製品版に近いバージョンでハンター対モンスターの戦いを体験
2014年12月4日(木)に発売予定のプレイステーション4/Xbox One/PCソフト『Evolve(エボルブ)』。その最新デモをプレイできるメディア向け体験会が、先日2Kにて開催された。
『Evolve(エボルブ)』は、架空の惑星で4人のハンターと1体のモンスターに分かれて対戦するマルチプレイサバイバルアクションシューター。先月にアメリカで開かれた世界最大級のゲーム見本市・E3 2014では、50以上のアワードを獲得して総合ベストに輝き、早くも2014年のゲーム・オブ・ザ・イヤーの有力候補と目される期待作だ。今回のメディア向け体験会でプレイしたデモは、E3にもプレイアブル出展されていた製品版に近いバージョン。今年2月のメディア向け体験会(⇒関連記事はこちら)で使用したハンターやモンスターと異なるキャラクターを使い、ダムを舞台にした戦いを体験した。その模様を詳しくリポートしよう。
2体目のモンスター“KRAKEN(クラーケン)”を実際にプレイ
使用するモンスターは、E3でお披露目された“KRAKEN(クラーケン)”(⇒関連記事はこちら)。海の魔物クラーケンをモチーフにした飛行型モンスターで、空中を浮遊しながら電撃系の技を放ってハンターを苦しめる。
本作におけるモンスタープレイの特徴をざっとおさらいしておくと、モンスターはもっとも弱い状態でゲームを始めることになるので、まずはハンターたちから身を隠しながら、最大3段階まで進化してパワーアップする。進化するには、ステージ上の野生動物を倒して捕食し、ゲージを溜める必要がある。ただし、同じ場所にとどまって野生動物を狩っているとハンターに追いつかれる危険があるため、居場所をつぎつぎに変えなくてはならない。また、野生動物の中には初期段階のモンスターでさえ倒すのに手こずる強敵も存在するので、戦いが長引いてハンターに見つかったり、ハンターと交戦するまえに傷ついたりすることもある。
進化するとモンスターの身体が巨大化して強靱になり、さらにアビリティーを獲得・強化できる。アビリティーは最大4種類まで獲得でき、各アビリティーは最大3レベルまで強化可能だ。とはいえ、最終段階まで進化しても、アビリティーに割り振れるポイントは限られるため、得意なアビリティーのレベルを集中的に強化するか、あるいはすべてのアビリティーをバランスよく強化するかは、プレイヤーの好みによって分かれるところだろう。
【KRAKENのアビリティー】
Lightning Strike …… 長射程の雷撃を放ち、敵にダメージを与える。
Banshee Mines …… 電気を帯びた地雷を撒く。近くの敵を自動追尾。
Aftershock …… 周囲に雷を放って付近の複数の敵にダメージを与える。
Vortex …… 周囲に衝撃波を放ち、近くの敵を吹き飛ばす。
前回のメディア体験会で使用したモンスター“ゴライアス”は、ハンターの群れに突っ込んで暴れまわるタイプだったが、今回使ったクラーケンは離れた場所から標的を攻撃するアビリティーが充実しており、浮遊してハンターと間合いを取りながら戦うことが多い。ゴライアスが戦士タイプなら、クラーケンはさしずめ魔術師タイプのキャラクターといったところだろう。とくに使いやすいと思ったクラーケンのアビリティーは、Banshee MinesとVortex。Banshee Minesは近くの敵を自動追尾するので、狙いが多少あいまいでも確実にダメージを与えられるのがうれしい。もちろん、地雷を撒いた場所の近くに敵がいなくてもトラップとして残しておけるので、ハンターが通りそうな場所にあらかじめ仕掛けておく使いかたも可能だ。Vortexは周囲のハンターをまとめて吹き飛ばせる技で、囲まれてピンチに陥った際、その場から逃げ出すのに役立つ。Lightning Strikeはダメージの大きさが魅力だが、ある程度、狙いを正確に定める必要があるので、標的との間合いが離れていると外しやすいのが難点。Aftershockはハンターと接近したときにとりわけ有効な技だが、発動に若干時間がかかるため隙が生じやすい。
対戦では、ハンター側にゲームに慣れている2Kスタッフも入って「本気でかかっていく」とのことだったので、ならばと序盤から慎重に身を隠しつつ進化をくり返した。スニーク移動で足跡を残さなくても、モタモタしているとMAGGIEのペットであるDaysyに匂いを追跡されて見つかるため、できるかぎり一箇所に留まらないようにして隠密行動に徹しなくてはならない。それでも途中、何度かハンターに発見されてしまい、最終段階に進化した段階でシールドがかなり減った状態に。引き続き身を隠しながら野生動物を捕食してシールドを回復するが、しばらくすると画面上に謎のカウントダウンが表示された。どうやら、戦闘を長く避けていると30秒のカウントダウンが始まり、ゼロになると無条件にハンター側の勝利となってしまうらしい。「タイムオーバーはマズイ」ということで一転、攻勢に転じたものの、メディックをなかなか倒すことができず、長期戦の末にあえなく撃沈! 残念ながらモンスター側の敗北で終わってしまった。なおプレイ中はハンターへの攻撃に夢中になっていてつい忘れてしまっていたが、ダムのマップではジェネレーターを破壊することでも勝利できる。ハンターをなかなか倒せなかったら早々に見切りをつけ、ターゲットをジェネレーターに切り替えたほうがよかったかもしれない。『Evolve(エボルブ)』では圧倒的な力を持つモンスターでもゴリ押しだけでは簡単に勝てず、戦略的に戦うことが重要だとあらためて痛感させられた。
E3でプレイアブル出展された新ハンターが登場
ハンターのクラスは4種類に固定されており、ハンター側のプレイヤーはアサルト(攻撃役)、トラッパー(モンスターの追跡・捕獲役)、サポート(補助役)、メディック(回復役)のいずれかを担当して出撃する。同じクラスでも装備の異なる複数のキャラクターが用意されていて、今回はモンスターだけでなくハンターのほうも前回のメディア体験会とは異なるキャラクターでプレイできた。
■HYDE(アサルト:攻撃特化型のクラス)
【装備】
Minigun …… ミニガン。中長距離からダメージを与える。
Flamethrower …… 火炎放射器。射程は短いが威力は絶大。
Toxic Grenades …… 酸性ガスを発生させるグレネード。
Personal Shield …… 一時的に無敵状態になるシールド。
チームの攻撃役として活躍するキャラクター。Minigunは射程が長いものの与えるダメージが少ない。そのため、Personal Shieldで一時的に無敵化して、至近距離からFlamethrowerで大ダメージを与える戦法のほうが有効だ。トラッパーにモンスターを拘束してもらったうえでFlamethrowerの炎を浴びせ続けると、モンスターの体力をおもしろいくらいにどんどん削れる。Toxic Grenadesは酸性ガスを発生させる手投げ式の武器で、物陰に潜むモンスターをいぶり出す効果がある。前回使用したMARKOV(アサルト)と同じく、基本的にモンスターへの攻撃に専念していればいいので、初心者にも扱いやすいクラスだと感じた。
■MAGGIE(トラッパー)
【装備】
Machine Pistol …… 短機関銃。中距離からダメージを与える。
Harpoon Traps …… 地面に設置してモンスターを拘束するトラップ。
Pet Trapjaw …… モンスターを追跡するペット“Daisy”を利用できる。
Mobile Arena …… 一定のあいだエリア内にモンスターを閉じ込める。
モンスターの追跡・拘束を専門とするクラス。MAGGIEが連れているペット“Daisy”は、ゲームが始まるとみずからモンスターの匂いをたどって移動するので、その後を追ってモンスターを発見する。また、Daisyには味方を治療する能力もあり、モンスターとの戦闘時には回復役としても活躍する。モンスターを発見したら、味方が攻撃しやすいようにモンスターを拘束。Mobile Arenaを使ってバリアを張り、一定エリア内にモンスターを閉じ込めたら、つづいて杭のようなHarpoon Trapsをモンスターが通りそうな地面に打ち込み、接近したモンスターを捕らえて足止めする。とくにアサルトのHYDEが持つ強力な武器Flamethrowerは射程が短いので、トラッパーがモンスターを確実に足止めすることが連携の要になる。
■BUCKET(サポート)
【装備】
Guided Missile Launcher …… 追尾式ミサイル。発射した弾頭を視点移動で誘導できる。
Sentry Guns …… 設置式の自動機銃。射程内のモンスターを自動的に攻撃する。
UAV …… 頭部を分離して空中に飛ばし、モンスターを捜索する。
Cloaking Field …… 一時的に周囲の味方の姿を消す。
味方の攻撃と防御をサポートするクラス。BUCKETはハンターの中では珍しいロボットのキャラクターで、頭部だけを分離して飛行させ、安全な場所からモンスターを索敵できる(UAV)。Sentry Gunsはいわゆるタレットで、モンスターが近づきそうな場所に設置しておけば自動的に射撃を開始する。1基ごとの攻撃力はさほど高くないが、複数設置して集中砲火を浴びせれば甚大なダメージを与え続けられる。もうひとつの武器、Guided Missile Launcherはリロードに時間がかかるものの一発の威力が非常に大きい。プレイヤーの視点移動によってミサイルの動きを制御できるが、弾速が遅く、敵に動かれると外しやすいため、アサルトと同じく、トラッパーが足止めに成功したところへ叩き込む戦いかたが有効だ。
■LAZARUS(メディック)
【装備】
Silenced Sniper Rifle …… 長距離射程の狙撃銃。狙撃した箇所は一時的に敵の弱点となる。
Lazarus Device …… 倒れた味方を蘇生させる。
Personal Cloak …… LAZARUS自身の姿を一時的に消す。
Lazarus Healing Burst …… LAZARUSを中心に一定範囲内の味方を一斉に回復させる。
チームの回復を担当するクラス。味方の体力を回復させるだけでなく、倒れてしまった味方を短時間で蘇生できる点が特徴だ。Personal Cloakを使って一時的に姿を消せば、モンスターに気づかれることなく最前線の味方を援護できる。前回のメディア体験会で使用したVAL(メディック)は“安全な場所から味方が倒れないように回復支援する”のがおもな役割だったが、LAZARUSの場合は“前線で傷ついた味方を回復・蘇生する”スタイルになる。
アサルトやトラッパーなど基本的な役割は同じでも、キャラクター(装備)が違うとプレイスタイルも変わる点が、一般的な対戦型FPSにはないユニークさを感じた。ハンターはゲームプレイを重ねることで自分の好みに合わせて成長させることができるので、製品版ではお気に入りのキャラクターを育てて、より多彩なプレイスタイルを楽しめそうだ。
ハプニング続出! 野生生物にも要注意
ほかに今回の体験プレイで印象的だったことは、野生動物・植物が前回よりも手ごわくなっていた点だ。モンスターを追跡している途中、まれにサイズの大きい強力な野生動物に目を付けられてしまうことがあり、そうなると追跡を中断して、数人がかりで撃退しなくてはならなかった。また、参加者の多くがよく引っかかっていたのが、近づいたハンターをいきなり飲み込む肉食性植物。いったん捕食されると身動きが取れなくなって体力がどんどん失われ、最後にはモンスターと戦うことなくダウンしてしまうため、味方を呼んで救出してもらわなくてはならない。このように、野生生物はハンターにとってなんとも厄介な存在だが、逆にモンスターにとってはハンターを嵌めるトラップとして利用できる。2Kのスタッフによると、ゲームに慣れて野生生物の配置がある程度、把握できるようになれば、あえて危険な生物の多いルートを選んで、ハンターに追跡させる手も使えるとのことだ。追うハンターも、追われるモンスターも野生生物による想定外のハプニングに襲われることが多々あり、ゲームの展開につねに刺激を与える工夫が見て取れた。
『Evolve(エボルブ)』の国内発売は冒頭でも触れたとおり2014年12月4日(木)に予定されているが、それまでにもうひとつ、新しいバージョンのプレスデモが用意されるとのこと。詳しい内容は現時点で不明だが、未知のハンターやモンスターが公開される可能性があるので、続報にぜひ期待してほしい。
なお、同作はただいま予約受付中だ。
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(文:ライター/ムライサトシ)