ゲームの世界を再現したライブを実現!
2016年5月22日、『クーロンズ・ゲート』のサウンドを演奏するライブイベント“クーロンズ・ゲート コンサート 2016 九龍夜奏繪”が開催された。ゲームの発売から19年を経て初となるコンサートには、往年のファンが集結。さまざまな趣向も凝らされて大いに盛り上がった、そのステージの模様をお届けしよう。
コンサート会場は、都内の“東京キネマ倶楽部”という、昭和初期のダンスホールを髣髴とさせるレトロなライブハウス。ゲーム内に登場する“天堂劇場”をイメージした舞台設定だ。また開催日の5月22日は、ゲームのメモリアル・デーである“ファイアの日”という記念すべき日。ファイアの日に天堂劇場でライブが楽しめるという、ゲームの世界に迷い込んだような演出が話題となり、イベントには多くのファンが詰めかけた。
メインプレーヤーとしてステージを取り仕切ったのは、『クーロンズ・ゲート』のサウンドを手掛けた作曲者・蓜島邦明氏。CMからテレビドラマ、映画、ゲームなどマルチに活躍しており、『世にも奇妙な物語』、『蟲師』など多数の代表作がある。なおバックの演奏は、弦楽四重奏とブラスセクションという編成の“天堂劇場演奏団”が担当し、生演奏の迫力を見せつけた。
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作曲の蓜島氏率いる演奏団が熱演!
続いては肝心のコンサートの模様を、おもに演出面を中心に、フォトレポートの形で紹介しよう。
まずオープニングアクトは、DJによるパフォーマンス。『クーロンズ・ゲート』のゲーム画面をコラージュした映像をバックに、サウンドに合わせてときにはゲーム内のキャラクターのセリフも流れ、会場は一気に“天堂劇場”のライブが目の前で展開されているような雰囲気となった。そして暗転のあと、いよいよ1曲目の『メインテーマ』がスタート。中央に仮面をまとった蓜島氏、観客から見て左側にブラスセクション、右側に弦楽四重奏という配置で、力強い演奏が披露された。
2曲目は『龍城路(りゅうじょうろ』で、蓜島氏がひとりで演奏。ちょっと前衛的な曲調で、終わったあとに蓜島氏がステージで当日初となる「すっかり沈みかえってしまいました……」とのMCコメントを語る一面もあり、会場には大きな拍手と笑いが巻き起こった。
3曲目の『陰陽師(おんみょうじ)』では、“天堂劇場演奏団”がふたたび参加。ここでは最初、クリック(テンポを刻むガイド音)が入ったサウンドが演奏されたが、オリジナル曲にはナシということで、急きょ「クリックなしもやろう!」(蓜島氏)と、クリックがないバージョンも続けて演奏された。
そのあとはまた蓜島氏のソロパートとなり、4曲目の『バトル』に。戦闘シーンの曲らしい、荒々しい演奏が会場を沸かした。
ライブ終盤には多彩なゲストが登場!
ステージはいよいよ佳境へ。続く5曲目『The Key to the City』では、ゲストボーカルとしてかつて『クーロンズ・ゲート オリジナルサウンドコレクション』でボーカルを担当した王天戈さんがサプライズ登場。ステージ左上の高台に彼女が現れると、会場には大きなどよめきと歓声がわき起こった。
続く6曲目の『山高帽男(やまたかぼうおとこ)』のゲストは、3人のダンサーだ。山高帽男とふたりの女性バレリーナが、ときには絡みながら、キレのあるダンスを見せてくれた。ちなみに演出は、スターダンサーズ・バレエ団の芸術監督・鈴木稔さんが担当とのこと。
続く7曲目は『龍城飯店(りゅうじょうはんてん)』。これはファンに事前に行った、演奏してほしい曲のアンケートで1位だったそうだ。ステージでは蓜島氏が、女性の歌声をみずから再現して歌った。そして8曲目は、蓜島氏のソロ演奏コーナー。即興演奏あり、歌唱ありの、バラエティーに富んだステージが展開された。
終盤を迎えたステージでは、9曲目としてなんと『クーロンズ・ゲート』の新曲となる『フロンティア』が、“天堂劇場演奏団”の演奏とともに初公開。その勢いのまま、10曲目の『Happy Hour(ハッピーアワー)』では、蓜島氏が渾身の歌声を披露した。
迎えたアンコールで演奏された曲は、『KOWLOON Burn(クーロン・バーン)』。ステージではミラーボールが回って、まさに退廃したダンスホールのような世界が演出され、ライブイベントは大盛況のうちに幕となった。
サントラや設定資料集の発売、原画展の開催、ゲームの再配信、そして今回のコンサートと、ふたたび大きな盛り上がりを見せている『クーロンズ・ゲート』。いよいよ2017年には、節目の20周年を迎えることとなる。ファンならずとも、今後の展開には目が離せない。