたりするとか、くり返し何度も調整を重ねています。

――話が少し逸れますが、剛種のガルバダオラは該当ランクではとても強く感じます。これは意図的にそうしているのでしょうか?

宮下 もともと古龍という設定や、見た目のインパクトどおり強いモンスターにしようという意図はありました。ひとりで挑むとどうしても結晶が厄介ですが、仲間がいれば解除してもらえる、といったように協力プレイをしてほしいという思いがありました。

――イベントのバレッタを除き、"結晶耐性"スキルがG級以降でないと発動できませんよね。

関野 そうですね。現在、剛種をいちばん楽しんでほしいはずのランク帯の方が結晶攻撃でつまづいてしまっていると思いますので、結晶耐性スキルはG級でなくても発動できるよう調整いたします。

――テストプレイの話題に戻ります。モンスターの動きがおかしかったり、ゲームの進行に支障をきたすような不具合は、事前にほぼ取り除かれていると思います。では、ある防具を強化する際にこのくらいのペースで遊べば、このくらいの時間で強化が終わるといったテストはしておられますか?

宮下 はい、試算しています。すべての武器や防具についてプレイして実際に強化しているというわけではありませんが、素材の入手確率や1クエスト当たりの達成時間などから計算して、生産から段階的な強化、最終強化までの所要時間を割り出しています。

――その所要時間は、コアユーザーやライトユーザーなど、どのあたりのユーザーに合わせて調整しているのでしょうか?

宮下 それはものによりけりですね。コアユーザーをターゲットにした必要素材の入手難度が高いもの、ライトユーザー向けにはその逆など。ただ、簡単すぎても難しすぎてもゲームとしての楽しみを損なってしまう、という悩みはつねに抱えながらやっています。

関野 なるべく丁度いいところを見定めて実装したいですが、すべてのハンターの皆さんに満足がいく調整というのは、本当に難しいです。このため、都度ハンターの皆さんの意見や反応を見て、素材集めが辛ければ少し楽になるようなクエストをイベントで配信するなど、リリース後に調整をすることもあります。

――モンスターやコンテンツなど、デバッグやテストプレイでもっともたいへんなものはなんでしょうか?

宮下 これも、ものによって変わりますね。たとえば、G6アップデートでは“天廊”という新コンテンツを実装しますので、いまはこの天廊のテストプレイにもっとも力を入れています。モンスターにいちばん時間がかかる場合もありますし、ケースバイケースですね。

ゲームプレイが止まってしまうとか、データが壊れてしまうとか、そういった不具合を出してしまうのは最悪の事態なので、絶対に出さないように重点的にチェックを行なっていますが、それでも100%なくすことはできておらず、ご迷惑をおかけしてしまっています。


今回は、ハンターの皆さんの関心がもっとも高いであろう“武器バランス調整”のほか、“クエストやモンスターの調整”などについてメインにうかがった。次回は、“運営・開発の体制”やマイミッションを含むさまざまな項目についてのインタビュー(後編)を掲載する。

ページTOPへ戻る