『ダンジョンズ&ドラゴンズ -ミスタラ英雄戦記-』とは?

 1990年代にカプコンは、アーケードでテーブルトークRPG『ダンジョンズ&ドラゴンズ』(『D&D』)を題材としたアクションゲームを発売した。それが『ダンジョンズ&ドラゴンズ タワー オブ ドゥーム』と『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドー オーバー ミスタラ』である。アーケードのファンから圧倒的な支持を受けた2作品だが、永らく完全な形での移植はされないまま今日に至った。
 本作はこのシリーズ2作品を、プレイステーション3用ソフトとしてまとめて収録したものである。アーケード版の再現はもちろん、攻略映像や貴重な開発資料などのボーナスコンテンツ、オンライン協力プレイにも対応と、ファン待望の決定版となっている。
 この特設サイトでは、アーケードゲーム専門誌“ゲーメスト”の元編集長で、当時のアーケードゲームに造詣が深い石井ぜんじによる攻略記事を掲載するぞ!

石井ぜんじ

アーケードゲーム専門誌“ゲーメスト”元編集長。現在はゲームライター、レビューなどを担当、ゲーム制作の仕事にも関わる。ゲーム関連ほか、SF、ミステリー、アニメなど、思い入れのできるエンタメ全般に興味あり。

イラスト:荒井清和

『D&D タワー オブ ドゥーム』紹介パート 『ダンジョンズ&ドラゴンズ タワー オブ ドゥーム』

 本作は『D&D』の世界観をベースにしてカプコンが制作した、ベルトスクロールアクションゲーム。1994年にアーケードでリリースされた。
 本作の特長は、アクションゲームとTRPGのルールを巧みに組み合わせたところにある。クレリックが刃物を使えない、トロールは炎でしか倒せない、ドラゴンのブレスが3回まで、というような設定はTRPG『D&D』のルールを反映している。
 やや難度は高めだが、統一された世界観をもとに、ち密なゲーム性を備えているのが魅力。そのオリジナリティーあふれるゲーム感覚は、ゲームセンターで多くのファンを獲得するに至った。

『D&D シャドー オーバー ミスタラ』紹介パート 『ダンジョンズ&ドラゴンズ シャドー オーバー ミスタラ』

 本作は『D&D』の世界観をベースにしてカプコンが制作した、ベルトスクロールアクションの第2弾。1996年にアーケードでリリースされた。
 『タワー オブ ドゥーム』で確立したゲーム性をベースに、ふたりの新キャラクターを追加。アクションの快適さ、アイテムや魔法選択の利便性を配慮し、より遊びやすい内容となっている。多人数で役割を分担しながら、楽しく遊べるのが最大の魅力といえる。アーケードの発売から20年近く経ったいまでも、熱烈なファンを持つアクションゲームの名作である。

キャラクター紹介

ファイター

リーチが長く攻撃力がある、肉弾戦に強いキャラクター。あらゆる場面で攻撃の主力となる。体力が多く、初心者にも使いやすいが、魔法を使うことができない。ただし例外的にリングなどの道具を使えば、魔法を一時的に使うことができる。
『タワー オブ ドゥーム』、『シャドー オーバー ミスタラ』の2作品に登場する。

エルフ

すばやく動くことができ、強力な攻撃魔法を使えるのが特徴。ショートソードを使用して接近戦をこなすことも可能だ。しかし、体力が少ないのが最大の弱点。そのためにミスは許されないが、使いこなせばあらゆる局面に対応できる。
『タワー オブ ドゥーム』、『シャドー オーバー ミスタラ』の2作品に登場する。

クレリック

武器のリーチがやや短く、ダガーなどの刃物を使うことができない。そのため単独での戦闘には不向き。しかし、回復や補助の魔法を使えるため、パーティーの中にひとりいるととても役立つキャラクター。回数制限のない “ターニングアンデッド”の呪文を使えば、グールやスケルトンを退散させることができる。
『タワー オブ ドゥーム』、『シャドー オーバー ミスタラ』の2作品に登場する。

ドワーフ

頑丈で打たれ強く、敵の魔法や特殊攻撃に対してすぐれた耐性を持っている。攻撃力が非常に高く、肉弾戦向きのキャラクター。ファイターと比べると横方向への攻撃のリーチが短いため、距離をとっての攻撃が難しいが、接近戦であればパワーで相手に大ダメージを与えることが可能。『シャドー オーバ ーミスタラ』では、対空攻撃など上下方向に攻撃範囲が広くなったり、左右への機動力がアップした。ファイター同様に、魔法を使うことはできない。
『タワー オブ ドゥーム』、『シャドー オーバー ミスタラ』の2作品に登場する。

マジックユーザー

多種多様な攻撃魔法の使い手で、その魔法の威力は絶大。しかし、非力なので、宝箱を持ち上げたり、重いものを押したりすることができない。盾でのガードもできないので、ザコ敵との戦いでは苦労する。しかし強敵との戦いでは、その魔法の攻撃力が存分に役立つはずだ。
『シャドー オーバー ミスタラ』から登場した新キャラクターのひとり。

シーフ

探索能力に秀でたダンジョン攻略のプロ。罠を見抜いたり、鍵のかかった宝箱を鍵を使わずに開けることができる。防御力は高くないが、動きがすばやく、機動力は抜群、攻撃のリーチも長いので戦いやすい。魔法を使うことはできない。
『シャドー オーバー ミスタラ』から登場した新キャラクターのひとり。

■移植作品ならではの新要素に注目

●移植作品として初の4人同時プレイを実現

過去の移植ではできなかった、オンラインでの4人同時プレイを実現。また、設定を変更することで、同じ職種4人でのプレイも可能だ。アーケード版より、さらに自由度を増したパーティープレイを楽しむことができる。
※オンラインでのマルチプレイはアップデートにより実装予定。

●チャプターセレクトとボスの攻略動画の閲覧が可能

ステージをいったんクリアーすると、つぎのプレイからそのステージまでのチャプターを選んで始めることができる。使えるアイテムや魔法の数には注意が必要だが、ボスやダンジョン攻略の練習には役立つはずだ。またチャプターセレクトの画面で、ボスの攻略動画を閲覧することができる。

●ギャラリーでは未公開の開発資料、イラストを鑑賞できる

ギャラリーでは、秘蔵の開発資料を集めた“開発ノート”や、なつかしの美麗イラスト、キャラクターの紹介映像を鑑賞できる。ギャラリーの内容に開放条件はないので、誰でもすぐに楽しめる。

●幅広い難易度設定と、周回プレイが可能

通常の難易度設定のほかに、もっとも易しい難度“ヒヨコ”、もっとも難しい難度“ドクロ”を追加。さらに1周クリアーしたあとに、装備を引き継いでプレイできる周回プレイも実装している。