僕、ミス・ユースケがいまいちばん気になることは“上司にザリガニを食べさせた後の評価・査定”である。
上司にザリガニを食べさせる。多くの会社員は未経験だろう。僕もそんなことをする日が来るとは思わなかった。
きっかけはスマホアプリ『フードファンタジー』の記事制作。ゲームの魅力をファミ通.com読者に伝え、その流れで上司にザリガニを食べさせることになったのだ。
冷静になって考えると、理論展開がややダイナミックな気がする。ひとつずつ整理していく。
『フードファンタジー』のゲーム概要については、下記のページも併せてご覧ください。
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フードファンタジー特設ページ
女王様にしゃけの頭を貢ぐ
『フードファンタジー』はグルメを擬人化した“食霊”たちを育成するRPG。食霊たちと協力してレストランを経営するシミュレーションゲームとしての顔も備えている。
擬人化系のコンテンツは男子向け、女子向けと分かれているイメージがある。かわいい女性キャラが多い=男子向けみたいな。
その点、『フードファンタジー』は男女のバランスがいい。擬人化ゲーム界のオールラウンダーと言える。
レストラン経営は本作ならではの要素だ。バトルで集めた材料を使ってレシピを開発し、お客さんに提供するのが基本的な流れ。
料理をたくさん作ると、その料理のランクが上がっていく。序盤はまんべんなくランクを上げるのが難しいので、“激辛しゃけかぶと焼き”を極めることにした。これが僕のスペシャリテ(看板料理)だ。おあがりよ!
作った料理を食霊にプレゼントすると好感度がアップ(好物をあげるとより効果的)。好感度レベルが上がると固有のエピソードが開放されるほか、ステータスが強化される。
当然、強い食霊の好物をたくさん作るのがベターだ。だが、2018年11月現在、激辛しゃけかぶと焼きを好む食霊は未実装。そうか、激辛しゃけかぶと焼きは求められていないのか……。
それでも、落ち込んでなんかいられない。料理人としての僕の魂が激辛しゃけかぶと焼きと引き合ってしまったのだから。
いつか激辛しゃけかぶと焼き好きの食霊が実装される日を信じて、調理の腕を磨き続けよう。
作った激辛しゃけかぶと焼きは辣条に貢ぐことにした。沢城みゆきさんボイスの女王様キャラだ。
過激なファッションと艶やかな声が心の奥の柔らかい場所を刺激する。それはもうすごい勢いで。耳を澄ますとぞくぞくする。
お姉さんキャラ好きとしては、彼女のことを知りたくてたまらない。だが、1日にプレゼントできる数は決まっているから、なかなか好感度が上がらない。ああ、もどかしい。
これが男と女の駆け引きか。完全に辣条の術中にはまっている。しもべから大量の激辛しゃけかぶと焼きを貢がれるなんて、女王様も想定外だと思うが。
と、仕事で始めたにも関わらず、何だかんだで『フードファンタジー』を楽しんでいる。いちばん悩むのがスタメン決めだ。
食霊5人でひとつのチームを編成する。メインのチームには誰を加えようか。性能で選んでもいいし、外見重視も捨てがたい。
ふだんの僕ならまず外見なのだが、『フードファンタジー』にはもうひとつ基準がある。味だ。グルメがモチーフなのだから、好きな料理・食べたい料理を育てたいと思ったのだ。
好きな料理を5つ揃える。それはつまりコース料理みたいなものだろう。記事のキャッチコピーは「自分流のフルコースを完成させよう!」なんてよさそうだ。コンセプトがきれいにまとまっていく。
僕のフルコースはどうなるのか。外見と味を基準にして好きな食霊を挙げてみる。
ここであることに気づいた。すべて液体だ。こんなにしっとりしたフルコース見たことない。レストランで順番に出てきたらコントを疑う。
せめて5人目は固形物がいい。辣条(中国のスナック菓子)はどうだ。いや、スナック菓子がメインディッシュのコース料理なんて切なすぎるだろう。
そう言えば『フードファンタジー』を始めたときから食べたい料理があった。麻辣ザリガニだ。
麻辣ザリガニはストーリー序盤の敵役。ザリガニはフランス料理の高級食材で、日本でも沼で捕獲して食べる人がいると聞いたことがある。きちんと泥抜きや調理をすればうまいらしいのだ。
よし、ザリガニにしよう。せっかくだから食おう。ライター目白黒さんに相談したら「いいですね。それ記事にしましょう」みたいな流れになった。迷いがない。
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麻辣ザリガニ(声:江口拓也)を作って食べたら『フードファンタジー』の楽しさが倍増しました【PR】
特筆すべきは、これが広告記事ということだ。許可したFUNDOLL GLOBALさんはすごい。男の中の男とはこのことか。
“フルコースを1画面(ワンプレート)に収める”ということで、お子さまランチ用のお皿に盛りつけた。
絵描きさん界隈では、以前から“ほしいキャラの絵を描く”という文化がある。僕もそれに倣ったつもりなのだが、麻辣ザリガニはいまだに来てくれない。
チームをコース料理(お子さまランチ)に見立てる。この考えかたは気に入っている。みんなのコース料理を募集するキャンペーンやイベントがあったら楽しそうだ。
上司をザリパに招待する
お手製の麻辣ザリガニはうまかった。だからこそ、お世話になっている人にもごちそうしたい。そんな気持ちが芽生えた。
そう、成長である。僕の心が会社員として成長している。その結果として「ザリガニをごちそうする」のが正解かどうかはわからないが、上司をザリパ(ザリガニパーティー)に招待した。
ゲストはファミ通書籍編集長・谷塚、週刊ファミ通編集長・林、ファミ通.com編集長・三代川。それぞれ僕の元々上司、元上司、現上司だ。パーティーの始まりだぜ。
こういう撮影時は大げさにリアクションするのがお約束だ。
だが、麻辣ザリガニを前にした林編集長は「どういう顔をすればいいかわからない」と、新世紀エヴァンゲリオンの綾波レイみたいなことを言っていた。
なかなか手を付けてくれない上司たちを、「食べものは粗末にできないじゃないですか」と説得した。これは何ハラと言うのだろう。
上司たちの反応は、
「スパイシーな香りはいい」
「ユースケの料理の腕を信頼できない」
「本物のシェフが作ったものを食べたい」
だった。もっともである。とはいえ、おもてなしの心を評価してもらえたら幸いだ。
『フードファンタジー』で未知の料理と出会えた。実際に食べたらうまかった。広義では本作の楽しみかたの一種だと思う。また知らないのが出てきたら食べてみよう。
それと、知り合いの寿司職人さんにザリガニの件を話したら「今度持ってきな」と言われた。僕のザリガニライフは始まったばかりだ。