2016年10月25日、セガ・インタラクティブは、アーケードゲームのIP(知的財産)をさまざまなデバイスに展開、各種デバイスに最適化したコンテンツやサービスを提供する“マルチデバイス×ワンサービス”の新事業戦略発表会を開催した。ここでは、その発表会に出展された、マルチデバイス×ワンサービスの先駆けとなる3タイトル、『CODE OF JOKER Pocket』(コード・オブ・ジョーカー ポケット)、『StarHorsePocket』(スターホースポケット)、『SOUL REVERSE ZERO』(ソウルリバース ゼロ)のプレイインプレッションをお届けする。

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シリーズ未経験者向けでアーケード版プレイヤーには懐かしい!? 『CODE OF JOKER Pocket』

 デジタルトレーディングカードゲームの先駆けとして2013年にアーケードに登場した『CODE OF JOKER』が、満を持してスマホアプリとなり、『CODE OF JOKER Pocket』(以下、『COJP』)として登場。2016年冬配信予定だ。

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▲『COJP』の基本的なゲーム画面。

 アーケード版をプレイしたことがある人にとっては、エージェント(プレイヤーキャラクター)やユニットの全身グラフィックが表示されない点には、けっこうな違和感を受けるかもしれないが、これはスマホでもテンポよくプレイ可能にするために最適化した結果だろう。メインのゲーム画面以外にもアーケード版とは違った見せ方はあって、たとえばカードをタッチすると表示される、そのカードの能力や効果を説明するテキストは、『COJP』の場合、スマホのほぼ全画面に大写しされるようになっている。おかげで5インチ前後のスマホの画面であっても、はっきりとテキストを確認することができた。

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▲一部の強力なユニットの攻撃や、エージェントが持つ切り札、ジョーカーカードを発動した際などは、アーケード版に近い演出が見られるようだ。

 スマホ用に改良された画面のレイアウトとは異なり、ゲームシステムやプレイ感覚自体は従来の『COJ』そのもの。体験会前のプレゼンで『COJ』総合プロデューサーの西山泰弘氏も語っていたのだが、同じカードを重ねて場に出す前にユニットをレベルアップさせる“オーバーライド”や、相手のターンであってもうまく使えば反撃に転じられる“ブロック”など、『COJ』ならではのシステムは、実行した際の効果音やエフェクト込みで完璧に再現されていた。

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▲一部演出がシンプルになった分、ターンの移り変わりはアーケード版を超える勢いのスピード感。

 ゲーム的な部分で現在稼動中のアーケード版と異なっていたのは、使用できるカードが“おおむね”1.1EX2バージョンまでということと、ふたりのエージェントを選ぶ“ダブルジョーカーシステム”が存在しないという点。そのため『COJ』プレイヤーにとっては稼動初期を懐かしむような感覚でプレイでき、シリーズ未経験者の人にとっては比較的シンプルな環境で『COJ』独特のバトルを楽しむことができるようになっている。ほかにも対CPU戦では制限時間を気にせずプレイ可能、ほかのプレイヤーのデッキをワンタッチでコピーできるなど、初心者に向けた機能が数多く導入されていた。『COJP』単体で遊びこめるのはもちろん、アーケードデビュー、もしくはカムバック用にも効果が高いアプリになりそうだ。

徹底的に“自分本位”なペースで愛馬育成&レース予想が楽しめる『StarHorsePocket』

 『COJP』と同様、『StarHorsePocket』もスマホで快適にプレイできるよう、画面レイアウトや操作方法にさまざまな変更が施されていた。『StarHorsePocket』プレイ時にまず目を引いたのが、馬券の購入画面。

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▲『StarHorsePocket』の馬券購入画面。マークシートの部分をタッチして塗りつぶすことでベットできる。アーケード版以上に実際の競馬場での馬券購入に近づいた形だ。

 このマークシート方式のベットは、現実の競馬を楽しむ際にテンションが上がる“馬券購入の瞬間”を疑似体験できるだけではなく、マークシート部分をフリックして横にずらすとオッズを見ながらベットができるなど、スムーズに予想パートを進めるという点でもひと役買っている。また、複数のプレイヤーが同時に予想や出走を進めていくアーケード版と違い、ベットに時間制限がなく、じっくり情報を見て予想ができるのも、筆者のような競馬初心者にとっては助かった。

 スケジュールの進行に制限が少ないといえば、厩舎パートも同様。調教や飼葉の選択に制限時間がないほか、アーケードでは自分の持ち馬の年齢や能力とレーシングプログラムがかみ合わないと出走させるレースが来るまで待ち時間が発生しやすかったが、『StarHorsePocket』は基本的にプレイヤーひとりに合わせて進行するため、サクサク馬の育成を進めることができた。

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▲愛馬の育成をテンポよく行えるのも『StarHorsePocket』の特徴。
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▲レース中の視点を自分の好きな馬に切り替える機能の追加や、杉本清アナのボイスに愛馬を中心にした実況パターンが追加されるなど、演出面でも愛馬をフィーチャー。

 そして厩舎パートに関しては人気イラストレーターTony氏が手がけた秘書が登場するという、『StarHorsePocket』独自の新要素も盛り込まれている。“秘書が追加される”という文面だけだとそこまで大きな変更点とは思えないかもしれないが、実際にそのビジュアルを目にした際のインパクトはかなりのもの。秘書の情報に関しては10月27日発売の週刊ファミ通に詳しく掲載されているので、そちらをチェックしてほしい。なお、『StarHorsePocket』は今冬予定。
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作りこまれた英霊と派手なソウルアーツが印象的『SOUL REVERSE ZERO』

 『COJP』、『StarHorsePocket』とは逆に、スマホアプリが先行してサービスを開始する『SOUL REVERSE ZERO』(2016年11月下旬配信予定)のジャンルはファンタジーRPG。主人公やヒロイン、シナリオの進行やガチャで召喚(入手)できる古今東西の“英霊”を育成していく、スマホアプリのRPGとしてはスタンダードなタイプのRPGだ。

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▲主人公たちが最初に召喚した英霊として登場するアーサー。今回の体験会では、ファンタジー系のRPGでおなじみのヨーロッパの英霊をはじめ、曹操や関羽といった三国志の登場人物、日本の戦国時代の武将なども確認できた。

 ただ、スタンダードとは一口に言っても「セガのAM2研が総力を挙げて制作している」(『SOUL REVERSE ZERO』プロデューサー、平井徳一氏)が語るように、ゲームの見た目(グラフィック、演出など)は非常にゴージャス。とくにバトル時の英霊の3DCGは、各種攻撃やアーツのモーションなども豊富かつハイクオリティで、そのままアーケードに持ってきてもそん色のないレベルだと感じた。

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▲英霊には通常攻撃、アーツ、スキルアーツと、最低でも3つのアクションが用意されている。写真は1クエスト中に1度だけ発動できる切り札、スキルアーツ。

 バトルは基本的に自動で進んでいくが、攻撃するターゲットを選んだり、アーツ、スキルアーツを発動することで戦いに介入できる。画面下部に表示されたパーティーメンバーの顔グラフィックをタップすると使用できるアーツは、縦一列を貫通する攻撃、前衛の敵すべてを同時に攻撃、味方の体力を回復する……などなど、英霊によって効果はさまざま。縦、横に効率よく敵を攻撃できるアーツを持った英霊を組み合わせたパーティー(最大6体)の編成、ゲージを消費することで使用できるアーツの上位版ともいえる強力なスキル、ソウルアーツをどのタイミングで使っていくかが、バトルを進めていくうえで重要になりそうだ。

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▲今回の試遊では縦方向を貫通するアーツと、横一列を一度に攻撃するアーツを持つ英霊をバランスよく編成すると、1クエストにかかる時間をかなり短縮できた。強敵が現れるであろう後半のクエストでは、回復系のアーツを使うタイミングがキモになりそう。

 今回の試遊では、メインクエストや英霊それぞれに用意された個別シナリオといったシングルプレイでのバトルに加え、ほかのプレイヤーと共闘できる協力クエストも体験できた。協力クエストは英霊を2体選び、アタッカー、ディフェンダー、ヒーラーの役割のうちいずれかを選択し、残った役割を選んだプレイヤーと強敵に挑むという内容。このモードでのバトルは、シングルプレイ以上に戦況を見て回復系やステータスアップ、そして敵の能力を下げる系のアーツ&ソウルアーツの使いどころが重要になりそう。また、選んだ役割によって効果が変化するサポートキャラ(ヒロインとマスコットキャラ)の活用も、クエストクリアーのためのカギになりそうだった。

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▲低難度でクリアーしやすいクエストから、プレイヤーどうしの協力が不可欠な強敵まで、サービス開始の時点からさまざまな内容のクエストが用意されているようだ。

 今回紹介したタイトルは、いずれも事前登録キャンペーンを展開中。事前登録したプレイヤー数によってゲーム開始時にもらえる特典が豪華になっていくうえ、『COJP』と『StarHorsePocket』に関しては、現在稼動中のアーケード版にも何かしらの特典がもたらされる模様。特典の詳細は各タイトルの公式サイトで紹介されているので、ぜひそちらをチェックしてほしい。