“空間”を感じられる新しいアトラクションに進化

  大阪・ユニバーサル・スタジオ・ジャパンは、2015年1月23日~5月10日の期間限定で“ユニバーサル・クールジャパン”を開催する。これは、日本が世界に誇る4つのアトラクションを、ユニバーサル・スタジオ・ジャパンならではの圧倒的なスケールとクオリティーでお届けするビッグイベントだ。ここでは、本日1月23日より開催となる“バイオハザード・ザ・エスケープ”の体験リポートと、川田将央プロデューサーへのインタビューをお届けしよう。

USJ“バイオハザード・ザ・エスケープ”体験リポートと川田将央氏へのインタビューをお届け “リアル脱出ゲーム”との融合が実現_01
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 “バイオハザード・ザ・エスケープ”は、数多くの“リアル脱出ゲーム”を手掛けたSCRAPによる、『バイオハザード』と脱出ゲームの醍醐味が融合したエンターテインメントだ。用意されたシチュエーションは、人をゾンビ化させてしまう“Tウイルス”がテレビ局にばらまかれてしまうというもの。60分以内に抗ウイルス薬をゲットしたうえでゴールに到達できなければ、ゲームオーバーとなってしまうのだ。

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▲番組放送中に、ゾンビの襲撃が……。
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▲分隊長の指示に従い、ゴールを目指そう。

 迫力満点のゾンビ発生のプレショーが行われた後、ゲストはデジタル端末“Player Pad”を持ち、タイムリミットが迫る中、ゾンビの脅威に怯えながらも数々の謎に挑むことになる。ところどころに“罠”と言えるものも登場するので、洞察力と推理力がカギになるだろう。

 詳しい経緯はネタバレになるので控えるが、記者を含めたファミ通の4人のチームは、本当に“あと一歩”のところでゲームオーバーとなってしまった。「ここでこう考えていればうまくいったのに!」とこぶしを握りしめながら悔しがってしまった。

 これから“バイオハザード・ザ・エスケープ”に挑む人には、“Player Pad”を使って、怪しいと思ったところを写真に撮ってみることをおすすめしたい。後で謎を解いたり、答えを照らし合わせるときにきっと助けになるはずだ。また、会場はかなり広大かつ、階段を下りたり上ったりと運動することが多いので、動きやすい靴を選んでおくほうがいいだろう。

 ここからは、『バイオハザード』シリーズのプロデューサーである川田将央氏へのインタビューをお届けしよう。

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――“ユニバーサル・クールジャパン”にご参加いただいた意図や、クール・ジャパンに対する想いをお聞かせください。
川田将央氏(以下、川田) ゲームは、日本から何かを発信できるという意味では、非常にクール・ジャパンの立ち位置に沿ったメディアであると考えています。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンさんのエンターテインメント性、盛り上がりを見せているSCRAPさんのリアル脱出ゲーム、『バイオハザード』が融合することで、さらに世界にクール・ジャパンを発信できるのはないでしょうか。これまで“バイオハザード・ザ・リアル2”などではシューティング系のアトラクションを展開させていただきましたが、さらに違うことができるようにと、今回はゲームに沿った形で、“空間”を体感できるようになっています。

――“バイオハザード・ザ・エスケープ”の見どころを教えてください。
川田 4人1組とはいえ、暗闇の中でヒントを求めてさまよっていくという点で「まさに『バイオハザード』だ!」と思えるアトラクションになっています。謎を解きながらも、「暗がりの中に何がいるのかわからない」というゲーム性も作り出しています。『バイオハザード』ではできないこと、リアル脱出ゲームでできること、さらにはユニバーサル・スタジオ・ジャパンさんだからでこそできることが、うまく調和した感じですね。“体感性”が大きなテーマになる、楽しいエンターテインメントに仕上がっているのではないのでしょうか。

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――“バイオハザード・ザ・エスケープ”は、暗闇でドキドキ感が楽しめるという点でデートにもうってつけであると感じました。そのようなことも意識されていたのでしょうか。
川田 デートというシチュエーションを意識して暗闇にしたわけではありませんが、協力して難問をクリアーしていく、コミュニケーションがとくに需要になっているゲームですので、そういう意味ではデートに最適ですね。制限時間はありますが、“バイオハザード・ザ・リアル2”のときよりも、自分のペースで攻略できるという点でもデート向きなのではないでしょうか。

――川田さんの今後の展望を教えてください。
川田 ユニバーサル・スタジオ・ジャパンさんとは、『バイオハザード』で何度もごいっしょさせていただいていますので、さらに今後できるものはないのかと、引き続き考えています。また、『バイオハザード HDリマスター』が現在デジタル配信中、来月(2月)より『バイオハザード リベレーションズ2』もデジタル配信が予定されてますので、いまは『バイオハザード』が新しいエンターテインメントとして発信できる、すごくいいタイミングであると考えています。

――『バイオハザード リベレーションズ2』は長い期間に渡り開発をされてきたと思います。来月に発売を迎えた、いまの率直なお気持ちをお聞かせください。
川田 当初考えていたよりも、さらに過酷な開発でした。スタッフ一同かなりふんばっていてくれたので、いい作品に仕上がったのではないかなと思っております。少しでも多くの人に手に取っていただけるように、エピソードひとつを800円ほどの低価格で配信させていただきますので、ぜひゲームでも『バイオハザード』を“体感”してください。

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――“バイオハザード・ザ・エスケープ”の海外展開はどのように考えていらっしゃいますでしょうか
川田 今回のアトラクションでお配りしている端末は6ヵ国語に対応をしています。ユニバーサル・スタジオ・ジャパンには海外のお客様もたくさんいらっしゃいますし、海外でも『バイオハザード』はとても注目をされているコンテンツですので、ぜひ多くの方にご体感いただきたいです。

――ユニバーサル・スタジオ・ジャパンとコラボレーションしたことについて、こういう点がよかった、というポイントがありましたら教えてください。
川田 これまでもユニバーサル・スタジオ・ジャパンさんとコラボをさせていただいたという積み重ねにより、『バイオハザード』というコンテンツが盛り上がっていることを感じます。また、『バイオハザード』は歴史のあるタイトルだけあって、初めてシリーズを遊ばれる方にはハードルの高いタイトルになっているのではないかという懸念もありました。しかし、このような場所でアトラクションを展開することで、普段ゲームと触れ合わない方も『バイオハザード』というタイトルを知っていただくきっかけになっているのはないかと思っています。実際に、“バイオハザード・ザ・リアル2”のときは、歩いている子どもたちが看板を観て「あ、『バイオハザード』だ!」と言ってくれていたことがすごくうれしかったですね。そういう認知が広がっていくのは、我々にとってのメリットであると思っています。

――“バイオハザード・ザ・エスケープ”全体の出来は、どのように考えていらっしゃいますか。
川田 建物ひとつをゲームにしてしまうという点で、すごく満足しています。エンディングを迎えたときの達成感は、まさしくエンターテインメントと呼べるものなのではないでしょうか。チームを組んで謎を解くという一体感は、ひとりで遊ぶゲームでは得にくいものだと思いますので、ヘビーゲーマーの方もぜひチャレンジしてみてください。


 川田氏が語ったように、ゾンビの影に怯えながらも、謎を解きながら攻略していくというゲーム性は、『バイオハザード』そのままの魅力であった。さらに、チームで協力しながら、ひとつの建物の中を駆け巡るというの新たな醍醐味も加わっている。ゲームをプレイしているとニヤリとできるシチュエーションも用意されているので、ぜひ期待してほしい。

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