プレイステーション4/Xbox One/PCでサービス中のベセスダ・ソフトワークスのオンラインRPG『Fallout 76』。2018年の正式ローンチから間もなく2周年を向かえる本作のプロジェクトを率いるジェフ・ガーディナー氏にメールインタビューを行った。

 なおベセスダ・ソフトワークスでは、日本の公式Twitterアカウントで日本のプレイヤーコミュニティに向けたAMA(公開Q&A)も実施予定とのこと。プレイヤーだからこそ気になるディープな部分について聞いてみたい人はそちらもチェックを忘れずに。

ジェフ・ガーディナー

『フォールアウト3』や『4』のプロデューサー職を経て、本作ではプロジェクトリードを務める。

ベセスダ買収の影響の有無、次世代機対応の予定など

――マイクロソフトのZenimaxグループ買収合意が決まったことで(※)、開発や運営への影響はありますか? 例えば、プレイステーションプラットフォームでプレイし続けられるんでしょうか?(※厳密には合意により作業が進められている状態で、まだ完了していない)

ジェフ プレイステーションでも現在サービス中の他のどのプラットフォームでも『Fallout 76』をプレイし続けることができます。プレイヤーの皆さんは「もしかしたら自分のプラットフォームでの提供が終わるんじゃ?」といった心配をする必要はありません。

――プラットフォームと言えば、次世代機がまもなく発売されます。『Fallout 76』をプレイステーション5やXbox Series X/Sの後方互換機能で遊ぶことはできますか? また互換動作から一歩進んだ“次世代機版”などの予定はありますか?

ジェフ 『Fallout 76』はプレイステーション5とXbox Series X/Sの後方互換機能に対応します。我々も新たなゲーム機の将来性に興奮してますし、次世代機のハードウェア性能や機能を活かせるようなパッチを出したほうがいいかどうか模索している所です。

2周年を迎えようとする現状、新規でプレイできるか?

――『Fallout 76』のローンチから2周年を迎えようとしています。ここであえて聞きたいのですが、今でも新規参入やしばらくプレイしていなかった復帰勢にとって遊べるものになっていると思いますか? イエスであるとすれば、その理由は? どうやって追いつくのがいいでしょう?

ジェフ 答えはイエスです! 過去2年間を通じて非常に多くの変更を行い、プレイヤー体験の改善とリファインを行ってきましたし、“One Wasteland”の導入はゲームの流れを再調整して、どの地域でどう遊びたいかの自由度をプレイヤーに与えることができました。

 それによって、現在は低レベルキャラクターでも“クランベリー湿原”のような初期は高レベルプレイヤー向けだったエリアのクエストや探索を行え、手応えがありつつもフェアな体験ができ、レベルに沿った適切な報酬も得られます。また“One Wasteland”では新規プレイヤーとベテランプレイヤーが組んで冒険するような事も可能になっています。(※編注:敵クリーチャーのレベルや報酬の扱いが変更され、各プレイヤーのレベル基準で処理されるようになった)

ジェフ 新規向けということではゲーム序盤のチュートリアルの流れも組み直しましたし、“Wastelanders”エクスパンションでは(ゲームの開始場所である)Vault 76を出たらすぐに取りかかれる連続クエストも導入しました。

 序盤のレベルを上げていくつかいい装備を手に入れる最速で一番ラクな方法は、Vault 76を出たら外にいる2人のNPCからWastelandersのクエストシリーズを始めることです。たくさんの新コンテンツに導いてくれるだけでなく、プレイヤーを我々が用意したいくつもの(そこから冒険が派生していく)スターターエリアに連れて行ってくれるので。

 ここで新規プレイヤーの方にコツを: 銃の弾が切れた時の事を考えて常に打撃武器を携帯しておいてください。それと、可能な限り早くレザーアーマーを見つけるか作っておく。最後に、ちゃんと食べて水分補給できているか時折確認すること!

――One Wastelandとデイリーオプスの導入は本作にとって大きかったと思います。特にミッション系のプレイの流れは根本から変わったと言えるんじゃないでしょうか。開発チームでは導入にあたって何か方針や考えが変わったりしたのでしょうか?

ジェフ 本作はしばしば「シングルプレイのMMO」と評されますし、それはある部分正しいのですが、同時に我々はいつもプレイヤーが合流したり一緒にプレイすることを促進できる方法はないか探しています。

 One Wastelandでは“イージーチーム”と呼んでいる新たなグループ探し機能があるのですが、これの目的はグループを組むための他プレイヤーをスムーズに探せるようにすることでした。イージーチームという名の通り、クエストをやりたい人も、ロールプレイをしたい人も、その他のアクティビティをやりたい人も、他の似たような考えのプレイヤーを早く簡単に見つけられますし、一緒にプレイするだけでボーナスがあります。『Fallout 76』が提供できるエキサイティングなコンテンツの中にはグループでプレイするものもありますが、それをメリットのある形で簡単にグループを組んで楽しめます。

 デイリーオプスは、プレイヤーの障壁をなくしつつグループプレイを促進するもうひとつの大きな例ですね。これは繰り返しプレイ可能なグループチャレンジで、わかりやすく定義されたゴールと報酬を目指して、あまり膨大な時間を要求せずにプレイして頂けるものです。

次期大型アップデート“Steel Dawn”とシェルター建設機能について

――12月の“Steel Dawn”アップデートで実装予定のシェルター建設機能がPTS(PC版テストサーバー)でテストされています。フィードバックはどうですか? 印象的な作品を目にしましたか? ところでこの負荷が大変そうな機能を本当に現世代のゲーム機に持ってこれるのでしょうか?

ジェフ 素晴らしいの一言です。この機能についてのいいフィードバックをもらえていますし、記録的な数のプレイヤーが参加して試してくれています!

 作品も本当にいろいろな物が出てきて驚かされています。ハロウィンテーマのシェルターや罠だらけの迷路などはすごいのがいくつかありましたね。この建設機能のゆるい縛りのおかげでプレイヤーの創造性がすごく発揮されているようです。置けるアイテムの数なども増えているんですよ。

 それで現世代のゲーム機で動くのかという懸念ですが、地上のオープンワールド部分では他プレイヤーのC.A.M.P.や長い描画距離といった要素を考慮しなければいけないのに対して、シェルター建設機能はプレイヤーごとの独立した空間となっているため、より多くのマシンパワーを利用できるんです。

――シェルターのベース部分はいくらかかりますか?

ジェフ 我々としては、シェルター建設のメリットを、できるだけ多くのプレイヤーに体験してもらおうと考えています。従って、全プレイヤーが1個目のシェルターへのアクセスを無料で得られます。Steel Dawnがローンチしたら、ぜひ試してみて下さい!

 Fallout 1stを契約している方は追加の2個めのシェルターを受け取ることができ、3個めのシェルターはアトミックショップで購入できる予定です。価格はまだ確定していません。

――Steel Dawnについてもっと話せることはありますか? Expeditions(探検)は遅れることが決まりましたが、シェルターや新クエストや新装備以外に何があるのでしょうか? 新装備はどんなものでしょうか? そしてExpeditionsとデイリーオプスはどう違うのでしょうか?

ジェフ Steel Dawnは今年この後に次のパッチで導入され、アパラチアにブラザーフッド・オブ・スティールが帰ってきます。クールなクエストラインとともに新たなストーリーがあり、興味深い新NPCと出会ったりやりとりできるほか、新たなダンジョン体験もあります。

 新たなアイテムは、いくつものユニークなレジェンダリーのクエスト報酬があり、その中には新たなウォーグレイブもあります。ネタバレはあまりしたくないのでここまでにしておきますが、報酬はとてもユニークでエキサイティングなものになっています。

 “探検”は来年やってきます。ユニークなロケーションで展開される、より大きなクエスト体験になっていて……今言えるのはここまでですね。今後の発表をお楽しみに!

――Fallout 76のプレイヤーコミュニティは、稼働初日からこのゲームにとって最高のものでした。“Feed the People”のクエストバグを覚えていますか? バグでサーバー内の人に缶詰を配るためにプレイしている人がいて、修正の際には惜しまれたぐらいです。このメールインタビューの締めくくりに、日本のウェイストランダーたちにシャウトを!

ジェフ はい、あの「バグじゃないバグ」の事はよく覚えていますよ。あれから2年で、我々は皆さんのフィードバックを読み、何が間違ったのかを考え、とても沢山のことを学んできました。

 どうも皆さん! ジェフ・ガーディナーです。日本のすべてのウェイストランダーに多大な感謝を! いま準備しているAMA(公開Q&A)でできるだけ多くの皆さんからの質問にお答えできるのを楽しみにしています。ありがとう!