思い立ってちょっくらLAに行ったら初音ミクまで出展されてた
先週末にロサンゼルスで開催されたコンベンション、Anime Expoで、「ソードアート・オンライン」のVRデモを公開し話題を呼んだ、VRヘッドマウントディスプレイ“Oculus Rift”のメーカー、Oculus VR。日本のアニメコンテンツが好きな人が大半を占めるアニメファン向けのコンベンションとはいえ、メイドインジャパンなVRコンテンツを大々的に、しかも許諾つきでデモに採用したというのは結構驚くべき事態だ。
というわけで飛行機に飛び乗ってロサンゼルスに向かってみたら、最終日に初音ミクを使ったデモまで公開していた!
Oculus VR創業者のパルマー・ラッキー氏が、ロサンゼルスで行われたライブ「Mikunopolis」に行くほどのファンということもあって実現した今回の企画。デモの内容は、宇宙っぽい空間を舞台に、古墳Pの「Sweet Logic」にのせて初音ミクが眼前で歌い踊るライブを体感できるというコンテンツで、デモ機のOculus RiftのDK2(第2世代開発キット)で可能になった、身を乗り出す動作などにも対応しており、実に自然にライブを独り占めで体験できる。
個人的には、音楽にノッている時にビートを取るために首をちょっと傾げる癖があるのだが、そういった細かな頭の動きにも視界が結構ちゃんと追従しているのがありがたいところ(没入型のコンテンツは、そういった細かな部分であっても、実際の体の動きと見えているもののズレが発生すると、少しずつ没入感が削がれるのだ)。
ラッキー氏はこれまで、FPSなど一人称視点のゲーム文化が定着しているがゆえに既存のゲーム文法を使いたがる欧米の開発シーンに対し、その土壌があまりないこともあって、VRならではの独自性を持ったコンテンツが出てきやすい日本のシーンを評価し、DK2の日本優先出荷などを決めてきた。
今回アニメファンが集まるAnime Expoに出展するにあたって、日本式のVRコンテンツが全面的に採用されたのは、VRの特性を活かしてキャラクターの魅力を最大化することを試行錯誤してきた日本のシーンのひとつの流れが評価されたと言っても過言ではないだろう(もちろん日本のシーンでは、それ以外のオリジナルコンテンツもいっぱい出てきているが)。Facebookが2000億出した会社が、日本の草の根的な活動をここまで評価するというのは、ラッキー氏がいくら日本のアニメ好きとはいえ、ちょっとスゴいことなんである。
で、もちろんその効果はバッチリ。どのデモも、体験したアニメファンたちが「信じられん」といった感じに首を振りながら口々に「Awesome...(スゲェ)」、「Cool(イケてる)」「Insane(ヤバい・キちゃってんなぐらいの意)」と感服していたんで、非常に良かったんじゃないでしょーか!
今回のデモが出展されるかどうかはわからないが、「Oculus Rift、どんなものかいっちょ体験してみたい」という人は、日本各地で行われている有志による体験会「Ocufes」(Oculus Festival)をどうぞ。
(取材・写真・文:ミル☆吉村)